第45話 アーガコアの悪夢
・コスモ(女)
元騎士団の39歳のおっさん冒険者
職業は【ソードアーマー】
領主騎士団時代に負傷した右膝を治す為に飲んだ森の魔女の秘薬、万能薬の効果により39歳のおっさんモウガス(男)から見た目が20歳前後のコスモ(女)となる
上皇アインザーによって<インペリアルオブハート>の称号を得るが、それを象徴するハート型の盾と共にビキニアーマーがますます外せなくなる、ある意味呪われた装備と化していた
腕相撲を経て、コスモという強力な援軍を得たスーテイン領の領主レオネクスが、玉座に戻ると改めてコスモからの報告を受ける。
しかしコスモは火竜ビトーネの話は、敢えて伝えなかった。下手に伝えるとビトーネが討伐されかねないからだ。
それを上手く誤魔化しながら、抜け道から見えた山賊の砦の位置を、詳細に報告をする。
コスモの報告を聞いてレオネクスが思案していた。
「山岳部族の抜け道、そこから見える山賊の砦か……どう思うフェニー?」
「はい、私が調査した地域からも離れていますし、それに隠れる様に建てられた砦、それを考慮しても山賊のコンドラの居城と見て良いかと……」
「しかし、そんな所に砦を築いて居たとは……俺とした事が迂闊だった」
「気に病む事はないぞレオネクス殿、そこは本来は山岳部族の土地、下界の者に気付かれにくい場所にあったのだ」
大きな砦の存在に気付けなかった不甲斐なさに、レオネクスが領主として責任を感じているのか、玉座に深く腰掛け、両腕を肘掛けに置くと悔しそうな表情を浮かべる。
砦のある場所は周りを山脈に囲まれ、山間の道も狭く、意識して向かわないと辿り着く事は困難である。そんな山奥深くにある土地なのだ。気付く方が難しい。
するとフェニーが事前の調査で作成していた、スーテイン領内全域の地図を持って、ラルガーの側に立ち山賊の砦の場所、山岳部族の村、戦える者の人数などの聴取を始める。
「ラルガー様、山岳部族の所在をこの地図で示して欲しいのと、人数や戦力になる者の人数などが分かれば教えて下さい」
「ここが我らの村、ここが抜け道になっていて、この山脈に囲まれた盆地に砦がある。そして我が部族の戦士の数は集めても50人前後だ」
「50人でこの位置……であれば戦力としては十分です。後は敵の人数だけが分かれば、より完璧になるのですが」
フェニーがラルガーからの聴取を終えると、地図を眺めながら討伐の策を考えている。そして一番大事な情報、山賊の戦力が分からずに悩んでいた。
戦で重要なのは、敵の所在以外に戦力の把握がある。それを元に作戦立案をするのだ。悩むフェニーを見てコスモがラルガーに確認をする。
「なあラルガー、砦の山賊の戦力を調べる事は可能か?」
「そうですね……あの地域ならば詳しい者も多い。3日程あれば、大体の戦力を調べる事は可能でしょう」
それを聞いたフェニーが驚いた表情で食い付く。
「ほ、本当ですか!ラルガー様!」
「……フェニーと言ったな、コスモ様を女神と称えたお前の頼みならば、我が部族の誇りに懸けて調べ上げてやる」
「お、お願いします!それで私の策が……いえ父の策が勝利に導いてくれます!」
砦が出来る前は、山岳民族のはぐれ竜の運搬で使用していた土地で、良く知る者が多い。火竜ビトーネを説得した今なら抜け道の洞穴を通り、その知見を活かして調査をする事が容易であった。
特にフェニーに対しては、良い印象を持ってたラルガーが、山賊の戦力調査を請け負うと、表情の硬いフェニーが口を緩ませ喜んでいた。
それをレオネクスが温かい目で見守っていると、今回の敵、山賊王コンドラの話を進める。
