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「おいおいおいおい、いつまで寝とるんだねー!?」
「ハッ!?」
そして僕は目覚めたのだった。
ここは教室、そして僕は机の上に広げられたノートに顔を突っ伏して寝ていたのだった。そして先生に注意されて目が覚めて顔を上げたら顔とノートが僕の口から滝のように流れた涎によって阿鼻叫喚なことになっていましたとさ……。
「おいおいおいおい、その涎はなんだね!?」と先生は呆れきっていた。「授業が始まった途端に一心不乱にノートに何かを書き殴っていたと思ったらその五分後には居眠りを開始し始める始末! 君は一体何がしたかったのかね!? 君が何かに夢中になり始めたことに非常に感心したから先生は君の衝動的行動を制止するという気持ちにはなりはしなかったが、しかし居眠りとなると私は教師としてそれを咎める必要性に迫られるのだ。故に私は今さっき君を覚醒せしめたのだがね!?」
「それはアリガトナス」と僕は適当にお礼を言った。「でも先生、せっかくそこそこいい夢を見ていたのにそれを中断させるとはいささかひどい気持ちがよぎりかねませんね……」
「よぎりかねんとな。それにしても君は少々日本語が不自由なようだ」とさっきからグーグル翻訳以下の不自然な日本語を駆使している謎の教師が言った。「しかしそれはたしかにそのとおりだ。どうやら君は寝ているときが一番幸福を感じせしめているらしい。よって君は未来永劫脳を休め続けることを先生は推奨するね」
「あ、それは言葉の暴力ですね、通報します」と僕はスマホを取り出した。
しかし僕は今でもガラケーだったのでそれはできかねた。だが頭が足りない僕はガラケーでも通報できることをすっかり忘れていたので、先生はなんとか教職を辞職せずに済んだ。感謝しろよ。
「そんなことより君は私の授業を受ける気があるのか、それともその涎まみれのノートに自己満足以下の言葉の暴走を書き連ね続けるのか、選べ」
「もちろん真面目に授業を受けますとも。だって僕は創作なんて欠片も興味ないですからね。二度とやらないです」
「それは重畳。では授業を続けるぞ……」
「オナシャス」
そうして授業は無事再開されたのだった。ちな、他の生徒達はアホな僕などアウト・オブ・眼中らしく、机に向かって一心不乱に勉強していた。というわけで僕も現実に戻りますかね……。
ちな、この物語は、実は精神病患者である僕のただの妄想だった、とかいう夢野久作みたいなオチではないので大丈夫だって安心しろよ。この最後の場面が正真正銘僕が生きている現代の世界だからさ……。
完。




