新生活早々
漸く大学生になりました
4月になり韻と同じ大学の医学部に通い出した
この大学はマコトや宮乃や云足が通った大学だった
「八神さん!」
「はい?」
「今日学部の親睦会有るんだけど…来れる?インくんも…」
「あっ…それは…」
同じ学部の子に誘われたが…
「アン、授業終わった?」
「うん」
大体いつも友晴が迎えに来ていた
「あっ!イン、久しぶ…」
「トモハル!じゃあねっ!」
韻が猛スピードで駆け出して行った
韻は麻由の大学にいつも迎えに行っている
友晴といい韻といい…寂しがり屋なのかな?
「あっ、八神さんは彼氏がお迎えか…じゃあ欠席で?残念だなあ。仲良くなりたかったけど…」
「うん、ゴメンね」
「でも…彼氏さんガタイも良いしスポーツマンって感じでカッコいいよね。どこの大学?」
こういう大学に通ってると周りの人は頭が良いので変に大学マウントを取りたがる人も多い
「帝京大の法学部だよ」
「へっ…へえ…頭も良いんだね…お似合いだね」
「そうかな?有難う」
大体こう言うとそれ以上無駄話にならなくて済んでいる
「インは久々に会ったのにつれないな…」
「マユが心配なんでしょ?可愛いし美人だから」
「まあ…でも俺はアンが心配…」
「私?何で?」
「さっきの奴だって…絶対アン狙ってたし」
「考えすぎだよ。そもそも私はトモハル以外とこの先も付き合う気ないし」
「あはは、アンはハッキリ俺が喜ぶ言葉をくれるから安心するなあ」
「トモハルこそ…大学で女の子と仲良くなったりしてない?」
「周りの奴らはそんな余裕ないよ。授業もレベル高いしこの先の司法試験に向けて皆頑張ってる人も多いからね」
「そっか、まあ私も6年有るけど卒業と医師免許取らないとだからね。予習もしなきゃだし課題も多いよ」
「そうだね。俺も予習もしなきゃついてけないし課題も多い…」
「まあ、軽くお茶して帰ろっか」
「そうだね」
大学はお互い別になったがそんな風に高校の時から変わらず友晴と付き合っていた
大学でも韻は何かと目が離せなかったが中学、高校の頃に比べて女の子とも遊びまくらずその点だけは落ち着いていた
これはひとえに麻由の功績が大きいだろう
このまま韻を引き取ってくれないかなあと思っていた
大学でも韻は友達が多かった
私は無駄な人付き合いが面倒だったので友晴みたいな友達は作らなかった
お昼も大体一人で食べていたけどたまに韻の気が向いた時は一緒に食べたりしていた
「そう言えば…アルはドナーが決まったよ」
「そうなんだ」
「何か…あっさりしてるね。可愛がってたじゃない、弟みたいに思ってたんじゃないの?」
「弟ってより…アルは僕の子だからね」
「えっ!?どう言う事!?フォウとツウの子でしょ?」
「違うよ。マコトが死んだって聞かされて悲しくなって隔離されてたホテルにフォウのおっぱいに慰めて欲しくて通ってたから。シンヤのおっぱいは大っきいけど硬いし」
「えっ!?シンヤって…榎本先生!?」
「そうだよ。シンヤとセックスしても子供は出来ないけどフォウとセックスしてたら出来たみたい。お薬止めてたのかなあ?」
「あんたねえ…」
女の子だけに飽き足らず遂に男の担任の先生まで毒牙に…
フォウの子の真相と相まって驚きより呆れていた
「どの道フォウと僕の子だと戸籍も無く一生地下生活だろうし。カイはその内マコトが外に連れ出してくれるだろうけどね」
「そうだね…」
「誰かの身体の一部になってでも僕みたいに外の世界に出て沢山の人と出会って好きな人も出来て…誰かと過ごした方が幸せだと思う」
「そう…ね」
韻に友達が多いのはそう言う思いが有るからかも知れない
「インは八神の使命の事は知ってるの?」
「大体は聞いてるよ」
「じゃあ…叔父さん…お爺さんの研究の事は?」
「まあ…大体…実際には見た事ないけどマコトからは聞いてる」
「そう…どう思う?」
「まあ…誰も幸せにならない研究だよね」
「そうね…その意見には私も同意だわ」
「いつかは…やめさせたいと思ってるけど…」
「そうね…まあ時を待ちましょう。今は卒業して医師免許を取って医者にならないと…」
「そうだね。じゃないとマユと家族になれないし」
「マユと結婚するの!?」
「うん。まだ話しても了承して貰ってもないけど」
「色々ツッコミ所は有るけど…まあ…アンタの手綱を握れるのはマユ以外には居ないだろうし…せいぜい頑張って…」
「アンもね!どうせトモハルと結婚するんだろうけどね!」
「気が早いわよ…トモハルにも色々事情も有るだろうし…」
そう、友晴とならこの先ずっと一緒にいても良いとは思ってはいた
ただ…
結婚となると相手の家柄で色々懸念もあった
恐らく相手の家族に反対される…
そう思っていた
そんな事よりも韻の話が色々衝撃的過ぎてそんな懸念は吹き飛んでいた
韻の爆弾投下で衝撃が走る杏ですが…
杏にも色々思う所が有るようです