「どうやらフェニーの希望は叶いそうだな、では今回の山賊王と呼ばれるコンドラについて、コスモ殿達に俺の知っている限りの話をしよう。10年以上前に乱立していた山賊間の縄張り争いがあって、それに勝利した山賊コンドラが頭領になったのが始まりだ」
「まるで以前の山岳部族みたいだな、我々は代表者の決闘で決めていたが……」
「ラルガー殿達の様な、山に親しみ慣れた者ならば、決闘という形で決める事も出来るだろう。だが山賊達は違う、山の厳しい環境に耐えられず、開拓民が山賊に身を落として行った……だから自分以外は奪う対象なのだ」
意外な事に、元から山賊であった者は少ない。山という厳しい自然環境に、適応出来なかった開拓民が山賊になっていた。
食いはぐれた山賊は、自分が生きる為に奪う事に固執する。山岳部族と違い倫理観はまるで無い、獣の様な状態なのだ。
「ただコンドラが山賊を取りまとめてからは、山賊達の計画的な襲撃も多くなり、規律も出来て組織力が上がっていった。だが山賊にしては、余りにも金回りが良過ぎたのだ。フェニーの予測だと、大きな商会が絡んでいると見ている」
「商会が絡んでいるとなると、すぐに分かりそうな気がしますけどね」
「恐らく少数で動いて、個人の商人を偽装しているのだろう。そこで我が父、先代のグレンドルが山賊王コンドラ討伐に乗り出したのだ……だが……」
「グレンドル様が山賊のコンドラに討ち取られた……」
今から7年前にスーテイン領で、領主グレンドルが山賊の手によって討たれる事件が起こった。瞬く間に大陸中に広まり、帝国臣民を不安に陥れた大事件だ。
その年を境に山賊を含めた盗賊、海賊達が各地で攻勢を始め、勢力を増していった最悪の年でもある。
バンディカ帝国の皇帝ウェイリーや各地の領主も、頻発する賊との戦いに随所で、対応を余儀なくされる。その甲斐もあって一時あった山賊、盗賊、海賊達の攻勢は弱まり、束の間の安息が訪れた。
その出来事を人々が地名に因んで、【アーガコアの悪夢】と呼んでいた。
当時騎士団に所属していたコスモも、当然その話を知っていた。
「……コスモ殿の言う通り、7年前に我が父グレンドルがコンドラに討たれた事件だ。だが我が父には神器【ドラバルド】があった。そしてフェニーの父で名参謀と呼ばれたアルニ卿が付き従っていた!武力でも戦略でも負けてはいない!きっと卑劣な手段を用いたのだ!」
レオネクスが悔しそうな表情を浮かべ、玉座の肘掛に拳を叩き付ける。
その事件以降、当時10代だったレオネクスは他領の貴族達から、帝国の威信を揺るがしたと、指をさされる屈辱を受けてきた。
だがレオネクスにとって、それは些細な事だった。何よりも家宝の神器【ドラバルド】を奪われ、戦死したグレイドルの気持ちを考えると、その屈辱以上に怒りが込み上げていた。
技能【慈愛】を通して、レオネクスの心の色にあった赤黒い炎の様な色は、これが原因であった。
コスモが山賊の砦を見つけた時に、自身の力で制圧しなかった理由も【アーガコアの悪夢】を知っていたからだ。
人という生き物は、他人の手で解決する事で無く、自身の手によって問題を解決するからこそ、次の高みを目指せる生き物なのだ。例えコスモの手で解決したとしても、レオネクスの名誉はずっと傷付いたままだろう。
だからこそレオネクスへと報告し、本人の力で解決させようと動いたのだ。
「……すまない、恥ずかしい所を見せたな、だがコスモ殿やラルガー殿の助力があれば、必ずや父達の無念を晴らせる。こんな、未熟な俺に皆の力を貸してくれ……頼む」
コンドラの説明を終えると、改めてレオネクスがコスモ、ラルガー達に頭を下げ懇願する。
親の仇と自身の名誉が懸かっているのだ。それを果たす為に何でもすると言う、年若いレオネクスの必死な想いが、その様子から伝わって来る。
「レオネクス様、俺は帝国の心、<インペリアルオブハート>の持ち主なのです。もちろん喜んで協力させ貰います」
