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晏陰  作者: 水嶋
2人の出会い

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19/96

知らせ

夏休みが終わって学校が始まった


「アン、イン、おはよう!」


「おはよう、トモハル」


「おはぁ…あっ!サナちゃんだ!」


韻は挨拶もそこそこに飛び出して行った




「アン、この間は付き合ってくれて有難うね」


「ううん。私も色々有難う」


「インにはバレてない?」


「うん、大丈夫。会って無かったから。夏休みの間ずっと会わなくて清々してたけどまた憂うつだわ…夏休みの間に少しは大人になってくれてれば良いけど…って、早速女の子に絡んでるし…」



「おはよー!元気だったぁ?会えなくて寂しかったぁー!」



「何か俺と挨拶した時とのテンションの落差が…」


「何も変わって無さそうだわ…」


「でも…インに内緒の秘密をアンだけと共有してるって…俺ちょっとドキドキするな…」


「そう?」


「うん」


韻にバレたらゴネられて面倒だとは思うけどドキドキ…はしないかなあ


「まあ、バレたら面倒だからこのまま秘密にしとこ?」


「うん」



「あっ!シンヤー!おはよう!」


「イン、おはよう」


「今日も可愛いね!」


「やっ…やめなさいそういうのは!」


「ふふふ」



「何かご機嫌そうだから大丈夫だな、インは」


「だね。また変わり映えの無いお守り生活の始まりかあ…」



いつも通りのスタートだった






それから数日経った頃、担任に呼び出された



「アン、イン、ちょっといいか…」


なんだろう…

2人して担任から呼び出し…

何かやらかすなら韻だけど…監督としての連帯責任か?


何だか嫌な感じがしていた




「落ち着いて聞いてくれ…お前達の父親が亡くなったと知らせが入った」





○○○○○○○○○○





「ほら、イン行くよ!迎えに来てくれて待たせてるから!」


「やだっ!行かない!」



お手伝いさんが車で迎えに来てくれていた


韻が駄々をこねている…


「とりあえず私は先に行くから。インは落ち着いたら帰って来な」


「…」


「じゃあね!」



私だって混乱して取り乱してる…


でも韻が居るせい…おかげで何とか冷静さを保っていた


マコトは検死も終わって今は韻の所、マコトの家に帰されてるらしいのでそちらに向かった


一体何があったのだろう…


私は一緒に暮らしていなかったから最近の様子も分からず、検死…事故なのか自殺なのか誰かに殺された…なのか分からなかった



マコトの家に着いたら病院の方へ案内された


「お母さん!?マコトはどこ?」


病院に宮乃が来ていた

あと…


「アキラさん!?」


「アンちゃん…久しぶりだね、大きくなったなあ」


マコトの学生の頃からの友達で今は宮乃と同じ病院で外科医をしている蘇我晃が来ていた

小さい頃、たまにマコトが連れて来ていて会った事がある


アキラさんは妹が居て小さい頃から面倒を見て来たらしいので小さい女の子の扱いが上手かった



「今は色々あって眞事に会わせられないの。またちゃんと説明するからお葬式まで待って」


「お葬式…」



あぁ…本当にマコトは死んじゃったんだ…


多分お葬式とか色々相談があって宮乃とアキラさんは来てるんだなあ…


最後の姿のマコトにも会わせて貰えず

何で死んじゃったのかすら分からないけど


まだ子供の私に出来る事は無い…



「うん…分かった」



としか言えなかった





○○○○○○○○○




「イン!帰って無かったのか!?」



僕は階段の下のスペースに膝を抱えてうずくまって泣いていた


「マコトが死んじゃったなんて…信じたく無い!見ちゃったら死んじゃったって思うしか無いもん!」


「そうか…そうだよなあ…」


シンヤが僕を見つけて話しかけてくれていた


「でもなあ…お父さんも最後にインに会いたいんじゃないかなあ」


「ぐすっ…」


「辛いと思うけど…ちゃんと会ってあげた方が良いと思うぞ?」


「…直接会う勇気が無い…」


「そうかそうか…」


そう言ってシンヤは僕を抱きしめて頭を撫でてくれた


「シンヤ…キスして…」


「えっ!?ここで!?」


「うん…そしたら勇気出ると思う…」


「うわぁ…仕方ないなあ…見つかりませんように…」



そう言ってシンヤはキスしてくれた


僕は舌を入れて絡めた 


「こっ!こら!やめなさい…ここ学校だから!」


「ふふっ勃起しちゃうと大変だもんね」


「俺この後も部活あるんだから…勘弁してくれよ…」


「うん。有難うシンヤ」


「ちょっとは元気出たかな…じゃあ、ちゃんと帰るんだぞ?」


「うん…」



そう言ってシンヤが立ち去った後も暫く座り込んでいた



「八神韻、あなた家から呼ばれて帰ったんじゃないの?」


「マユ…」


「八神杏は帰ってるみたいだけど…そんな所で何やってるのよ」


「帰りたくない…」


「そんな、酔ったフリして男を誘うあざと女子大生みたいなセリフを…」


「だって…マコトが死んじゃったって…見ちゃったら死んじゃったって認めなきゃダメになるもん…」


「マコト?誰?インの男?」


「お父さんだよ…」


「なんだ肉親か…いや、禁断の関係…アリだな」


「悲しくて怖くて帰れない…」


「何だか萎びた胡瓜みたいな八神韻は調子が狂うわね…仕方ない、私がとっておきの子守唄を聞かせてあげるか…」


「子守唄?」


「丁度今日は誰もいない筈だから…ついてらっしゃい」


そう言って麻由は音楽室に僕を連れてきた



そしてピアノの前の椅子に座り演奏を始めた




僕は初めてピアノの生演奏を聴いてただただ圧倒されていた




「これはシューマンのトロイメライよ」


演奏を終えて麻由が言った



「この曲はシューマンが妻に『時々あなたは子供に思えます」 』という言葉の余韻の中で作曲に至ったらしいわ。あなたにピッタリな曲でしょう?って…えっ!?どうしたの!?」


「何が?」


「なんで泣いてるの!?」


「えっ?僕泣いてるの?」



頬を触ると濡れていた


知らない間に涙が溢れていた様だ



「マユってピアノ凄く上手いんだね!」


「…まあね…でも、この事は皆に言わないでよね」


「えっ?何で?こんなに上手なのに…」


「私にも色々あるのよ!それより家に帰る気になったのかしら?」


「うん…演奏聴いたら何か落ち着いて来た。帰る…」


「そう」



「有難う、マユ」


「どういたしまして」




僕は意を決して家に帰った



段々麻由の色々な面が現れてきてます…


麻由については「変な奴」でもその辺りの事を少し書いてます

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