表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

授業は終わらない

 こんなにもどかしい気持ちになるなんて。

 さっきの自分の失態が恨めしい。

 チャイムが鳴るまであと、

 五、

 四、

 三、



 ◆



「植田くん、ここの問の答え教えてください」

「えっと……」


 先生に指名されても、早弁のことばかり考えていたからわからない。とりあえず手元の教科書を見よう、と思ったところで教科書が閉じてしまったことに気づく。

 小学生のころの先生が、教科書が配られたらすぐにはじめのページを強く開くように、と言っていたのを思い出した。そう言えば、まだしっかり開いていなかったような気がする。


「で、植田くん?」

「えーっと…」

「初回から聞いてないとか、ねえ。わからない?わからないなら仕方ないけど」


 先生が聞いてきたので頷く。ごめんなさい。これからは真面目に受けます。


「じゃあ、伊賀くん」

「わからないです」


 即答。こういうとき充ってすごい。


「じゃあ前いって、飯川さん」

「はい。まだまとまりきってないんですけど…」


 その前置きはどこへやら、飯川さんはすらすらと幕府の限界と大政奉還の話をし始める。すごいな、とどこか他人事のように思いながらノートに書いていく。

 ふと、気まずくて下げていた頭をあげる。気づいてしまった。


 チャイムが鳴る。あと十秒で。


 飯川さんの話はやっと終わりそうというところ。これからまだ先生の話は続きそうだ。

 飯川さんの答えが良くて、途中から既に先生が饒舌なのだ。


 僕が、当たり障りのない答えをすぐに言っていればよかったのに。こんなにもどかしい気持ちになるなんて。

 さっきの自分の失態が恨めしい。

 チャイムが鳴るまであと、

 五、

 四、

 三、

 ニ、

 一、





 授業が終わったのは、五分後だった。次は移動。僕はまた食べ損ねた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