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残された者に祝福を  作者: 鳥居之イチ
第二章 それは自殺かそれとも他殺か

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【前書き】

開いてくださりありがとうございます。

そしていつも、リアクション・ブックマーク・コメントをいただきありがとうございます。

少しでもこの小説を楽しんでくださいませ。





 訓練って言われたけど、具体的に何をするんだ?

 




 「あ、訓練は奥の部屋で大丈夫?別の所が良い?」


 『見られたら困るメリデメなんでしょ?奥の部屋でいいよ。あ、つばめんにご飯くらい用意しておきなよ!』


 「いえいえ、ご飯作るのは俺の仕事なので、俺が作りますよ!」


 『え、なに。助手にそんなこともさせてるの?」


 「俺にできることはそれくらいしか無いので・・・住まわせてもらってますし。」


 『住まわせてもらってるぅぅぅぅぅぅ???なになになになに?そういう関係だったの????師弟みたいな完成だと思ってたのに、まさか・・・・水面さん、もう手出したの?』


 「出してない出してない出してない出してない出してない。だ・し・て・な・い!!宇田津くん、変な誤解しないでくれる?」


 『なーんだ。まだ出してないのか。』


 「なーんだ。じゃないよ!そもそもそういう関係じゃないよ!勘違いしないでよ。つばめくんは住み込みで働いてもらってるだけ!」


 『住み込みぃぃぃぃぃぃぃ!!!なんてふしだらな!そんなに不埒な男だなんて思ってなかったわ!』


 「いやいや誤解だって!」


 「そうですよ宇田津さん。俺は仕事として御飯作ったり、掃除したり、運転したりしてるだけです!」


 『ご飯に、掃除に、運転!?!?!?!?。助手っていうか、家政婦とか執事とかに近くない?大丈夫つばめん。もしかして夜の世話とかも強要されてない?』


 「宇田津くんは僕をなんだと思っているのさ!そんなことさせてないよ!」


 「そ、そうですよ!俺に依頼されたのは食事作りと書類整理とかです。掃除とか運転は俺が率先してやってることですよ!」


 『ま、いいけど。それでいつから付き合ってるの?』


 「「付き合ってません!」」


 『ハッハッハッ。冗談よ。失礼な話だけど、水面さんに性欲があるように見えないわ。顔は整ってるし、背丈も高い。体もある程度鍛えてある印象があるわ。それでも欲があるように見えない。実際付き合ってたときは何もなかったしね。』


 「偽装で付き合ってただけだったしね。手なんか出さないよ。」


 『そ。まあいいよ。よし、つばめん。そろそろ訓練しようか。』


 「はい!お願いします。」





 水面さん、確かに顔はいいし、体つきもいい。モテ無いわけがない。

 もしかして俺が事務所にいるから連れ込めないのか?

 それはまずいのでは?住まわせてもらってる手前、家主のやりたいことをさせてやるのが同義では無いだろうか。

 訓練が終わったら、少しばかり事務所を空けて、水面さんが好きなことをできる時間を増やそう。





 「水面さん、頑張ってきます。」


 「う、うん・・・、無茶しないでね。」







—--------******—--------


 『訓練を始める。』


 「はい。お願いします。何をすればいいんですか?」


 『まずは名前を決める。』


 「名前?」


 『そう。メリットを使用するには、本来かなりの集中が必要なんだよね。例えば移動系で瞬間移動の場合、対象に触れ対象物の範囲を測定。移動先の座標値を指定し、対象物とその周りの空間を転移。を一瞬にして行うんだよね。』


 「なるほど・・・・。それと名前がなんの関係があるんですか?」


 『発動条件を決めるんだよ。』


 「発動条件?」


 『そ!メリットの名前を決めて、その名前を叫ぶことでそれをメリットの発動条件にするんだよ。つばめんはゲームとかで必殺技使う時に、技名を叫ぶの見たことない?あれは本来さまざまな手順を踏んで発動するのを、技名を叫びならがメリットを発動することで、体に、感覚に覚え込ませるんだよ。そのうち技名を叫ぶだけでメリットを発動できるようになるんだよね。』


