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第7話 疲労のあとの幸せ

如月日向視点


 学校で1、2を争うくらい嫌いな行事?である体力テストがようやく終わりました。前にちょっと話したと思うんですが、私は運動が苦手なんです。それは、もちろん筋力がないっていうのもあるんですが、体力もなくってですね、体力テストにある持久走がとってもきついんですよね。昔、兄さんにお願いして、一緒に走ったり筋トレしたりしたんですが、1年くらいやっても結局変わらず、ただ兄さんの時間を無駄にしてしまっただけでした。なんなんでしょうね。そういう体質なん’しょうか。兄さんは「よく頑張ったね。」って、微笑みながら頭を撫でてくれたんですが、私としては兄さんを守るためにちょっとでもいいので筋力がついて欲しいんですけどね。

 色々考えながら、私が家に帰ろうとしてバスに乗ったら、たまたま兄さんが1人席に座っているのがみえました。今日はハヤテさんとカエデさんは一緒じゃなかったのか、1人で窓の外を見ているみたいです。無表情で窓の外を見ているからか、物憂げのように見えて、思わず「困っているならなんでも言ってください!」と声をかけたくなります。家では笑顔でいることが多いので、とても新鮮で「ああいう兄さんもいいなぁ」と思っちゃいますね。

 そう思いながら兄さんを眺めていると、私の視線に気付いたのか、兄さんは私に笑顔を向けて、手招きをしています。

「お疲れさま、日向。今日は特に持久走とかあったし疲れてるんじゃない?一緒に座ろうよ。」

 兄さんはそう言いながら太ももをポンポンと叩きました。もしかして、兄さんの上に座れということでしょうか。さすがにちょっと人前ですし、それに体力テストで汗をかいているので恥ずかしいんですが。兄さんはそんな私を見て、何か察したのか、笑みを浮かべながら席を譲ってくれました。

「席を譲ってくれてありがとうございます。でも、あんまりからかわないでください!」

「僕としては別に膝に座っても良かったんだよ?」

 兄さんは本気で言ってるのか、微笑みながらそう言いました。もしかして、まだ幼い子供だと思われているのでしょうか。いや、これはたぶん家でしてもらうことがあるので、そういう時の感覚とおんなじなんだと思います。ただ、外でそういうのはちょっと恥ずかしいです。

 そういえば、ちょっと兄さんに話さないといけないことがあったんです。

「その話は置いておいてですね、今日のお昼は外で食べませんか?今日はとても疲れているので。」

「外食だと家に帰るときに歩くことになるけど大丈夫?もし厳しいなら家の近くのコンビニでお弁当を買って帰るっていう選択肢もあるけど。」

「いいんですか?私としては助かるんですけど。」

「もちろん。なんなら、晩御飯の分まで買って、今日は寝るまで休むっていうのはどう?明日のお弁当については、購買でパンでも買えばいいしね。」

 今日は持久走で本当に疲れたので、私は兄さんの提案に乗って、今日は休もうと思います。

 そして、兄さんと一緒にコンビニでお弁当を買った後、家に帰ってお弁当を食べて、その後お風呂に入って汗を流しました。お弁当を買う時、兄さんが「日向が食べたいものを4つ買って半分こしようよ。いつも日向に家事をしてもらってるしね。」と優しく言ってくれました。まぁ、食べさせようとお箸を差し出された時はびっくりしましたけど。ちなみに、兄さんはお弁当を食べた時、ちょっと眉を寄せてました。お弁当自体は普通の味でしたが、それだけ私は美味しく料理ができているということですね!まぁ、兄さんが誰かと付き合った時に、ご飯が原因で別れるなんてことになっちゃうかもしれないですから、普通のご飯も兄さんに食べてもらわないと。まぁ、美味しいご飯を作るのはかわいい兄さんを守るために必要なので手は抜けませんけど。



 今は晩御飯を食べた後、テレビを見ながらのんびりしています。兄さんの膝の上に深く座りながらですけど。バスで兄さんが言ったことが心に残ってたんですかね。なんとなくして欲しくなったんですよね。でも、こうしていると兄さんに抱きしめられてるのもあってか、とても安心するんですよね。私も兄さん長袖の上と短い丈の下がセットになっている薄手のパジャマを着ているので、兄さんの体温が直接伝わってくるのも安心する原因なのかもしれません。まぁ、ドキドキもするんですけどね。

 しばらくテレビを見ていると、兄さんが眠たそうにしていました。

「兄さん。そろそろ良い時間なので、ベットで寝ましょう。明日も早いんですし。」

「そうだね。そうしようか。」

 兄さんがそういうと、離してくれたので、兄さんの膝から立って、兄さんと一緒に寝室に行きました。

「今日も一緒に寝る?」

「お願いしてもいいですか?」

「もちろんだよ。ほら、どうぞ。」

 兄さんがベットに入って、掛け布団を私が入りやすいように上げてくれている。私はそこに入ると、兄さんは抱きしめてくれました。兄さんの体温と匂いで眠くなってきました。今日は兄さんと帰れたり、半日兄さんと遊んだりでとっても楽しい日でした。今日みたいな日がずっと続いてほしい・・・です・・・ね。

「おやすみ、日向。」


読んでいただいてありがとうございます。

ちょっと前に、読んでくれた人がいるということに気づきました。

正直、まだ文字数も少ないので、びっくりしました。

読んでくれている人に面白いと思ってもらえるようにこれからも頑張りたいと思います。

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