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元騎士団のおっさん伝説のピンクビキニアーマーになる ~魅力を添えて~  作者: トリミング中の噛み犬


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第59話 落ちてからの始まり

・コスモ(女)


 元騎士団の39歳のおっさん冒険者

 職業は【ソードアーマー】


 領主騎士団時代に負傷した右膝を治す為に飲んだ森の魔女の秘薬、万能薬の効果により39歳のおっさんモウガス(男)から見た目が20歳前後のコスモ(女)となる

 上皇アインザーによって<インペリアルオブハート>の称号を得るが、それを象徴するハート型の盾と共にビキニアーマーがますます外せなくなる、ある意味呪われた装備と化していた


 領主レイグに戦況の確認を取る為、テイルボット城へと向かう。


 上皇アインザーの願いもあって、テイルボット領の領主レイグに会いに海上都市ハヌイアムの中心部に構えるテイルボット城へとコスモとセリオス、アインザーの3人がシャイラが御者を務める馬車で向かっていた。


 残ったオルーガと鋼華傭兵団、薔薇騎士団は海水浴を諦め、気晴らしに私服に着替えて町中を観光しようと繰り出していた。すでに全員が観光気分となって過ごしていた。


 皇帝別荘に向かっていた時には気付かなかったが、馬車から眺める海は穏やかで、雲一つない青空に白い砂浜が広がっていた。


 しかし町は人通りも少なく、まさに戦時下にある様な状況で閑散としていた。その中をテイルボット城まで続く大通りを馬車が走って行く。


 しばらくして、テイルボット城の正門へと辿り着く。


 テイルボット城は島の小高い丘に築城されていた。石造りの高い城壁が四角形を描く様に囲み、北門と南門のしか出入口が無い。城は初代の領主ジョシュアが造り上げた堅牢な城で、四方に備えられた領海まで望める高い監視塔が特徴的だ。


 常に海を見渡し襲撃に備える、城主の堅実で真面目な性格が垣間見える城だった。


 テイルボット城の南門に到着すると馬車を止めて、セリオスが降りると早速、門番をしていた騎士に声を掛ける。戦時下もあって最低限の騎士しか居ない様子だ。


 門番の騎士がセリオスとの会話を短く切り上げると、領主のレイグに報告しに城内へと入って行く。コスモとアインザーも馬車を降りると、返事を待つ間、コスモがセリオスに領主レイグについて尋ねてみる。


「そういえばさセリオス、レイグ様に会った事があるって言ってたけど、どんな人なんだ?」


「そうだね、簡単に言うとユーモアの溢れる人かな?子供だった僕にも積極的に話し掛けてくれる気さくな御方だよ」


「ふーむ……初代のジョシュアは、超が付くくらいくそ真面目じゃったからのう。その子となると更にお堅いイメージがあったんじゃが……意外じゃな」


 英雄ジョシュアは邪神竜との戦いでは常に冷静沈着、どんな事にも動じず狙いすました敵だけを射抜く、まさに【大陸一】を名乗るのに相応しい男であった。


 だがセリオスが言うには、その子のレイグがユーモアに溢れ気さくな人物だと言う。そんな人物であれば、今回の不躾な訪問も許してくれるだろう。


 そんな話をしていると、思ったよりも早く騎士が戻り城内へと案内すると言う。やはり、セリオスの言った通りの人物なのだろうか。


「では、私は南門にてお待ちしてます。コスモ嬢、上皇様をよろしくお願いしますね」


「ただの戦況確認ですから、大丈夫ですよシャイラ殿!」


 そう言ってシャイラが微笑した顔でコスモ達を見送ると、コスモ、セリオス、アインザーが案内役の騎士の後へと付いて行く。城内にある領主の間に着くと扉を騎士が叩き、扉越しに声を掛ける。


