クリスマスの約束
「ねえねえマユー!」
「もう!重い!離れてよ!」
「やだー」
休み時間には麻由の背中にくっついて抱きついていた
麻由に好きになって貰いたいから麻由の好きなバックハグをいっぱいしていた
「咲穂先生の作品の伝家の宝刀バックハグ!これが愛しさと切なさと心強さの真骨頂よ!」
前に力説してたからね!
「ちょっと!!耳舐めないでよ!!ここ学校なんだからっ!」
「ふふっ…気持ちいい?」
「くすぐったい!」
「えー?じゃあ耳たぶは?」
そう言って耳たぶを甘噛みするとビクッとしていた
「感じてる?可愛い」
「いい加減にしなさいっ!」
そう言って頭を叩かれた
「信じられない…公衆の面前でっ!」
「皆見てないよ?」
「皆目を逸らしてるのよっ!」
「えー、皆に仲良くしてる所見てほしいのに…」
「仲良くの度合いと内容が明らかにおかしいでしょ!今度人前でやったら嫌いになるから!」
「えー。それはヤダ!じゃあ人前ではやらない」
「人前では…人前じゃ無いと何されるのか…やっぱり八神韻は恐ろしい子だわ…」
仕方ないなあ…
でも麻由は耳が感じる事は分かった!
そんな風に過ごしているとちょっとした事件が起こった
前に屋上で会話を聞いた翔太の方が問題を起こした
杏に相手にされなかったからクラスの静奈に手を出して妊娠させたらしい
あの会話の通り無理矢理セックスしたのだろうか
しかも避妊もせずに…
やっぱり色々最低な奴だと思った
「あーあ、山本やらかしたわね。あなたも明日は我が身よ?」
「僕ちゃんと避妊はするし翔太みたいに無理矢理セックスなんてしないもん」
「無理矢理…そうなの?仲良さそうに見えたけど…」
「うん。そうだよ?」
そう言って屋上で聞いた会話を麻由に話した
もう洋介が何話してたか言っちゃったし、その事で友晴が言ってた様な聞いたらショックで男が怖くなって僕とも話さなくなるかもしれないって事も無かったから大丈夫だと思った
「何だか…類は友を呼ぶとは正にこの事ね…」
麻由は呆れていた
麻由はやっぱり強くて賢い
あれだけエロ本(BL)で勉強してるんだもんね!
静奈は結局うちの病院で中絶したらしい
杏に相談して連れて行ってあげたようだ
うちの病院なら僕に相談してくれたら良いのにってちょっとムッとしたけど、そう言う事は女の子同士の方が相談しやすいんだと杏に言われて納得した
翔太は謹慎していて暫くすると復帰して来た
落ち込んでるかと思ったけど、何だか前より元気になってる気がした
何か自分がカッコいいと思ってるのかなあ?
変なのって思っていた
でも、周りの女の子は怖がって近寄らなくなっていた
「なあ、静奈、また遊ぼうよ?」
誰にも相手にされてないから静奈に声をかけていた
「嫌よ!金輪際私に声を掛けてこないで!」
あの大人しそうな静奈が怒鳴っていた
「因果応報ね。傷ついて女は強くなるのよ…」
その様子を見て麻由が呟いていた
成る程なあ…
麻由も傷ついて強くなったのかなあ?
○○○○○○○○○○
「なあ、イン…俺、クリスマスにアンをデートに誘おうと思ってるんだけど…」
期末試験も終わって放課後に友晴に声をかけられた
「そうなんだ!楽しんでね!」
「うん…でも…俺、女の子と付き合った事無いし…その…どうすれば良いかイマイチ分からなくて…」
「そっか…トモハルはアンとはもうキスはした?」
「うん…でも口を付けるだけの…」
「じゃあ舌を入れてないんだ」
「しっ…舌!?…うん…」
「そっか、じゃあ教えてあげる!」
「教えて…?どうやって?」
「僕が試しにトモハルにやってあげる!気持ちいいよ?」
「インが!?俺に!?」
「うん!じゃあ…」
そう言って友晴にキスをして舌を絡めた
「んんっ…」
クチュクチュと音がして友晴は真っ赤な可愛い顔をしていた
そう言えば友晴って鍛えてるからおっぱい大きいな…
そう思ってると無意識にシャツの中に手を入れて胸を揉んで乳首を弄っていた
夢中になっているとバシバシ叩かれた
「ストップストップ!イン!ヤバい…俺トイレ行く!」
そう言って股間を押さえながら走って行ってしまった
暫くして友晴がぐったりして帰って来た
「何か…俺には刺激が強過ぎた…」
「そう?」
「まだアンとはそう言うのは早いのかも…俺もまだまだ成長しないとな…」
「そうかなあ…」
杏なら全然大丈夫だと思うけど…
「とりあえず…今回は普通にデートする…」
「そっか…まあまた何か知りたくなったら言って?」
「うん…有難う…」
友晴はクリスマスにデートするのか…
僕も麻由を誘ってみよう!
「ねえ!マユ、クリスマス一緒に過ごそうよ!」
「まあ…そうね…じゃあ家にいらっしゃい。家族もあなたに会ってみたいって言ってたから…」
「わあ!やったあ!楽しみ!」
「そうなんだ…普通は付き合ってる人の親に会うのって嫌がりそうだと思ってたけど…」
「ううん!僕クリスマスに家族と過ごした事殆ど無いから嬉しい!」
「そうなんだ…まあ張り切ってご馳走作るだろうからその辺は楽しみにしてて」
「やったあ!楽しみだなあ」
「本当に…あなたは子供なんだか大人なんだか分からない人よね…」
「僕はマユの事が好きなインだよ?」
「はいはい、その事は良く分かってるわよ…」
「ふふ、良かった!」
クリスマスに麻由と約束出来て嬉しくて楽しみだった




