2年目の約束
「へえ…」
「だからね、アンは夏休みに翔太に誘われても行っちゃダメだよ!」
マコトに会いに行くと韻に部屋へ連れて行かれて説明をされている
「まあ、元々夏休みに翔太と遊ぶ気も更々無かったけど…私も舐められたものだね…」
私だって選ぶ権利はある
好きでもない、何の取り柄も魅力も私に利益も無い男に黙って大人しくレイプされる気なんて無い
「そうだよ。遊ぶならトモハルと遊ばなきゃ」
「トモハルと?」
「そうだよ!トモハルはアンが好きなんだから!」
「そうなんだ…」
「この話聞いた時もすっごく怒ってたんだからね!」
「そっか…」
「アンの事好きなのインは嫌じゃ無い?って気にしてたし…すっごく優しくて気を使える奴なんだから!付き合うならトモハルしかいないと思う!」
友晴は私の事が好きだったんだ…
前に花火を見に行った時に言ってた人…
「トモハルは?好きな人は居ないの?」
「まっ…まあ…居るよ」
「そうなんだ!どんな人?」
「うん…優しくて賢くて色々話してくれて遊んでくれる人…かな」
「そうなんだ!私達似たような人が好きなんだね!」
「…そうだね」
私と似た人…
他人から見ても私とマコトは似てるって事なのかな…
そう思うと嬉しくなった
そして友晴はそんな私が好きって事は私と友晴はやっぱり似たような人が好きで、似た考えをする人なんだろう
そんな友晴なら一緒にいても、付き合っても良いかなって思った
「でも…」
「何?」
「そう言う事は他人からじゃなくて本人が直接伝えたいと思うよ?」
「そっか…」
「今日聞いた事は本人から言って来るまで聞かなかった事にしておくから。翔太の事も気をつけるから」
「分かった!でも、トモハルは本当にいい奴だから、オススメだよ!」
「うん、それは私も良く知ってるから」
「アンとトモハルが付き合う様になったら良いなー!」
「そっか…」
何かヤケに友晴をゴリ押しして来て何か有るのか気味悪かったけど、まあただのお節介だろうと思う事にした
「人の心配してるけどインはどうなのよ?」
「僕?」
「話の流れで行くとマユと仲良くなりたいんでしょ?」
「そうだよ?」
「何か手立てはあるの?」
「まあ見ててよ。僕も頑張るから!」
「そう…」
韻は一度告白して断られたと言う話だったが謎の自信を持って答えた
麻由の事は詳しくは分からないが真面目で恐らく簡単に身体は許さないだろうカタブツ、そんな麻由にこのちゃらんぽらんな韻が太刀打ち出来るのだろうかと疑問だった
そもそも韻が何故麻由が好きなのかもやっぱり謎だった
やっぱり韻は勉強は出来るがその他はアホの子なんだろう
そう結論に至った
そして期末試験も終わってもうすぐ夏休みとなった頃
「ねえ、アン、今年も一緒に花火見にいかない?」
友晴に花火に誘われた
「うん、いいよ」
私はそう答えた
○○○○○○○○○○
期末試験が終わって麻由に話しかけた
「ねえねえマユ!夏休みどうするの?」
「どうもしないわよ。恐らく毎年恒例の勉強して終わりね」
「じゃあさ!一緒に勉強しよ?」
「あなたと?」
「うん!」
「何で?」
「だってマユといると楽しいし!」
「何か魂胆でも有るのかしら…嫌な予感しかしないわ…」
「何もしないって!ピアノは聴きたいけど…」
「ピアノは弾かないわよ」
「うーん、じゃあさ、僕にピアノ教えてよ!弾いてくれないなら弾けるようになりたい!」
「そんな簡単に弾けるようにはならないと思うけど…」
「僕指が6本あるんだよ?きっと上手に弾けると思う!」
「ピアノを始めるにはもう遅い年齢だと思うけど…まあ良いわ。あなたの熱意に負けたわ」
「やった!夏休みが終わるまでに何か弾けるようになるぞ!」
「そうね、目標を持つ事は良い事だわ」
「じゃあ弾けるようになったら何かご褒美頂戴!」
「ご褒美…何か恐ろしいわね…これは悪魔との契約なのかしら…」
「怖い事はしないよー」
「その言葉を信じるわ…じゃあ、エロい事以外なら良いわよ」
「よし、頑張るぞ!」
「何だか今年は大変な夏休みになりそうだわ…」
「きっと楽しい夏休みになるよ!」
「まあ、ほっとくとあなたは夏休みに遊びまくりそうだし、誰か妊娠でもさせたら一大事だし…私が不良にならない様に監視してあげるわ」
僕が麻由を洋介から危険な目に遭わせないように監視するのに…
そう思っていたが、麻由と何とか夏休みに会う約束をする事が出来た
これで洋介から麻由を守るぞ
今年は杏は引き続き友晴とですが韻は麻由に変わりましたね
しかし韻よ…勝手に告白されて友晴が知ると怒ると思うぞ…
そして杏はやはり少々ピントがズレてる気がします




