第11話 ごはんと笑顔
休憩をちょっと長めに取った後、別の教科の勉強を始めた。2人ともわからないところがあったみたいで、1つ1つを2人がわかるまでできるだけわかりやすく説明した。そんなふうに、1教科目と同じように2人が宿題を終わらせるまで勉強を見たんだけど、2人が宿題を終わらせた時にはもうごはんの時間だった。
「そういえば、今日はごはんどうするの?」
「いつもどおり、この部屋に持ってきてもらうよ!食卓だといろんな人がいるからね!」
僕はたくさん人がいても別に大丈夫だけど、日向は人見知りするからそれに配慮してくれたっぽい。
「ありがとね。気を使ってくれて。」
「大丈夫だよ!私たちが2人にお願いして来てもらってるんだから!これくらいしないと!」
そういうものなのかな?いや、そういうものなのかも。実際、僕も普段お世話になってるから、勉強を教えるのを頑張ろうとしてるんだし。
そう考えてると、2人が立ち上がった。
「まぁ、そういうわけだ!そんじゃ!俺らは飯取りに行ってくるから!」
「行ってくるから、ちょっと待っててね!」
そう言って、2人はドタバタと部屋から出ていった。あ、運ぶの手伝おうと思ってたのに。・・・それにしても、廊下を走ったら2人のお母さんに怒られそうだけど大丈夫かな。
そういえば、今日あんまり日向と話してないけど、勉強とか大丈夫かな。
「日向、勉強は大丈夫?」
「大丈夫ですよ。普段から兄さんに教えてくれてますから。この程度なら余裕です。」
「それなら良かった。2人を優先してたから、それに気を使って聞けない、みたいなことがないか心配だったんだよ。」
本当は、日向の勉強も見たいんだけど、カエデたちの勉強はあんまり見る時間がないから、あんまり日向の勉強は見れてなかったんだよね。それがちょっと心配だったんだけど、大丈夫なら良かった。
その後、しばらく日向と一緒にゆっくりしてると、カエデたちとが大きなお皿とお盆を持って部屋に戻ってきた。
「ごめんね!ちょっと遅くなっちゃった!」
「すまんな!廊下走って怒られてたんだ!」
やっぱり怒られたんだ。まぁ、そうだよね。
そう思ってる間に、カエデたちはお皿を並べ終わってた。並んでたおかずは唐揚げとお漬物、肉じゃが、ミートボール、卵焼きっていう、大好きなおかずだった。とっても美味しそう。
「よし!それじゃあ、食べよう!いただきます!」
「「「いただきます!」」」
「ごちそうさまでした。とっても美味しかった。」
ふぅ、美味しかったなぁ。唐揚げは外がカリカリでジューシーだし、お漬物は良い感じの浸かり具合だし、肉じゃがはよく染みてたし、ミートボールは柔らかいけど肉肉しくて食べ応えがあったし、卵焼きは甘くてふわふわで、本当に全部美味しかったぁ。
「本当に優くんは美味しそうに食べるよね!優くんを見てると、こっちまで嬉しくなっちゃうよ!」
「そうかな?自覚は全然ないけど。」
「兄さんは美味しいものを食べてる時にすごく笑顔になりますよ。」
「飯以外であんなに表情が変わるの見ることないよな!」
「そうだったんだ。」
僕、そんなになってたんだ。そう思うと、なんだかちょっと恥ずかしいね。もしかして、外でもそんな顔になってるのかな。
「大丈夫ですよ。兄さんが笑顔になるのは食べたものがとても美味しい時なので、外ではそんなに多くないですよ。」
「そうなの?」
「確かに、学校のお弁当で笑顔になってるの見たことないかも!」
「お弁当はおかずが冷めてしまって味が落ちますからね。」
確かに、日向が作ってくれるお弁当はいつものごはんよりは味は落ちてるかもしれないけど、それでもお弁当も美味しいと思うんだよね。笑顔になるならないって、どう違うんだろ?
「別に兄さんは気にしなくて大丈夫ですよ。兄さんが笑顔になると私は嬉しいですから。」
そっか。そうだよね。別に笑顔になるのって悪いことじゃないしね。それにそれでひなたも喜んでくれるなら嬉しいし。これからも変わらず笑顔でごはんをたべよう。




