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第16話 好きではない理由

 気合いを入れるとはなんだったのか。

 今週も遅れて申し訳ありません。

「「到着!!」」

 地下鉄を乗り継いで、ラウンド2に着いたら、カエデと翡翠さんが大きな声でそう言った。2人とも仲良いなぁ。ただ、今からそんなにテンションが高くて疲れちゃわないかな。そう思いながら、建物に入っていくみんなについて行った。


「みんな、何からしたいとかある?」

「カラオケ、行ってみたい。」

「私もいきたーい!」

 受付を終えてすぐに、翡翠さんが僕たちにそう聞くと、シルリアさんがそう答えて、それにカエデが賛成した。シルリアさんは出発前にカエデと話してて気になったのかな。

「美月ちゃんと優くんもそれで大丈夫?」

「僕は大丈夫。」

「シルリアちゃんが行きたいなら私も大丈夫。」

「なら、カラオケに行こっか!」

 そのまま、カラオケに行くことになった。よかったぁ。午後に行くことになってたら、たぶん申し訳なくなることになっちゃうからね。カラオケに行くために近くにあった地図を見ると、2階の奥の方にあった。なので、みんなでエレベーターに乗って、カラオケに向かう。その途中で翡翠さんがシルリアさんに話しかけた。

「それにしても、カラオケに行ってみたいって言ってたけど、シルリアちゃんはカラオケに行ったことないの?」

「私の国にはなかった。」

「そうなんだ!じゃあ、楽しもおうね!」

 翡翠さんがそう言うと、シルリアさんはうなずいた。


 部屋に着くと、カエデが奥の方に座って、そこから翡翠さん、シルリアさんが座ったんだけど、なぜか小鳥遊さんが座らなかった。どうしてか分からなくて、僕は首を傾げながら小鳥遊さんに尋ねた。

「座らないの?」

「私はちょっと、最後が良いなぁって。優は座らないの?」

「僕も最後が良いんだけど。」

 うーん。最後に歌いたいのかなぁ?ただ、僕は最後が良いんだけど。僕がそう考えていると、小鳥遊さんが僕に近づいて囁いた。

「私、実は歌を歌うのが苦手なの。だから、ちょっと、心の準備をする時間が欲しいの。」

 あー。歌うのが苦手な人もいるよねぇ。それなら、4番目でも良いかも。

「じゃあ、僕が4番目に座るよ。」

「うん、ありがとう。」

 その後、順番の話になったけど、座った順番に歌うことになった。順番が変わらなくてよかったぁ。最初の方に来ると申し訳ないから。

 最初はカエデが歌ったんだけど、格好良い歌を歌ってて、それがすっごく格好良かった。その次に、翡翠さんが可愛い歌を歌ったんだけど、元気いっぱいで可愛かった。次に、シルリアさんが外国語の曲を歌ったんだけど、とっても綺麗な歌声で、ちょっと余韻に浸っちゃった。正直、シルリアさんは知ってる曲がカラオケに入ってるか心配だったんだけど知ってる曲があって良かった。

 そして、僕の番になった。前までの人がすごかったから、ちょっと緊張するけど、僕は歌い始めた。


 なんで、僕がカラオケが好きではないのか。小鳥遊さんみたいに歌うのが苦手なわけじゃないし、人の前で歌うことが苦手なわけでもないんだよね。じゃあ、なんでカラオケが苦手なのか。それは僕の歌を聞いた人が眠ってしまうからなんだよね。だから、人の前で歌うこと、特に楽しむために行くカラオケで歌うのは、みんなの楽しむ時間が減っちゃって申し訳なくなる。じゃあ、歌わなければ良いと言われたらそうなんだけど、周りの空気を壊したくないんだよね。

 僕はそう思いながら、まず僕の膝に頭を乗せて寝ている小鳥遊さんを起こそうと頑張るのだった。


 遅刻しすぎて月曜日がいつもの日みたいになってきた。本当にすみません。

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