誰かの1番
終業式が終わって明日から夏休みとなった
「マユー、夏休みどっか行こ?」
「どっかってどこよ」
「そうだなあ、トモハルとアンは花火行くからなあ」
「えっ?あの2人って…付き合ってるの?」
「あっ!内緒だったんだ…まあマユならいっか」
「別に構わないけど…あなたに秘密は喋っちゃダメだって事はよく分かったわ…」
「マユ何か秘密あるの!?」
「別に無いわよ…何かあなたと話してると隠し事するのが馬鹿らしくなるもの…」
「そう?」
「何か…今まで人に言えなかった事も…しょうもない事だったんだなって思える…」
「へえ…」
「あなたは無いの?秘密にしてる事」
「うーん、一個ある!」
「そうなんだ…何か考えるより先に喋ってるタイプだと思った」
「僕だって色々考えてるんだからね!」
「はいはい。いいわよ、無理には聞かないから」
「うーん、マユが僕と結婚したら教えてあげる!」
「けっ!結婚!?」
「うん!」
「まだ…ちゃんと付き合っても無いのに…話が飛躍しすぎてて驚きを隠せないわ」
「だからその前に好きになってね!」
マコトが実は生きている…
この事だけは麻由にも秘密にしなきゃ!
僕と家族になってくれたら打ち明けよう
「じゃあ…家に来て」
「マユの家?」
「そう…ピアノを聞いて欲しいの…」
「わあ!嬉しい!マユから弾いてくれるんだ!」
「うん」
8月に入って麻由の家に行った
「今日は航平いないんだ」
「クラブ活動してる。トランペットやってるのよ」
「へえ!音楽きょうだいだね!」
「まあね」
麻由の部屋に入って麻由はピアノの前に座った
「ふう…」
深呼吸していて、何だか緊張してるみたいだった
「じゃあ…」
そう言って演奏を始めた
「どうだった?」
演奏を終えて尋ねてきた
「凄く楽しい気持ちになった!」
「そう…」
「何かね、あったかい春にマユと外でクリスマスの料理を食べてイチゴのケーキ食べてるみたいな!」
「何か…季節感めちゃくちゃだけど…」
「何て曲なの?」
「これは…ピアノをやめるきっかけになったモーツァルトピアノ協奏曲第15番K.450よ」
「そうだったんだ!こんなに凄い演奏なのに1番になれなかったのが不思議…」
「あの頃とは違うわ…」
「そっか!練習して上手くなったんだね!」
「それだけじゃ無い…あの頃だと分からなかったし、こんな風に弾けなかった」
「そうなの?」
「あなたに出会って…知らなかった事を知ったから弾けるようになったんだと思う」
「そうなんだ!僕役に立ってるんだ!」
「そうね…誰かの為に…あなたに…聴いて欲しい、楽しくなって欲しいって思って…初めてそんな気持ちでピアノを演奏したの…」
「そうなんだ!嬉しい!」
「だから、もっとあなたの事が知りたいの」
「そっか」
「あなたは何を考えてどんなふうに過ごしてるのか…」
「うーん、じゃあ僕の家に来て見る?マユ来た事無いよね?」
「うん…そうだね」
そう言って僕の家に招待した
○○○○○○○○
「何か…何も無いのね…」
「トモハルも同じ事言ってたなあ」
一応勉強机と本棚は有るが後はベッドだけだった
「何か色々ごちゃごちゃしてるの想像してた」
「僕、エロ本も一回読むと覚えるし、手元に無くても大丈夫!」
「それはどうでも良いわ!やはり頭脳を無駄利用してるわね…」
「僕…多分空っぽなんだと思う」
「空っぽ?」
「うん。ミヅキも僕じゃなくてマコトだけを愛してた」
「ミヅキって誰!?」
「僕を産んだ人」
「なんだ、お母さんか…ビックリした」
「マコトは僕だけじゃなくてアンやドライや患者の子皆同じ位に好きだった」
「そりゃお父さんならそうでしょ…てかまた知らない名前が出て来たけど…まあ良いわ」
「僕だけを…僕と同じ位僕の事好きになって欲しいの… 1番が欲しい…」
「1番…」
「マユは僕の1番に、好きになってくれる?」
「好きじゃなきゃ…こんな所一人でノコノコ来ないわよ…」
そう言って麻由が僕にキスして来た
「嬉しい!初めてマユからしてくれた!」
夢中になってお互いの舌を絡めた
クチュクチュと音が響いていた
「じゃあ…いい?」
耳を甘噛みしながら耳元で囁いた
「まっ…待って!!汗かいてるからっ!シャワー浴びたい」
「じゃあ一緒に浴びよ?」
「いっ!一緒に!?」
「うん!」
そう言ってお風呂場に手を引いて連れて行った
長くなりそうなんで2話に分けます…
次回はいよいよ…