「我が部族は力強き者に従う、レオネクス殿、我らも喜んで助力させてもらう!」
「……あ、ありがとうコスモ殿、ラルガー殿……」
レオネクスの瞳から涙がこぼれる。それを気遣い隠すようにフェニーが玉座の前に立つと、次回の集合時期について話を始める。
「では、ラルガー様の山賊調査が終え次第、山賊討伐軍を編成し出立します。コスモ様、宿はこちらで手配しておきますので待機を、ラルガー様は調査を終えたらコスモ様と合流して、ここへお越し下さい」
「ラルガー、責任重大だが、お前なら大丈夫だろうさ」
「もちろんですとも、お任せ下さいコスモ様!」
「それでは、今回は解散と致します。各々方、どうかよろしくお願いします」
フェニーが頭を下げると、領主レオネクスとの話に一区切りつく。そのフェニーの後ろで、レオネクスが涙を拭うといつもの様に、精悍な顔付きへと戻って行った。
するとコスモが思い出す様に顔を見上げる。思い出されたのは、ビトーネから頼まれていた宝具【火竜の腕輪】の修理についてだった。
そこでコスモがレオネクスに一つだけ頼み事をする。
「……レオネクス様、不躾な願いなのですが、宝具を直す杖はお持ちではないでしょうか?」
「宝具を直す杖?……確か武器庫にしまってた様な……」
「レオネクス様、【リピーアの杖】なら教会の保管所に置いてあります」
「ああ、確かに教会にあったな!はははは!」
レオネクスが【リピーアの杖】の置き場所を間違うと、フェニーがすぐに正しい置き場所を伝える。まるで夫婦の様なやりとりで、普段からもフェニーの尻に敷かれている、レオネクスの姿が容易に想像出来る。
「だがコスモ殿、残念ながら使い手が居ないぞ?先の戦いで使い手の熟練の【プリースト】も亡くなってしまったからな」
使い手も居ないと告げられるが、コスモにとっては何も問題は無かった。
「それなら大丈夫です、貸して貰っても構いませんか?」
「もちろんだ、他にも使えそうな道具などがあれば持って行っても良い、コスモ殿ならば上手く活用出来るだろう。教会の司祭には話を通しておこう、フェニー頼む」
「はい、では先に向かいます。コスモ様、城を出てすぐ右手に教会がありますので、そこでお待ちしています」
フェニーがそう言うと領主の間を出て、教会へと向かって行く。ともかく宝具【火竜の腕輪】の修理が出来る【リピーアの杖】があった事で、火竜ビトーネとの約束は思ったよりも早く果たせそうである。
領主の間から出てラルガー達と共に城の敷地にある教会へと向かう。教会には玄関に年老いた司祭とフェニーが立って居た。
すでにフェニーから話を聞いていた、年若い司祭に声を掛けると喜んで玄関を開け、コスモ達を招き入れる。それを見送ったフェニーが、軽く会釈をして城へと戻って行く。
教会の中に入ると司祭の後へ付いて行き、杖の保管所へと案内される。
「【リピーアの杖】ですが、残念ながらこれを使える適性"S"を持つ者が居なくて、保管所で長く眠っていたのです。そもそも宝具が壊れる事も珍しく、滅多に使われる事もありませんでしたが」
「そ、そうですか……」
気まずそうに話を聞くコスモが司祭の話を聞きながら保管所の前まで一緒に歩き到着する。そこには倉庫の様な部屋があった。
「ここです、置いてある杖には名札を付けてありますので、迷う事はないでしょう」
「司祭様、案内ありがとうございます、その……【リピーアの杖】以外に、これから使えそうな杖を吟味致しますので、扉の外でお待ち頂けますか?」
「え?ええ、それは構いませんが」
不思議そうな顔で司祭が了承をする。そしてラルガー達にも扉の外で待つ様に指示を出すと、コスモ1人だけで保管所の中へと入って行く。
