第23話 モンスターの強さ
久しぶりに間に合った気がします。
「優くん!早く帰ろ!」
「優!早く行くぞ!」
ロングホームルームが終わって解散になると、ちょっとしてカエデとハヤテがそう声をかけてくれた。僕は早く教科書なんかをカバンに入れて立ち上がる。
そのまま、カエデとハヤテと一緒に教室を出た。
「カエデとハヤテは今回の席替えどうだった?僕は仲の良い人とは近くなれなかったけど、近くに怖そうな人がいなくてよかったよ。」
そもそも僕は仲の良い人が少ないから、席が近くなるのは珍しいんだけどね。前回の席も和也くんが話しかけてくれたおかげで、仲の良い人が席の近くにいたんだし。
「私は美月ちゃんの近くの席になったよ!私のところにも怖そうな人はいないから、優くんがお話ししたくなったらいつでも私の席に来て良いからね!」
「うん。話したくなったらカエデのところに行くね。」
ほとんどの時間寝てるから、行く時間は少ないかもしれないけど、起きてる時には行こうかな?カエデとハヤテ以外だと社交辞令かもと思って話に行けないけど、カエデのところなら安心して話に行けるよ。まぁ、誰かと話してるところには行かないけど。
「それで、ハヤテはどんな席だったの?」
「俺の席は!なんと!このはさんの席の隣になったんだ!」
ハヤテはいつもの大きめな声をさらに大きくして嬉しそうにそう言った。ハヤテは秋雨このはさんのこと好きだからね。ハヤテにとってはとっても嬉しいことなんだと思う。秋雨さんがヒロインの可能性がなければ素直に応援できるんだけどなぁ。
「へー!それで、話せたの!?」
「全然!同じチームじゃなかったからな!」
「じゃあ、明日以降だね!」
「おう!」
そんなことを考えてると、ハヤテとカエデがそんなふうに話してた。ハヤテは話をするところから始めようとしてるみたいだね。去年までクラスが違って、話す機会は少なかったから張り切ってるんだと思う。張り切りすぎて変に緊張しないか心配だよ。
「チームといえば、モンスター戦をやるんだよね!中等部以来だけど、どんな感じだったっけ!?」
「そういえばそうだな!」
「中等部の時は、あんまり強い敵がいた覚えないなぁ。スライムとかゴブリンとかを数体相手にしてたんじゃなかったっけ?あとはクレイゴーレム1体とか。」
「そうだったな!簡単に倒せたせいで忘れてたぜ!」
「あんまり強くなかったよね!」
正直、2人が言う通り、中東部の時のモンスター戦はそんなに強くなかったよね。たぶん、中等部だったからあんまり強くない敵にしたんだと思うけど、弱すぎて倒すのにそんなに時間はかからなかった。
「高等部でもおんなじかな!」
「かもな!」
「一応、注意しておいてね。モンスターは見た目が似てても強さが全然違うやつだっているんだから。」
モンスターは装備が違ったり色が違ったりするだけで厄介になったり強くなったりすることもよくある。1番有名なのはゴブリンメイジとかかな。ローブを着て杖を持ってるゴブリンなんだけど、魔法を使ってくるからただのゴブリンだと思って突っ込んだら丸焦げにされたりなんてこともあるみたい。あとは色違いだけど、これはゲームで例えた方がわかりやすいかな。2Pカラーの敵モブってゲームだと20とか40とか高い上位種だったりすると思うけど、この世界も一緒で色が違うだけで強さが全然違うみたいなこともあるらしいよ。まぁ、もともとゲームの世界だしね。だから、油断とかできないんだよね。もしかしたら、高等部だとそういう敵と戦うかもしれないし。
「確かにな!高等部になったし、敵が強くなってもおかしくないよな!」
「最初はできるだけ、遠くから攻撃するようにするね!」
「大丈夫だと思ったら前に出て良いからね。2人は剣で戦う方が得意だと思うし。」
2人は遠距離の戦いも十分強いんだけど、剣を習ってるだけあって近距離の戦いがとっても強いからね。その強みを活かせないと勝てなくなっちゃうこともあると思うし。
「もちろんだ!注意するだけでちゃんと前に出るぞ!」
「私もちゃんと前には出るよ!でも、心配してくれてありがとうね!」
そういえば、カエデは「最初は」って言ってたっけ。ちょっと心配しすぎだったかな。
そのあとも、雑談しながら僕たちは家に帰ったのだった。