「レイグ様、セリオス様とコスモ様をお連れました!」


「分かりました、中に入って貰いなさい」


 意外な事に領主の間から女性の声が聞こえてくる。コスモ達がその声に戸惑っていると、案内役の騎士が扉を開けて中へと誘導する。


「では、セリオス様、コスモ様、中へどうぞ」


 仕方なく言われるがままに領主の間に入って正面を見ると、玉座が2つ並び1つには赤いショートヘアの気品と自信に溢れる麗しい中年女性が赤いワンピースを着て座っていた。


 しかし領主のレイグの姿が見当たらないのか、セリオスが領主の間を探す様に見渡していた。もしかして戦場で指揮でも執っているのか、と考えていると突然背後からセリオスの両肩を掴み、驚かせようとする男が登場する。


「わっ!セリオスくん☆ひっさしぶりじゃーん☆」


「うわっ!レイグ卿!」


 セリオスの肩を掴む男こそが領主のレイグであった。


 金色の髪を後ろに流し、頭の上には日除けの眼鏡を掛けて、肌黒い顔だが中年とは思えない程の色男、少しの顎鬚に海上都市ハヌイアムで流行りのアロハシャツのボタンを全て外した状態で細見で筋肉質な体に纏い、短いパンツにビーチサンダルという出で立ちだ。


 どう見ても戦時下の領主の格好とは思えない姿である。その姿に呆気に取られるコスモとアインザーがレイグを驚いた顔で見つめる。


「何年振りかなーいやーおっきくなったねー☆」


「レイグ卿も相変わらずお元気そうで」


「こ、この方がレイグ様?」


「な、何じゃこ奴……本当にジョシュアの子か……」


 2人の反応は当然である。今まで会って来た領主はいずれも、貴族の名に恥じない立派な騎士でもあった。しかしレイグにはその気位が無いのだ。誠実なジルト、豪快なレオネクス、チャラ男?のレイグと、見比べればその差が際立つ。


 しかもセリオスを驚かそうと隠れていたのだ。ユーモアと気さくさが限界突破すると、親しみよりも面倒臭さが上回る悪い例だ。まさしく【大陸一】のチャラ男として相応しい男だろう。


「レイグ様、お初にお目に掛かります。カルラナの冒険者コスモでございます」


「あれあれー?って事はかの有名な<インペリアルオブハート>のコスモちゃんかー!噂以上の別嬪さんだねー☆横に居る赤い髪の子は妹さんかなー?」


「……こ、こ奴本当に領主なのか」


「おっとーこれは妹ちゃんに一本取られて勝負あり☆なんちゃってー領主のレイグでーっす!永遠の20歳です☆よろぴくねー☆」


「……おい、コスモ、全力でこ奴をどつけ、余が許す」


「で、出来る訳ないでしょう!戦時下で総大将の領主をやっちゃってどうするんですか!」


 怒涛のレイグ節が炸裂する。領主とは思えない言動の軽さにアインザーが殺意を持ち始め、不機嫌そうにレイグを睨み付ける。初代のジョシュアを良く知るアインザーには、レイグの性格が受け入れられないのだ。


 そしてレイグは上皇アインザーの姿を知らない。不敬のレベルが段違いで、コスモの馬鹿力で殴られたとしても、問題にならないだろう。


 このままでは埒が明かないと感じたアインザーがセリオスに本題に入る様に小声でせっつく。


「おいセリオス、早く海賊との戦況を確認をするのじゃ、このままじゃとあの馬鹿領主の口が止まらんぞ」


「分かりました上皇様、ああ見えてもレイグ卿は根は真面目ですから、すぐに教えてくれますよ」


「セリオス、お主、器が大きいのう……」


 どう見ても真面目には見えないが、セリオスにはレイグの性根が真っ直ぐである事を知っているかの様であった。そしてすぐにレイグに現在の戦況について尋ねる。


「レイグ卿、突然の訪問で申し訳ありませんが、お尋ねしたい事があります」


「何々?何でも聞いちゃって☆僕の娘のスリーサイズでも話しちゃうよ☆」


「いえ、それは結構です。僕とコスモは休養を取るためにハヌイアムへ訪れたのですが、商店が開いて無くて困っているのです。そこで、ダルダロス海賊団との戦況がどうなっているのか聞きに参ったのです」