 「なるほど、、、だから技名を決めると。」


 『そ!ねぇなんか思いつくものはないの?』


 「そんな急に言われても・・・」





 名前か。正直難しい。

 過去に金魚を飼っていたことがある。

 幼い頃に母とまつりに行った時に、金魚すくいでもらったものだ。

 もらったのは下手すぎて、取れなかったため店主のおじさんがくれたということだ。

 母と合わせて2匹をもらったのだが、その時の名前は「ポチ」と「タマ」。

 母に魚にその名前はどうなのかと言われたが、それ以外の名前が思いつかなかった。

 つまり俺はネーミングセンスが皆無なのだ。





 「さ、参考までに宇田津さんのメリットの名前は何ていうんですか?」


 『”psycho doctor(サイコドクター)”よ。言うのは少し恥ずかしいんだけど、日本語で叫ぶよりは英語の方が格好がつくのよね。』


 「かっけーーーー!!!!すげーーーーー!!!」


 『ちょっとやめて!恥ずかしいから!』


 「でもなんでドクターなんですか?医者?」


 『ドクターには、偽造や不正で欺く、文書を改ざんするって意味があるのよ。つばめんは大学生でしょ。覚えておいて損はないかもね。』


 「賢いんですね。すげーーー!!!」


 『で、名前は何にする?直感で決めたほうがいいわよ。ちなみに簡単につばめんのメリットを教えてもらえる?訓練の軸を考えたいの。』


 「はい!メリットは触れた対象の願望を読み取って、その願望を自身と触れた対象に強制するものです。対象が死んでいる場合は死ぬ直前の願望を叶えるまで死者を動かす?らしいです。」


 『そ・・・・・え・・・・、ほんと?え、それホントなの?』


 「ほんとだよー。」





 急に扉側から声がしたと思ったら、水面さんが扉を開けて、カップを持って部屋に入ってきた。

 ホラホラ、飲み物だよー。とか言いながらテーブルにカップを並べていく。





 「つばめくん、いくら相手が警察だからって、簡単に自分のメリット話しちゃだめだよー。国家機密って言ったでしょ。」


 「そうでした。すみません。」


 「ま、バレてしまったものはしょうがないよね。じゃそういうことだから宇田津くん。」


 『待ってよ!同じ精神干渉系だから、メリットの制御方法をレクチャーしてあげてほしい。って言われただけなんだけど!ほんとにホントにそのメリットなの?しょ、証明書はある?最近提出したんでしょ。見せて!』


 「あ、はい。」


 「見せなくていいよ、つばめくん。」


 「え、でも」


 「宇田津くん、証明書は個人情報だよ。いくら警察でも今は非番でしょ。個人情報見せてって少しおかしな依頼だよ。」


 『それもそうよね。つばめん、ごめんなさい。つばめんのメリットを聞いて興奮してしまったわ。て、いうか水面さん、国家機密級のメリデメなら最初っから教えておいてよ!』


 「あははー。言ったつもりになってたよ。」


 『ま、水面さんの助手って言われたときからよっぽどの理由があるとは思ってはいたけど、予想以上ね。』


 「じゃあ後は頑張ってね!」




 そう言い残して水面さんは部屋から出ていってしまった。

 あ、しまった!水面さんのメリットの名前聞いておけばよかった。

 何だったら水面さんとか宇田津さんに俺のメリット名を考えてほしい。





 「宇田津さんに俺のメリット名決めてもらうのはダメなんですか?」


 『ダメではないよ。ダメではないけど、自分のメリットだからね。できれば自分で決めたほうがいいよ。』


 「そういうものなんですか?」


 『自分の子供に名前をつけるようなものよ。考えてみて、それが最初の訓練!』






 名前をつけるのは本当に難しい。

 なんかかっこいい感じのものがいいのだろうか?

 それともメリットを使用するときに叫びやすいものがいいのだろうか?

 それかメリットに由来するようなものか。

 宇田津さんはメリットに由来する名前だったな。

 生死を問わず願望を聞き出し、その願望を強制するメリット。

 俺自身を長きに渡って苦しめたこのメリデメ。

 でも、水面さんが俺のメリデメに関してなにか言ってくれたな。

 国家機密。監視対象。ん〜、なんか言ってくれたんだけどな。。。

 なんだったっけ?

 あ、そうだ・・・・





 「名前は・・・・・・」


 『うん、いいと思うよ。素敵な名だね。では、次の訓練に移ろうか。』





【後書き】

BL展開にはならないよ。

ギャグ要素として入れてるだけかもしれません。

でも・・・・・・・・・ね。

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