中に入ると壁に立てかけられた杖が、綺麗に並べられ保管されていた。その1つ1つに杖の名札が取り付けてあった。
1つ1つ確認して行くと【リピーアの杖】という札が目に入る。それを手に取り、火竜ビトーネから預かった宝具【火竜の腕輪】を取り出す。
「……司祭様に見られたらまずいからな、ここでサクッと直しちまおう」
コスモの杖に対する適性は"S"である。これを本職の司祭の目の前で、使用してしまったら教会から目を付けられ、教会へと強制的に入信させられる。
教会で杖を扱える者が多いのは、適性がある者は必ず【シスター】、【プリースト】になるのが通例だからである。
【リピーアの杖】の先端を宝具【火竜の腕輪】に向けると、淡い緑色の光が放たれる。すると腕輪に入っていた亀裂が徐々に繋がって行く。完全に腕輪が修復されると淡い緑色の光が収束を始めやがて消えて行く。
「ふう、これでビトーネとの約束は果たしたな、後は……」
修復を終えたコスモが【リピーアの杖】を戻すと、自分で使えそうな杖を2本持ち出す。それを手に持ち外で待っている司祭に持ち出しの許可を貰う。
「司祭様、杖を2本、お借りしたいのですが、良いですか?」
「もちろんです。仲間の【シスター】、【プリースト】達のお役に立てて下さい」
「あ、ありがとうございます……」
司祭様の笑顔がコスモの心に突き刺さる。これは全適性"S"を持つ者の宿命だろう。自分で使いますとは言えず、周りの目を気にしなければ大きな影響が出る、ある意味厄介な適性である。
用事を済ませ教会の外に出ると、ラルガーに修理を終えた宝具【火竜の腕輪】を手渡す。これからドルガン族の村に戻って山賊の砦を調査するからだ。ついでに抜け道に居る火竜ビトーネに渡す様にお願いする。
「ラルガー悪いけど、これを火竜のビトーネに渡してくれ」
「これは、一体?」
「ビトーネは竜人なんだ。これで人の姿に戻れる筈だ」
「な、なるほど分かりました!調査する時は抜け道を通りますので、必ずやお届け致します」
「これから忙しくなるが、ラルガー達の調査次第でスーテイン領の命運は決まる。頼んだぜ!」
「もちろんですコスモ様、我らも山の女神からの助けを得たのです。必ずやご期待に沿えましょう!」
コスモからの期待を一身に受け、ラルガーが笑顔で言葉を返す。そして執事のフェニーが用意した宿へと向かって一晩を明かす。
明朝、ラルガー達がコスモに見送られながら、意気揚々と出発するとドルガン族の村へと戻って行った。
~
ラルガー達がドルガン族の村に戻ってから3日経過していた。
あれから村に着くと、すぐに族長達を呼び出し、各部族の精鋭を集めた部隊を編成すると、抜け道の洞穴を通って、砦の山賊の戦力調査を開始する。
やがて調査を終えた精鋭達から、続々と入って来る情報を聞くとラルガーの顔が曇って行く。
そして抜け道の出口付近で、ラルガーを含む族長4人が集まり、地べたに座って砦の調査結果について話をしていた。
「出張っている山賊を除いても200人はおるぞ……」
「歩きやすい道には落とし罠や、木の先を尖らせた跳ねる罠もある」
「我らだけでは到底敵う人数ではない、おまけに装備も全員が鉄鎧に鉄兜、鋼の斧に手斧、鋼の弓に騎士殺しの弓まである、まるで下界の騎士団と変わらんぞ」
「しかも士気も旺盛、本当に勝てるのか、この戦……」
長年、攻撃を受ける事が無かった山賊達が、金銭を貯め力を蓄えていた。想像以上の山賊の戦力に族長達が報告を受ける度に、弱気になって行った。果たしてこの現状を、そのまま報告して良いのかラルガーが悩み始める。
「このまま伝えてもレオネクス殿に勝ち目は無い、二代続いて亡くなる事があってはもう、山賊共には手が付けられん……」