「なるほどなるほど……海水浴をしようと来たはいいけど、水着を販売する商店が閉まっている。若い2人にはキビシー現実だっ。そこで彼女のコスモちゃんに早く泳ぎたいー☆なんとかしてよセリオス☆って猫なで声で頼まれちゃった訳だね☆」


「端的に言うと、その通りです」


「いやいや!セリオス全然違うからな!!」


 セリオスがにこやかな表情を崩さないままに、レイグの悪ノリに付き合っている。コスモを真似た仕草でレイグが質問の意味を理解すると、あっさりとセリオスが認めるものだから、コスモが必死に否定する。


 セリオスのマイペース振りには上皇アインザーも一目置く。


 レイグが少し悩みながら、玉座に座っている赤髪の麗しい中年女性に目配せをすると、察知したのか中年女性が玉座から立ち上がり、レイグの下へと寄り添う。


「軍事に関してはハニーに任せているから、ハニーから説明させた方が良さそうだね☆」


「紹介に預かりましたレイグの妻、バミーネと申します。セリオス様は初めてですね」


「バミーネ様の名は存じております。かの有名な竜騎士大国バルドニア王国の王女だった方ですからね」


 アセノヴグ大陸の南半分は帝国の支配する地域だが、北半分は小さな国が乱立する連合国の支配する地域となっている。その連合国の中でも【ドラゴンライダー】を中心に機動力と武力に優れた国として、有名なのがバルドニア王国であった。


 王女だったバミーネは飛竜に乗って戦場を駆け巡っていた経験もあって、レイグから海上都市ハヌイアムの軍事の要、海上騎士団の編制を任されていた。


「戦況はまだ入って来ていませんが、今回の戦いで悪名高いダルダロス海賊団を殲滅せんと、常勝の提督ロイバンの船団を筆頭に我が愛娘アルティナ率いる竜騎士部隊、ハーバル海賊団随一の弓の名手ジョルセア、この陣容ですからセリオス様の御希望にも添えられるかと思います」


「さすがハニー!もう僕はハニー無しじゃあ生きられない体になっちゃったよ☆」


「ちょっとダーリン……セリオス様とコスモ様がいらっしゃるのですよ、もう……」


「お、俺達は一体何を見せられているんだ……」


「僕もコスモとあんな風になれたらいいな」


「今時ハニーとダーリンと呼び合う者が居るとは……」


 コスモ達が居るのにも関わらず、レイグとバミーネが目の前で若いカップルの様にイチャ付き始める。人前で行われる中年カップルのイチャ付き程、見苦しい物は無い。その様子をコスモ、セリオス、アインザーがそれぞれの思いを抱いて見つめていた。


 しかしそれは余裕の表れでもあった。バミーネの言う通り陣容はこれ以上は無いもので、元ハーバル海賊団のジョルセアからもたらされた情報を元に、ダルダロス海賊団の戦力を遥かに上回るものだ。


