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第9話 春の夜の

誰が誰かわからないかもしれないので

如月・・・優(小説主人公)

檜山・・・ハヤテ

園田・・・友人キャラ

あと、遅れてすみません。

小鳥遊和也視点

 昼飯を食い終えると、班に1つの校舎の地図と枠がいくつも書いてある解答用紙が配られた。

「よし、全部の班に行き届いたな!それじゃあ、説明するぞー!」

 先生が言うには、森の中も含めた学校の中に問題が隠されていて、その隠された問題全て答えた解答用紙を先生に提出しないといけないらしい。はっきり言って、面倒臭い。

「流石にないと思うが、晩飯までに帰ってこなかったら、その班は補習だから、そこは気をつけるように!それじゃあ、開始!」

 先生がそう言い手を叩くと、檜山と園田が勢いよく立ち上がった。

「よし!行こうぜ!」

「あぁ。1番最初に解き終わって帰ってこようぜ。」

 こいつら、無駄にやる気ありすぎだろ。というか、こいつらこんな仲良かったか?昨日まで、そんな話してなかっただろ。如月も呆れてるっぽいし。

 そう思いながら、俺たちはあいつらについていくことになった。


 1時間半後、俺たちは最初の教室に戻ってきていた。

「もうできたのか。早いな。よし、晩飯まで自由にしてていいぞ。」

 先生が言った通り、俺たちの班は全ての問題を解き終わったからだ。問題は中学の範囲の勉強を使ったクイズだったのは良かったが、バラバラな場所に置いてあって面倒だった。中には森にあるアスレチックをするやつもあって、そこそこ疲れた。

「終わったけど、どうする?一旦部屋に戻るか?」

「無駄に歩いたから、あんま動きたくないんだが。」

「俺も正直動きたくないしな。適当な椅子にでも座ってるか。」

 部屋に戻れないほどじゃねぇから、別に戻ってベッドで寝てもまぁ良いんだが、正直動きたくねえんだよな。園田も同じだったのか、そこらの椅子に座った。俺もそうすっか。

「優!優が好きなアレ、この教室に持ってこようぜ!」

 俺と園田が椅子に座っている頃、檜山がそう言った。にしても、元気だなあいつ。その直後、如月が急に教室から出ていった。

「なぁ、颯。優が好きなアレってなんだ?」

 園田は気になったのか、檜山に如月の好きなアレについて聞いた。まぁ、如月が走っていくのを見りゃあ気になるよな。

「あぁ、それはだな!」

 檜山が答えるために口を開いたと同時に、この教室のドアが開いた。ドアの方を見ると、笑顔の如月が入ってきて、こっちにすぐに向かってきた。なんかそこそこの大きさの箱を持って。

「よし、持ってきたな!準備するから目を瞑っといてな!」

 檜山はそう言って如月から箱を受け取り、如月は檜山に言われた通り目を閉じた。如月は相当楽しみなのか体を揺らしている。それはそうとして、なんで準備するのに如月に目をつぶらせた?一緒にやるなら別に一緒に準備すりゃいいのに。

「智希!和也!準備手伝ってくれ。」

「別に良いけど、結局好きなアレってなんなんだ?」

「これだぞ!」

 檜山が箱を開けると、中には百人一首が入っていた。

「なんでかは知らないが、優は和風なものが好きだからな!百人一首もそのうちの1つだ!」

「へー、そうなのか。じゃあ、優に目を閉じさせたのはなんか意味あるのか?一緒に準備すれば良いと思うけど。」

「優はすごくてな!俳句を全部覚えてるし、取る札の配置を覚えてノールックで札を取ってくるんだ!」

 俺は言葉を失った。確かにそれなら目をつぶらせるのはわかるが、そんなヤバいやつと今からやるのか?そう思って、如月を見る。そこには、未だ笑顔を浮かべる如月の姿があった。本当にこいつが強いのか?


 ボコボコにされた。もはや一方的だった。大体、2、3文字読まれただけで、如月がすぐに取っていくから、2枚しか取れなかった。まぁ、この2枚も如月に貰ったハンデの時に取ったやつだが。ここまでくると、悔しいとさえ思えない。如月本人は百人一首の札を持って、かなりご機嫌なようだ。

「私もそれをして良いかしら。」

 百人一首を終えてすぐ、学級委員長である狭霧燈火が声をかけてきた。それを皮切りに何人かが声をかけてから俺はそこから離れる。流石に何回もはやりたくねぇ。



 夜、尿意を感じて起きた俺は、トイレに行って部屋に戻ってきた。中途半端に寝て起きたせいか、かなり眠い。寝ぼけながら、いつものようにベッドに入ると、何かに当たる感覚があった。

「んんっ。日向、どうしたのぉ?」

 隣を見ると、如月がいた。そこで頭が少し冴えた。早く俺のベッドに戻らねぇと。そう思っていると、俺の手が掴まれて引っ張られた。そのまま、俺の頭が如月の胸に抱かれ、すぐ後に如月は俺の頭を撫で始める。少しすると、小さく歌声が聞こえた。柔らかい肌、温かい体温、安心する匂い、耳心地の良い歌、撫でられる感覚、全てが心地よく、眠りへと誘われる。小さい時に母親がいたら、こういうのもあったかもな、と落ちゆく意識の中で思っていた。


 翌日、朝飯ギリギリまで眠ってた結果、朝飯の時に説明することになり、結果、クラスに広まって、如月が好きなのでは、という噂が流れるようになった。こうなるなら、流されずに自分のベッドで寝りゃあ良かった。


 ようやくこのシーンを回収できました。章を考えた時から、優の和風好きは考えていて、百人一首を出そうと考えてたんですが、当初はクラス対抗戦みたいな感じになる予定だったんですよね。サッカーとかバスケとか、百人一首とか麻雀とかで。でも、それだと時間かかりすぎて林間学校の意味がなくなると思って、取りやめた結果、百人一首はこんな感じになりました。ちなみに優と和也が一緒に寝るのは当初からの案から変わってません。

 ちなみに、話の名前の「春の夜の」は百人一首の「春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ」からきてたりします。この句は、短い春の夜にたわむれの手枕で噂になったら口惜しいではないですか、という意味らしいです。

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