閑話
【前書き】
開いてくださりありがとうございます。
そしていつも、リアクション・ブックマーク・コメントをいただきありがとうございます。
少しでもこの小説を楽しんでくださいませ。
俺と水面さん、宇田津さんに佐々木さん、三好さん、神田さんの6人でショッピングモールに来ている。
今日は三好さんと神田さんのお弁当箱を買いにだ。
別にこんな大人数で来なくても良かったのだが、俺の護衛である三好さんと神田さんが二人とも不在にするわけにはいかず、いれも付いていくと言うと、なぜか3人も一緒にいくというので、こんな大人数になってしまった。
ぶっちゃけて言うと、並んであるかないでほしい。
理由は言うまでもないだろう。俺を除いた5人は美男美女なのだ。これはなんのいじめなのだろうか。
ショッピングモールを歩いているだけなのに、周りの視線が痛い。ていうか怖い!
なんかもう全員声をかけようか狙っているように見える。
でも納得ではある。特に水面さんと佐々木さん。高身長で顔もいいと来た。ずるいんだよな。ただそんな二人は周りの視線に気づいていないのか、俺にばっかり話しかけてくる。
『火野くん、何か欲しいものはない?
あ、そうだ!訓練に合わせて動きやすい服でも見に行こうか。』
「それはいいね。
つばめくんは細身だから、オーバーサイズとかの服とか似合いそうだね。
訓練用以外の服も見に行こうか。大丈夫、僕が買ってあげるよ。」
『いやいや、火野くんは今や追われる身。訓練時以外にも動きやすい服がいいよ。
最近のスポーツウェアは機能性はもちろん、デザインにもこだわってるものが多いからね。火野くんにピッタリのものがいっぱいあるはずだよ。』
「そうかも知れないけど、つばめくんは今後武器を持つこともあるだろう。
そうなったときに、いかに手の内を明かさないかが鍵になってくるはずだよ。
オーバーサイズを着て、少しでも持てる武器を増やしたほうがいい。
そうは思わないかい?」
なんでこの二人はいつも喧嘩のようなことをしているのだろう。
俺に構うより、こちらの様子を伺っている周りの女性を構ったほうがよっぽど有意義な時間を過ごせるだろうに。
でも、佐々木さんから警察の道を選んだときからお相手は作らないと話していたな。それは水面さんもなのだろうか?
宇田津さんと偽装であっても付き合ってたみたいだし、そうではないのかもしれない。
ま、プライベートな部分を探るのは良くないよな。
そんなことを考えていると、三好さんと神田さんが話しかけてくれた。
『火野さん、本当に私や神田さんの分のお弁当もいいの?
ただでさえ今は3人分つくっているんだろ?大変じゃないかい?』
『そうですよ。
警護も仕事です。自分は素早く食べて即仕事に戻れるパンや簡易栄養食などで十分ですよ。』
「そういうわけにはいきません!
俺を守ってくれているんです。少しでも俺にもできることをさせてください。
恩返しとでも思っていただけると嬉しいです。
あと3人分作るもの、5人分作るもの、実は大差ないんですよ。
あ、食べたいものがあれば教えてください!
レパートリーも増やしたいと思っていたところなんです。」
『そういうことなら・・・。
そうだ、宇田津部長や佐々木さんはどんなお弁当箱なんですか?
同じもののほうが、量かと考えずにすみますか?』
『自分見たことあります!
たしか二人とも同じ弁当箱でしたよね?』
「そうなんです!
俺含め、全員おそろいにしてるんですよ!
だからといって三好さんも神田さんも同じにする必要はないですよ。
食べたい量とかも人それぞれですし。
先ほどの服と近しい話かもしれませんが、最近は機能性やデザイン性に優れたお弁当箱があるんですよ。
そう言えば、最近スープもつけようかと思っていたところなんです。
全員分のスープジャーを買おうかと思っていたんですよ!
お味噌汁とかポトフとか、汁物があるだけで満足感や満腹感も変わってきますからね。
それに温かいご飯を皆さんには食べてほしいです。」
『ポトフいいわね。温かいスープを飲みたいと思っていたところなの!
ねぇ、つばめん。ごま油のいい匂いのするわかめスープとか、ポタージュとかも嬉しいんだけど、スープジャーがあればお願いできるもの?』
宇田津さんもスープを飲みたいと思っていたみたいだ。
わかめスープ美味しいよな。俺も小腹がすいたときなんかはよく飲んでいる。
それにポタージュか。自作したことはないがどうやって作るんだろう。
ミキサーやフードプロセッサーが必要だろうか?
ちょっと楽しくなってきた。
「はい!出来ますよ!
ただポタージュは作ったことがないので、すぐには出来ないと思います!
何度か練習して、出せる状態になればお出ししますね!」
『火野くんはスープジャーがほしいの?