 後は戦勝の報告を待つだけという雰囲気に領主の間が包まれていた。


 すると領主の間の扉が開き、慌てた様子の騎士が飛び込んで来る。そしてレイグとバミーネの前まで来るとすかさず跪く。


「バミーネ様!ご、ご報告致します!」


 騎士を見たバミーネがレイグとのイチャ付きを一旦止めると、勝利の報告を聞こうと跪く騎士の前に歩み出る。そしてセリオスに自信に満ちた顔を向ける。


「セリオス様、希望通りの報告が来たみたいですよ」


「……それなら良いですが」


「さあ、報告を聞こう!もちろん、完勝であろうな?」


「そ、それが……」


 どうにも騎士の様子がおかしい、勝利したとは思えない騎士の言葉の機微をセリオスが察知していた。


 言葉を詰まらせた騎士が、意を決して声を上げ続きを報告する。


「わ、我が海上騎士団は壊滅!は、敗走しました!」


「は、敗走だと!?提督のロイバンはどうしたのだ!」


「み、味方の撤退を助ける為、旗艦を盾に殿をしていた所を襲われ旗艦は撃沈、ロイバン提督は重傷です!」


「な、なっ……」


 バミーネの顔が真っ青になると、言葉を震わせ報告を信じられないでいた。だが、報告はそれだけでは終わらなかった。


「竜騎士団を率いていたアルティナ様は、敵に身柄を拘束され人質に!」


「なっ……」


「さらに勢い付いたダルダロス海賊団が、ハヌイアムへと侵攻、町を襲い始めています!!」


「くぅーーーーーぐぎっぎぎ……」


「ハニー!?」


 立て続けに聞かされた最悪の報告に、美しい顔を歪ませ激昂すると頭に血が上り過ぎたバミーネが、白目を剥いてその場に卒倒する。レイグが素早く体を支えるが、しばらくは意識が戻りそうにない。


 報告は完勝どころか完敗であった。


 そんな最悪な状況に立ち会ってしまったコスモ達が気まずそうに顔を見合わせる。アインザーがセリオスに耳打ちすると、セリオスが倒れたバミーネを介抱しているレイグに寄ってアインザーの伝言を笑顔で伝える。


「レイグ卿、何かお取込み中みたいなので、僕達は帰りますね。ご武運をお祈りしてます」


「ちょ、ちょっとちょっと!セリオスくん!こんな状況で、そんな笑顔で見捨てないでよぉー☆」


 レイグの顔には先程あった余裕のチャラ男の顔は無くなり、悲壮感に溢れ追い込まれた表情になっていた。そこへ笑顔のセリオスの冷たい一言で、さらに余裕が無くなっていた。


「こ、このままだとセリオスくんだってコスモちゃんと海水浴出来ないよ!それでもいいの!」


「ふん、余が贔屓にしている商会に頼めば、2,3日で水着なんぞ調達出来るわ!自分の尻は自分で拭うんじゃな」


「はあーん!コスモちゃんの妹ちゃんも辛辣ぅー☆」


(こ、こんな状況なのにこの人もブレないな……)


 戦況が追い込まれているのにも関わらず、チャラ男を続けるレイグにコスモが引き気味になりながらも、憐れみの目で見つめていた。それを無視するかの様にセリオスとアインザーが背を向けて、領主の間から立ち去ろうとしていた。


 すると、追い込まれたレイグの口からある言葉が漏れる。


「今年は水着大会も断念するしかないかー……」


 その言葉に一早く反応したのが、お馴染みの上皇アインザーであった。背を向けたまま足を滑らす様に華麗なステップを踏み、レイグの下へと戻って行く。


「おい、その水着大会とやらの事、詳しく聞かせい」


「いや、この暑ーい夏の時期でしょ?各国から名の通った美女が、このハヌイアムに集まる訳ですよ!そこで大陸一の僕が気付いた訳です、大会で賞金を出せばものごっつい美女が集まるんやないかと……へへっ☆」


「お、お主……て、天才か!」


 アインザーのレイグを見る目が軽蔑の眼差しから、尊敬の眼差しへと変化して行く。変な口調でレイグが説明する内容を、食い入るように聞き入っていた。まさに熱い手の平返しである。


 レイグの説明を興奮気味に聞いていたアインザーが、目を輝かせコスモに命令する。


「おい、コスモ!我が愛すべき臣民を脅かす海賊共を町から叩き出すのじゃ!」


「ま、またそんな事を言って、さっきまで帰ろうとしてた癖に……どうせ水着大会を見たいとか言い出すんでしょう」


「分かっておらぬな、コスモ、世の中には上には上が居るのじゃ、それをな、お主にも分からせてやろうと思った老婆心と言う奴じゃ」


「いやなぜ俺が出る事前提で話を進めてるんですか!」


「いいぞー妹ちゃん!もっとコスモちゃんに言ってやれー☆」


 乗り気でないコスモをアインザーとレイグが焚き付ける。その目的が水着大会という不純さからコスモが拒否反応を示すが、それを見ていたセリオスがコスモを説得する。


「でもコスモ、実際町に海賊が侵攻してるんだ。それを排除してからでも、出るか出ないか判断すれば良いんじゃないかな?」


「た、確かに一理あるけど……」


 現実にハヌイアムの町で海賊が暴れているのだ。それを助けなくては<インペリアルオブハート>の称号が意味を成さない。その事も含めてセリオスは計算して説得を行っていた。


