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お昼時の更衣室

「勉斗〜行くぞ〜」


 教室の入口から充が僕のことを呼ぶ。次は3限。この休み時間ほど早弁したいタイミングはないけど、体育だから仕方がない。初回から遅刻はちょっと笑えない。

 机の横に掛けていたジャージの入った袋を持って充を追いかける。

 更衣室は遠いようで近い絶妙な距離だ。今回時間が余ったら、これからはこの時間も早弁ができるということになる。だから今日はそのために、一回犠牲にしたと思うしかない。

 2年生の教室の前を通って、体育館の方向に向かうと、男子更衣室はすぐに見つかった。まずは迷わなくて一安心。入り口で先に体育館用の靴に履き替えるべきかと思っていると、飯川さんが僕の横を抜き去っていった。どうやら女子更衣室は奥らしい。

 とりあえず靴下のまま入ると中はロッカーというよりは棚があって、銭湯の更衣室を想像してしまった。鍵がつかない方。充の隣にジャージを入れて着替え始める。


「今日何するか知ってる?」

「知らない。けど初回は体力テスト的なやつだろ?」


 今日は早弁できてないから、腹筋だろうがシャトルランだろうが大丈夫だ。というか、これから体育の前に早弁したら、種目によってはかなり詰むのではないか。早弁状態で走る…のは避けたいし、走らない競技なんて無い。球技で走らないよう頑張ろうが、腹にボールが当たったら…うん。想像したくない。

 ドカッと音がして、現実に引き戻される。隣に誰かが荷物を入れたみたいだった。そっと横を見る。いかにも運動部、なんならラグビー部な人と目が合った。一言で言うと大きい。


「?ああ、俺は蝶野(ちょうの)元気(げんき)。よろしく」


 ニカッと歯を見せて笑う。絵に描いたような好印象。元気にふさわしい人だと思った。


「僕は植田勉斗。よろしく」

「べんとって珍しいな、どんな字?」

「勉強の勉に北斗七星の斗」

「へー。てことはクイ研?」


 なんでそうなるのかはわからないけど、運動部から見たら文化部ってそんなものなのだろう。


「いや、別に。てか、無かったし」

「高校にはあるよな?」

「そうだっけ?」

「あれ?勉斗まだ?先行ってるよ」


 着替え終わった充が真っ白なTシャツを着て立っていた。少し話が盛り上がり過ぎたかもしれない。

 手早く着替えて、元気と一緒に充を追いかけた。

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