これもみんなでおそろいにしようか!ボクが出すよ。』
『佐々木、ここは私が出すよ。
スープの依頼もしてしまったしね。楽しみだ。』
『おそろいなら私と神田さんのお弁当箱も皆さんと同じにしましょ。』
「そうですね・・・
おそろいなのはいいんですけど、詰める時とかにどの弁当箱が誰のものなのかわからなくなるんですよ。
せめて色違いとかにしてもらえると嬉しいです。」
「たしかにそうだね。
よし、色違いの弁当箱は僕が出すよ。
それにお弁当箱は複数個あったほうがいいんだよね?」
「そうですね。
特に警察の四方は、毎日弁当箱を出せるわけでもないと思います。
そう考えると複数個弁当箱があっても良いかと。
多いに越したことはないですし。」
『自分は赤がいいです!
お弁当箱と言ったらわっぱってイメージですけど、赤のわっぱなんてあるかな?
竹の印象が強いけど。』
『わっぱいいですね。
最近はプラ製のものもあって、色もたくさんのものがあるみたいですよ。』
『私は何色にしようかな。』
「つばめくんは何色が好き?」
「え、俺ですか?
あんまり色にこだわりはなくてですね。
逆に水面さんは好きな色とかあるんですか?」
「そうだね。シンプルに黒か白かな。
確認屋の制服って黒基調に白縁。腰回りの赤のラインが特徴的でしょ?
意外にもこの制服気に入っていてね。
そう考えると黒と白かな。」
『つばめん、水面さんは実はセンスが皆無なんだよ。
いつも制服なのは、どんな服が似合うかどうかがわからないからなんだよ。
ほんと顔はいいんだから、もう少し気を使えば今以上にモテるのにね。』
『自分ちょっと思ってたんですけど、
水面さんも佐々木さんも火野さんのことが好きなんですか?
取り合ってる感じですか?』
『それ私も気になってました。
二人とも火野さんにしか話しかけないし、何かあったら奢ろうとするし。
火野さんもちょっと呆れてるから、日常なんだと思ってました。』
「えっ。いやそうじゃないらしいです。。。
俺もよくわかってなくて。」
「つばめくん、警察のよくわからない戯言に耳を貸すことなんてないよ。
君は僕の助手なんだから。僕の言葉だけ聞いていればいいよ。」
『独占欲怖いですよ。やばすぎますって。
火野くんも怖くて逃げたくなったら、いつでも警察に来ていいからね。
いつでも歓迎するよ!』
『やっば』
『火野さん、私と連絡先交換しておきましょうか。
警護はしますけど、二人に襲われそうになったら連絡してください。
あ、相談とかでも連絡していいですよ。』
『あ!自分とも連絡先交換しましょ!
流石にあの独占欲は別の意味で身の危険を感じたほうがいいと思います。
実は裏でセクハラとかされてたりしますか?
上司だろうが、警察だろうが訴えること出来ますよ。手伝います。』
「全然大丈夫です!
ほんとに!ほんとに大丈夫なんで!
でも、お二人と連絡先交換はしたいです。いいですか?」
『もちろんだよ!
用がなくても、連絡してくれていいからね!』
『そうですよ!
あ!ご飯のリクエストとか連絡してもいい?』
「嬉しいです!!
お待ちしております!!!」
後ろから圧を感じる。
振り向けない。
なぜか不機嫌な高身長イケメンが二人。
三好さんと神田さんを睨んでいるような気がする。
こえーよ。仲良くやってくれよ。
それを見て宇田津さんはめっちゃ笑ってるし。
はぁ、ただ弁当箱買いに来ただけなのに。
この後無事に新しい弁当箱とスープジャーを全員分買って、訓練にも使えると言うことでスポーツウェアを見に行って、何故かこちらもおそろいを6人で買った。
大人6人でペアルックって需要あるのか?
まあ統一感?があって俺的にはいいと思うのだが。
その後はスポーツウェア以外に服や靴、バックも買おうと言う話になり、来ていたショッピングモール内にあるほとんどの店舗を回った気がする。
正直疲れた。
訓練とは別の精神的な疲れ。
でも、かなり充実した一日だった。
おそろいで買ったスポーツウェアは白を基調としたもので、
水面さんが黒のライン
宇田津さんが紫のライン
佐々木さんが青のライン
三好さんが黄のライン
神田さんが赤のライン
そして俺が、緑のラインが入っているものにした。
この色はわっぱもこちらに合わせている。人目で誰が誰の弁当なのかとかがわかって俺的には助かっている。
わっぱにあすご飯考えないとな。
そうだスープジャーも買ったんだ。何にしようかな。
まずは要望にお答えして、わかめスープにしようかな。簡単だし。
「よし。皆さん帰りましょうか!
夜は食べたいですか?
付き合ってもらったお礼に腕振るいますよ!」




