第5話 対話と服
小鳥遊和也視点
飯を食った後、俺らは明梨が買い物に行きたいと言い出したので、買い物に行くことにした。
「それで、明梨は何買いたいんだ?」
「私、服を見たいんだよね!優くんと日向くんに着せたいのがいくつかあるんだよね。」
どうやら、服屋に行きたいらしいが、如月兄弟に着せたい服。そこまで考えて、1つの可能性が浮かび上がった。
「おい。それ女物じゃねぇだろうな。」
「へ!?え、えっと・・、そんなこと、な、ないよ!うん!」
明梨はかなり動揺しており、絶対に嘘だと確信した。確かに如月兄弟は女みたいな見た目だが、中身はちゃんと男のはずだ。そういうのは嫌だろう。そう思って如月兄弟の方を見ると、如月弟・・・面倒だし優と日向と呼ぶか。で、日向は明らかに嫌そうな顔をしている。反対に優は少し悩んでるようだった。悩んでるだけで別に嫌じゃないのか?
「まぁ、別に如月兄弟が良いならそれでも良いぞ。」
「そうだよ、明梨姉。ちゃんと本人に確認してからじゃないと。和兄相手じゃないんだから。」
「おい。俺にもちゃんと事前に聞けよ。」
「そうだよね。いつも和也くんには確認してないから忘れてた!」
「おい、聞いてんのか!」
全く、こいつら俺を何だと思ってんだ。それにしても、さっきから優が笑ってるんだが、そんなに面白かったか?それにしても、優の控えめな笑い声だからか、女の清楚な笑い声みたいに聞こえる。明梨よりよっぽど女っぽく聞こえるぞ。
「それで、優くんと日向くん、服を見に行っても良い?さっきは冗談で優くん達に着せたいとか言ったけど、私が服を見たかったんだよね。」
「僕は大丈夫だけど、日向はどう?」
「僕たちに服を着せないなら、別に大丈夫ですよ。」
「2人に許可もらったし、早く行こう!」
服屋にはすぐに着き、俺は店の近くのソファに座った。まぁ、俺は別に女物の服を気ねぇからな。そう思っていると、如月弟が隣に座った。周りを見たが、優はいなかった。どれだけかかるかわからんが、如月弟と2人は気まずいんだが。っていうか、こいつは兄を心配していつも引っ付いてたんじゃねぇのか?
「あなたに1つ聞きたいことがあります。」
突然、日向が俺の方に体を向けて、そんなことを言ってきた。その真剣な表情から、こいつにとってはそれだけ重要なことなんだと感じた。
「おう、別に良いぞ。」
「じゃあ聞くんですが、なぜ兄さんと仲良くなろうと思ったんですか?」
あー、うん。ずっと兄を心配して俺を注視してたしな。下心がありそうなやつは疑うだろうな。だから俺は日向の目を見て答える。と言っても、そんな深い理由はないんだが。
「別に大した理由はねぇぞ。あいつがどんなやつか気になったから仲良くなった。ただそれだけだ。」
「それだけですか?気になったからと言って、わざわざ仲良くなる必要はないですよね?」
「本当にそれだけだ。俺も最初は仲良くなろうとはしてなかったが、俺の友人に引っ張られて仲良くなったんだ。その友人が居なけりゃ、お前が言うように仲良くならなかっただろう。」
しばらくの間、日向は俺をじっと見つめ続けていたが、どう思ったかわからねぇが、俺から顔を背けた。
「嘘はついてなさそうですね。ちょっとは信用できそうです。」
「そうかい。まぁ、誤解が解けたならいいんだが。」
「それで何ですが。兄さんに何かあったら助けてくれませんか?」
「まぁ、それは当然するが。」
「兄さんは一見隙だらけなので、変な人が寄ってくることがあるんです。例えば、兄さんが好きになって、ストーカーしてくる人とかですね。」
「そんな奴いるのか。」
「過去に1度だけ。その時は楓さんが作った親衛隊にボコボコにされてましたが。」
「そんなのあるのか。」
「ありますよ。主に女の人が中心みたいですけど。どうやら、兄さんの可愛さを広めているみたいです。まぁ、それはそれとして不安なんですけどね。」
そんな風に日向と話していると、リーンに通知が来た。日向に断りを入れ、リーンを確認すると、明梨から1枚の写真が送られてきたんだが・・・。そこには白いワンピースと麦わら帽子、サンダルという、アニメのヒロインが夏にひまわり畑とかできてそうな服装を着た優が写っていた。恥ずかしいのか、顔が赤くなっている。明梨のやつ、何やってやがんだ!
「どうかしましたか。そんな怖い顔をして。」
日向に聞かれたので、俺はスマホ画面を見せた。
「ちょっと、あのバカに説教しに行く。」
「私も行きます。」
その後、俺たちは明梨を10分以上説教し続けた。
なぜこの話がこんなに続いているのか・・・・。2、3話くらいで終わらせるくらいに思ってたんですけど、すでに5話目。まぁ、次の話で終わるはずなので、ようやく物語が進みますね。




