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晏陰  作者: 水嶋
2人が辿った道

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杏の憂鬱

出だしから杏は苦労している様です…


頑張れ杏

「こら!イン!窓から出るのはやめなさいって言ってるでしょ!」


「この方が早く出られるもーん!じゃーねー!」




「もうっ!ほんっと言う事聞かないし…」


「あはは!インくん本当元気だね、アン」


「元気ってか野良猫か野生児だよアレは…」


「アンはもうお母さんみたいだね」


「もう私はお母さんってか飼い主…調教師だね…」




私、八神杏は去年の春から中学生になった

私の通う中学は中高一貫で進学校だ


今は中学2年生だ


今のお母さんも実のお父さんもこの学校の卒業生だった




今窓から出て行った野良猫のイン…

八神韻は一つ下の弟だ


韻はこんなだが、勉強は出来るらしく同じこの学校に通い出した


私は療養…と言う名目で入学早々に1年近く休学する事になったのでこの野生児インと次の年に同学年の中学一年生からスタートした



私の家は少々複雑だ

母親…八神宮乃は実の母親ではない


弟の韻は一緒に暮らしていない


私と韻は同じ父と母から産まれたが私は父とは暮らしていなくて父の叔母に当たる人の元で暮らしている

しかし戸籍上はこの叔母が実の母になっている

父の事は外では私のいとこと紹介されている



弟の韻は父と暮らしているが父の養子という形になっている


私も韻も同じ父と母から産まれているがこういう経緯で別々に暮らしている


顔は私と韻はよく似ている

というか私の親族はみんな似ている

これには表立って言えない色々理由があるが…




まあ、そう言う訳で周りに説明するのも面倒だし、顔もよく似ているので普通にきょうだいと言っている


私が休学していた事を知らない人は私と韻が双子だと思っている人もいる様だ

それ位顔はよく似ているが…


あんなのと同じに見られたくない!


中身は全然違う

私は窓から外には出ないし…




「でもさあ!インくんって…可愛くてカッコいいよね!」


どこが。どの辺りが


「子供っぽいけど…なんかほっとけないってか…」


ただのガキだ。放っておけ


「そうかと思えば…急に男出してくるし…」


あれはただの女好きのヤリチンだ。近づくな…


「ねえねえ、アン…今度の休みインくんと一緒に遊びに行こうよ〜」


「私はパス。休みの日までインの面倒見たくない。行くなら勝手に行って」


「え〜、アンつれない〜」





「わぁ…センパイ良い匂いする〜」


遠くの方で韻が女の先輩に抱きついているのが見えていた



私は手当たり次第にセックスはしない





○○○○○○○○○○





韻は多指症で生まれつき指が6本あった


それが原因で八神家から戸籍も与えられず、幼少期は地下施設で隠されて育てられていた


母が自殺した後、父が祖父を説得して何とか施設から引き取った子供を養子にしたと言う形で正式に息子として生活しだした


思えば同情の余地のある生い立ちではあるが…


当の本人はその辺りは全然気にしていない様だ

父のマコトが大好きで、マコトと一緒に居られれば地下だろうが外の世界だろうがどうでも良いみたいだ


その大好きも世間一般で言う親子の感情としての好きとは明らかに違うと思うが…


「マコトはねえ、寝てる時目が開いてる時が有るんだよー。白目剥いててホント可愛い…アンは知らないだろうけどね!」


何かとマコトマウントを取ってくる


そんな姿、ホラーでしかないから私は見たく無いが…




多指症な上、中学生になるまで学校に通えて居なかったので、私はマコトと育ての母宮乃に韻のお目付役…監視を頼まれていた


他人と殆ど関わって来なかったので一般的な常識が欠けているのと、指の事で虐められるのを懸念していたようだが…




「わぁ!お前指が6本有る!」


入学して最初の日に教室で周りに騒がれていた


「うん、そうだよ?」


「何か…こえーなー…」


「そう?便利だよ?」


「でも…普通じゃねえよ…気味悪ぃ…」


「えー?カッコ良くない?豊臣秀吉もそうだったらしいよ?天下取りの手だね!」


「へえ!…そうなんだ…」


「あとねえ…この指でおっぱいやお○んこ弄ってあげると凄ーく喜ばれるんだよぉ?」


「うっそ!マジで!すげぇ…テクニシャンだ…」


「ふふふ、まあねー。どうやるか教えて欲しい?」


「お願いしますっ!!」




それから韻は虐められたりもなく、クラスの男子から師匠だの太閤殿下だのゴールドフィンガー・インなどと呼ばれる様になっていた





「杏、韻がまた廊下で女の子と騒いでる…注意してやってくれ…」


「先生からお願いしますよ…」


「俺の言う事ちっとも聞かない…」


「私の言う事も聞かないですよアレは…」



今では先生にまでお守りを頼まれている


なまじ勉強が出来るもんだから何とか目を瞑られている





本当にタチが悪いコイツは…


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