第31話 安らぎ
遅れました。すみません。
僕たちのチームがゴブリンたちを倒してちょっとした移動したら、切り株がいっぱい並んでる開けた場所に出た。
「ここで昼飯にするぞー。この後もあるから、絶対食えよー。」
シノア先生がそう言うと、近くにあった切り株に座ってジャーキーを食べ始めた。その様子に日村先生が呆れてた。
「この広場に魔物除けを設置するので、しばらくの間安心して休憩してください。」
日村先生はシノア先生に付け足すようにそういった。その発言のおかげでちょっとは安心できるけど、血の匂いだったりモンスターを殺したりした後だったりであんまり食欲はないんだよね・・・。とりあえず、僕も切り株に座ろうかな。山の中をずっと歩いてて疲れたし。みんなもおんなじことを思ったのか、仲の良い人で集まって座り始めた。
そう思って、座りやすそうな切り株を探してると、元気がなさそうなカエデの姿が見えた。カエデはいつも元気だから、とっても珍しいね。ちょっと心配だから話しかけてみようかな。
「カエデ、大丈夫?」
「あ、優くん。うん、大丈夫だよ。」
やっぱり元気ないみたいだね。いつもよりも声が小さいし。・・・いつもみたいに元気になって欲しいけど、今の荷物の中にはあんまり元気付けられそうなものはないし。一応カエデが元気になりそうな方法はあるからやってみようかな。今のカエデに効果があるかはわからないけど。
「お姉ちゃん、元気出して?」
僕がそう言うと、カエデは僕を正面から抱きしめた。いつも後ろから抱きつかれることが多いから、いつもと違ってちょっとびっくりした。そのあと、僕は抱っこされて、切り株の近くに来たと思ったら、カエデの膝に座らされて後ろから抱きつかれた。相変わらずいきなりでびっくりしたけど、こうやって抱きしめられてるのはとっても安心する。その状態でしばらくいると、僕のお腹が小さく鳴った。安心したからか、お腹が空いてきたね。そこで、カエデは僕を膝からカエデの隣に移動させた。カエデを見上げると、いつもの笑顔なカエデがいた。
「優くん!励ましてくれてありがとう!」
「元気になって良かったよ。」
「それじゃあ、ご飯を食べよっか!」
「うん。」
僕たちはリュックからお弁当を出して、お弁当箱の蓋を開けた。卵焼きにタコさんウィンナー、ハンバーグとお花の形をしたにんじんが入ってた。とっても美味しそう。
「優くんのお弁当、とっても美味しそうだね!」
「日向が用意してくれたんだ。とっても美味しいんだよ。」
僕はハンバーグを4分割してその1つをお箸で取って食べる。デミグラスの濃厚な美味しさとお肉の旨味が混ざり合って、冷めちゃっててもとっても美味しい。
「優くん!私も食べてみたい!おかずを交換しよ!」
「いいよ。」
僕はもう1個の切ってないハンバーグをカエデにあげた。
「良いの?!ありがとう!じゃあ私はからあげあげるね!」
「ありがとう。」
僕はカエデからもらった唐揚げにかぶりつく。醤油と生姜で味付けされた弾力のある鶏肉にサクサクの衣が纏わせてあって美味しい。
「カエデの唐揚げ、美味しいね。」
「優くんがくれたハンバーグもとっても美味しいよ!美味しすぎてもうなくなっちゃった!」
そのあとも、いろいろ話しながらごはんを食べた。
僕たちがごはんを食べ終わったときに周りを見ると、少しは立ち直ってごはんを食べてる人と気分が悪そうにしてる人が半々くらいだった。ダメな人がもっと多いと思ってたけど、半分だけなんだね。意外とグロ耐性が高い人が多いのかな。
そんなことを思ってたら、少し顔色が悪い小鳥遊さんが僕たちの方に来た。
「みーちゃんだ!大丈夫?!」
「楓姉、なんでそんなに元気なの・・・?さっきはテンション低かったのに。」
「優くんから元気をもらったからね!何戦でもできそうだよ!」
「そうなんだ。」
「小鳥遊さん、大丈夫?」
「優。・・・うん、大丈夫。広場に来た時よりは気分が良くなったから。」
気分が良くなったって言ってるけど、マシになっただけだよね。もうちょっと良くなるように何かできることはないかな?そう思ってたら、突然シノア先生の大きな声が聞こえて来た。・・・何があったんだろう。