 すると新たな騎士が領主の前へと入って来る。


「レ、レイグ様!南門にまで海賊が攻めて来ております!今は女騎士が1人で応戦しております!早く増援を!」


 南門で馬車の番をしていたシャイラの下に海賊達が迫っていた。その事を慌てて騎士が報告するが、アインザーは特段焦りも見せない様子だった。


「運の無い海賊共よな、南門ならシャイラ1人で十分じゃ」


「で、でも流石にシャイラ殿1人じゃ荷が重いのでは?」


「コスモよ、上には上が居ると言うたが、シャイラもその1人よ。あ奴は帝国で唯一、単独で竜を屠れる剣士なんじゃ」


「あ、あの竜を単独で?」


 過去の邪神竜の眷属の討伐では、アインザーの横に常にシャイラが付き従っていた。そのシャイラの活躍があってこそ、アインザーは順調に竜を討伐出来ていたのだ。


 主にシャイラは詠唱中のアインザーを狙う竜を単独で倒す露払いの役目を担っていた。でなければ詠唱に時間の掛かる【マグマメティオスの書】を使用出来なかったからだ。


 【ドラゴンスレイヤー】と呼ばれ帝国の矛として名の通った剣士だが、40年経ち姿も変わった影響もあって、その名を知る者は今は居ない。


「それにじゃロンフォード領しかり、スーテイン領しかり、小勢で多勢に打ち勝つのはコスモ!お主の得意とする所であろう?」


「……今回の状況は最も最悪ですけどね」


 コスモの言う通りロンフォード領、スーテイン領での戦況に比べて、テイルボット領はすでに陥落していると言っても良い最悪の事態だ。もしこの状況を打破するのであれば、帝国が総力を挙げて増援を行うしか方法が無い。


 しかし、ここに帝国の総力に匹敵するアーマー職の女が居た。


「どうじゃコスモ?護りてのアーマー職として、この逆境は血が騒がんか?」


「全く、上皇様は人を乗せるのが上手いですね……」


「今回はコスモ1人じゃないよ、僕も居るからね。コスモの背中は僕が守るから」


「セリオス、お前に背中を任せるのが一番安心するぜ」


「え?今上皇様って聞こえたけど……まさかコスモちゃんの妹がそんな訳ないよねハハハハ☆」


 帝国が誇る最高戦力が偶然にもハヌイアムに集結していた。アインザーの後押しもあって、コスモとセリオスが灰色熊(グレイベア)を討伐した時と同様の闘志を燃やして行く。


 そしてレイグは帝国の影の最高権力者である上皇という言葉を聞いて、信じられずに空笑いをしている。もし上皇にこの状況を知られたら領地替えが行われても不思議ではないからだ。


「さあゆくぞコスモ!みず……臣民の為にハヌイアムを救いに向かおうぞ!」


「今、水着大会って言おうとしたでしょ……絶対に出ませんからね!!」


「コスモなら優勝できると思うけどなあ……」


 水着大会を開催させたいが為にハヌイアムを救いに、アインザーを先頭にコスモとセリオスがテイルボット城の南門へと向かって行く。目的は不純ではあるが、それを抜きにしても現状を見捨てる事はコスモには出来なかっただろう。


 テイルボット領の海上騎士団は壊滅、海上都市ハヌイアムには海賊達が侵攻、休養で訪れた筈の場所で最悪の状況に立ち会ってしまったが、その中でコスモ達が居た事は領主のレイグにとって一番の幸運であった。

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