レオネクスの事情を知っているラルガーが、レオネクスの討死を一番恐れていた。二代続けてコンドラに討ち取られる事があっては、もう山賊を止める者はもう現れない。
それによって、山岳部族も山賊の勢いに飲み込まれ、支配されて行く事が想像出来たからだ。
すると横から赤い布のローブを身に纏った女が現れる。
「ちょっとラルガー君、悩み過ぎなんじゃない?」
「ビトーネ様、お休みの所を申し訳ありません」
ビトーネが【火竜の腕輪】を受取り、人の姿に戻っていた。赤い短い髪に全身を赤いローブ、素足に右腕の手首に腕輪、きりっとした眉に、垂れ気味の大きい瞳、豊満な胸が特徴的な、20代の若者の様な風貌を持っていた。
「思い出してご覧よ、コスモに勝てるのは邪神竜位だよ?山賊が何人居ようと勝てっこないって」
「コスモ様は確かに、はぐれ竜を何匹も薙ぎ倒していましたが、さすがに武装した山賊200人は……」
「邪神竜は本人だけでも、何百人と騎士を倒していったんだよ。もちろん全員が大陸が誇る、優秀な戦士達さ、君が言ってたレオネクス君だっけ?あれに相当するよ」
「ほ、本当なのですか!ビトーネ様!」
「ぶっちゃけ、コスモ単独で山賊を討伐する事も出来る感じだったけど、何か思惑があるみたいなんだよねー、ラルガー君も手伝ってあげれば、コスモも喜ぶと思うよ」
「……」
ビトーネのコスモに対する戦力の評価を聞いて、冷静になったラルガーが腕を組み、改めて考え直す。レオネクスの仇以外にも、今回の戦いには山岳部族の運命も掛かっている。
選択を誤れば滅亡の道も有り得る、その事が余計な思案をさせていた。
そして火竜のビトーネの話を聞いている内に、コスモの力を思い出す。
はぐれ竜を倒せる力が有りながら、殺生を好まない優しさで見逃し、火竜のビトーネを討伐では無く説得をした事。砦を見ても私情で、手柄を得ようと動くのでは無く、領主レオネクスの意図を汲んでいた事。
すると覚悟を決めた様に立ち上がると族長達に向かって宣言をする。
「皆、我らは山の女神コスモ様に部族の運命を託す!もし滅亡する危機に遭っても我が命を懸け止める!すまぬが、皆の力を我を信じて貸してくれ!」
「……」
「いいぞーラルガー君、ここは一致団結して皆で立ち向かわないとねっ!」
ラルガーの宣言に対して族長達が無言になる。その横でビトーネだけが笑顔でラルガーを褒めていた。しばらくの沈黙の後に族長達の口が開き始める。
「あの女神はウチの部族に来てもらわにゃならん、ここで逃げては愛想を尽かされるからな」
「まだ戻ってない精鋭達も居る、その戻りを待ってから、詳細にまとめておけば戦の役に立つだろう」
「ふん、戦じゃあ俺の力がいるだろう?ラルガーお主だけ格好いい所見せようなぞ甘い!」
「山の女神が味方であれば、我らはそれを信じて突き進むのみだ」
族長達が前向きにラルガーの宣言に同意をする。山岳部族の方針が、1つに定まるとビトーネがその光景をにこやかに眺めていた。
「あーあ、私も何か役に立ちたいな……」
コスモに世話になったビトーネが、今回の戦いで何か役に立てないか考えている。自身も山賊に襲われ宝具【火竜の腕輪】を壊されたのだ。なるべく邪魔にならない様に、目立たない様にコスモの力になろうと考えていた。
後日、ラルガーが詳細な調査報告書をまとめると、再び山岳都市スタンブルトへと向かい、コスモと合流すると一緒にレオネクスの居城へ向かって報告をする。
執事兼、参謀のフェニーがラルガーの調査結果を元に、策を立案し部隊の編制へと入って行く。
そして城内が騒がしくなって行く。スーテイン領に属する貴族全員に出兵の命令が下ると、次々とレオネクスの居城、スーテイン城へと兵が集まって来る。
ここからは川の激流の様に事が進み、山賊王コンドラの山賊討伐の準備が着々と進んで行った。




