第6話 測定
「おい、優!今日は測定の日だぞ!ちゃんと体操服持ってきたか?!」
僕が教室に入ると、ハヤテとカエデがこっちに気づいて話に来てくれた。
「うん、持ってきたよ。」
「よかった!優くんのことだから、ワンチャン持ってきてないかもと思ったよ!」
「確かにそれは否定できないけど。」
「まぁ、ちゃんと持ってきたんだしいいだろ!それより、今日は測定だぜ!いろいろ頑張らねぇとな!」
「そうだよ!身体測定、魔力測定はともかく!体力テストは頑張らないと!」
「いや、2人とも剣術の道場で鍛えてるから頑張らなくても大丈夫じゃない?」
教室に入ってすぐに話しかけにきたハヤテとカエデは実は実家が剣術の道場で、毎日2人のお父さんにしごかれてるんだとか。たぶんだけど、剣をしっかり扱えるように腕の筋トレとかだけじゃなくて、長時間戦ったり脚を鍛えたりするために走り込みをしたり、足腰を鍛えて体幹を強くしたりとかいろいろ鍛えてるはずだから、体力テストは別に頑張るほどじゃないんじゃないかな。
「何言ってんだ!こういうのは全力でやってこそだぞ!」
「そうだよ!全部本気でやらなきゃ!それに!いつも頑張ってることなんだから、すごい良い記録とりたいじゃん!」
「それは、そうかも。」
確かに頑張ってることで手を抜きたくないよね。僕もやり込んでるゲームで負けるのはちょっと悔しいし、勝てると嬉しいからね。
「まぁ、僕もできる範囲で頑張るよ。」
「おう!頑張れ!」
「今日はみんなで頑張ろう!」
僕のクラスは1~8組のうちの7組だから、体力テストから始まって、身体測定、魔力測定の順でやるみたいだ。そして、今ようやく身体測定が終わったよ。体力テストは全体的にいい点数取れたと思う。ただ、ダンジョンとか行こうと思って頑張ってる人とかもいるからか、すごい人が何人かいたなぁ。身体測定に関しては、まぁ、うん・・・。身長は全然伸びてなかったよ・・・。みんなより身長がちょっとだけ、ちょっとだけ小さいから、もうちょっと欲しいんだけどなぁ。
それは、まぁ、いつものことだから置いておいて、次は魔力測定だね。魔力測定は5つ測定することがあって、まずは適正属性、この世界には火水風土闇光の6つの属性魔法と属性のない無属性があって、属性魔法は人によって成長のしやすさがそれぞれ違って、適性属性っていうのは成長しやすい属性のことを言うんだよね。後の4つはわかりやすくて、1つ目は魔力の全体の量である魔力量、2つ目は魔力が持続的に回復するんだけど、その量のことである魔力回復量、3つ目は属性魔法を使うときにその属性に魔力を変換する必要があるんだけど、その変換率のことである魔法変換率、4つ目は魔力を操作できる量である魔力操作量、っていう5つの項目を計測するんだよね。それで、計測するのは日本のアニメとかでよくある水晶に手を翳して魔力を込めてちょっとすると、結果が出てくるんだ。便利だよね。
僕は苗字が如月だから、僕の順番はすぐに来て、水晶に魔力を送ると、すぐに結果が出た。
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如月 優
適正属性 火 13/100 水 9/100 風 82/100 土 77/100 光 0/100 闇 29/100
魔力量 438
魔力回復量 58
魔法変換率 火 9% 水 6% 風 86% 土 79% 光 0% 闇 24%
魔力操作量 73
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うん。去年より結構伸びてるね。ちゃんと毎日の訓練の成果が出てるみたい。身長もこれくらい伸びてくれたらいいのに。毎日色々してるんだけどなぁ。あ、そんなこと考えてる場合じゃなかった。後ろの人たちの邪魔になっちゃうから、早く退かなきゃ。僕は全部の測定が終わったから、足早に教室に戻った。
僕が教室に戻って、本を読んでると、教室が騒がしくなった。なんだろうと思って、本から顔を上げると、主人公がいろんな人に囲まれてた。「全属性の適正高かったってほんと?」とか色々聞こえるから、主人公でよくあるチヤホヤされてるイベントだと思う。ちゃんとあの人が主人公だったみたい。周りを見ると、1人だけ妬ましそうに主人公を見てる人がいた。あの人も見たことある気がする。状況的に、彼が悪役の人かなぁ。まぁ、僕には関係ないよね。僕はそう思って、そのまま読書に戻った。
前回の投稿の前にちょっと書いてて設定も決まってたのになぜ設定集の回でこんなに時間を使ってしまってるんだ。
ちなみに、魔力変換率は100%を普通に超えますし、適正属性も100超えることがあります。適正属性が100超える人は、普通の人にとっての無属性がその属性になっている状態、つまり、魔力が最初から属性を持っている状態だったりします。
読みにくいとかわかりにくいとかがあったら指摘をしてくれると助かります。