約束
杏と韻にそれぞれ夏休みが始まりましたがどうなる事か…
「アンは夏休みどうするの?」
「うーん、多分勉強して終わりかな。まあこの学校の高等部に進学するから受験は無いけど成績落としたく無いし。トモハルは?」
「まあ俺も部活して勉強して終わりかなあ。お互い寂しい夏休みだね」
「そうだね」
終業式が終わっていよいよ夏休みと言う日に友晴と話していた
「アンは家族や友達と何処かに出かけるとか無いの?」
「遊びに行くほど仲のいい友達も居ないしウチはみんな忙しいからなあ。小さい頃から家族で夏休みに何処かに行った記憶は殆ど無いなあ」
「そっか…じゃあさ、花火見に行かない?」
「花火?」
「うん。見に行った事無い?」
「ニュースとかの映像で見た事あるけど実物を見た事は無いなあ」
「そうなんだ。実際みると凄いよ。迫力有って綺麗だし」
「へえ!」
「俺もだけどアンもたまには息抜きにさ」
「うん。そうだね、行ってみようかな。マコトにも色々経験してみろって言われてるし」
「そっか!じゃあ行こう!インの予定も聞かないと…」
「えー!インも行くの?夏休みまでインのお守りしたく無い」
「えっ?連れて行かないの?」
「インが行くならやめよっかなあ」
「えっ!じゃあ…2人で行く?」
「うん。それなら行く」
「そっ…そっか、分かった!じゃあ、また詳しい事は連絡するね」
「うん。まあ私はいつでも空いてるから待ち合わせとか決まったら教えて」
「うっ、うん!」
そう言って友晴とラインを交換した
「この事はインには内緒ね。後から何で連れて行かなかったんだ!ってゴネられたら面倒だから」
「わっ分かった!インには秘密…」
「それじゃあね、また夏休みに」
「うんっ!」
友晴は顔が赤くなっていた
今日は暑いし湿度も高いから熱中症が心配だ
部活も有るしこまめに水分補給をして欲しい
「お母さん、夏休みに友達に花火に誘われたんだけど見に行っていい?」
「友達?どんな子?」
「1年から同じクラスの子。ずっとインのお守りを一緒にしてくれてる。成績も大体私とインとその子で上位で頭も良くてインと違って真面目だよ」
「そう。じゃあ韻とも友達なのね」
「そうだよ。インと仲良いね。まあ私はオマケで仲良くしてくれてると思うけど」
「韻も一緒に行くの?」
「インも一緒にって言われたけど夏休みまでインのお守りはしたく無いからインが行くなら行かないって言ったら2人で行こうってなったよ」
「そう…その子は男の子?」
「うん。そうだよ」
「そう。まあ、万が一の事が有っても杏はピルを飲ませてるから大丈夫かな…」
そう、私はマコトとセックスをして子供を作らない代わりに学校で不測の事態を懸念されて普段からピルを飲んでいた
「まあ、トモハルは真面目だし警察の息子だしその辺は大丈夫だと思うよ。私の事インの姉で監視役位にしか思ってないと思うから」
「分かったわ。それじゃあ浴衣探しておくわね」
「浴衣?」
「そうよ。花火を見に行く時には浴衣を着るのよ」
「へえ。そう言うしきたりがあるんだ。花火見に行くって大変だね」
「まあ、ドレスコードみたいなものね。レストランに行く時にジャージやサンダル履きで行かないでしょ?」
「確かにそうだね」
「TPOに合わせて服装も変えるのよ。大人になると必要な事だから今のうちに色々その辺も勉強しとかないとね」
「そうなんだね、分かった」
何だか息抜きで遊びに行くと言う事も大変だなあと思ったけど、勉強は好きなので色々経験しようと思った
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「ここから遠いの?」
「いや、歩いて10分もかからないな」
夏休みになって眞也の家に遊びに行く為に最寄駅で待ち合わせて迎えに来てくれた
「楽しみだなあ!シンヤの家!」
「期待してくれてる所悪いが本当に何もないからな。漫画やゲームなんか無いぞ?」
「僕、ゲームやらないし、漫画もエロ本しか読まないから大丈夫だよ!」
「エッ!エロ本!?」
「うん。うちの病院にあるんだよ?」
「なんで病院にそんな物が…」
「何か不妊治療の患者さんの精子を採取する用にだって」
「なっ…成る程…中々解放的な家庭環境だな…」
「シンヤは読まないの?エロ本」
「まっまあ…嗜む程度には…って先生に変なこと言わせるな!」
「あはは、怒った顔も可愛いね、シンヤ」
「可愛いって…大人を揶揄うんじゃないよ」
「じゃあ、早く行こ!」
「そうだな…何か色々不安になって来た」
「楽しみだなあ!きっと色々楽しいよ!」
「何が…」




