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夏のホラー参加作品

不幸中の幸いなのか?


俺は水族館の大きな水槽の中を泳ぐサメを見るのが好きだ。


大きな水槽の中で他の魚たちを蹴散らし旁若無人に泳ぐ姿を見ていると、仕事であちらこちらに頭を下げて回って溜まったストレスが解消される。


久しぶりに休みをもらえた今日も、ストレスを解消しようと海沿いの水族館で心行くまで水槽の中を泳ぐサメを堪能した。


水族館から帰る途中凄まじい眠気に襲われた俺は海岸沿いの駐車場に車を止め、一眠りする事にする。


眠くもなる筈だよ、昨日っていうか今日も家に帰り着いたのは午前様だったからな。


だから駐車場の入り口に書かれた注意書きを読むことも無く、車を止め寝入る。


凄く疲れていたんだな、拡声器から発せられる声に起こされた夜まで眠っていた。


目を覚まし車の中を見渡す。


車の中は湿気で蒸し蒸し状態、いつの間にかエンジンが止まり冷風を出していたエアコンも止まった所為。


ドアを開けようとして俺は息を飲む。


車が何時の間にか屋根のチョット下辺りまで水没していて、海岸沿いの道路から眩い光で車を照らしてる投光器の光が、濁った水の中を泳ぐ多数のサメの姿を映し出していたからだ。


俺が目を覚ました事に気がついた警察官の拡声器から発せられる説明により、今俺が置かれている状況を把握する。


此の駐車場は地球温暖化の影響で、満潮になる時間帯は水没しているらしい。


だから朝になり干潮になれば水は引くから、それまで車の中から出ないようにと言われる。


乗っていた車が乗用車では無く、ハイエースワゴンだったお陰で天井のサンルーフを開けて空気を取り込む事が出来たのが不幸中の幸いだった。


でも……此のハイエースワゴン、会社の車なんだよ……。


海水に浸かったから廃車確定だろうから、また明日の朝から上司に頭を下げまくる事になるんだろうなぁ……。





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