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元騎士団のおっさん伝説のピンクビキニアーマーになる ~魅力を添えて~  作者: トリミング中の噛み犬


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第43話 若君レオネクス

・コスモ(女)


 元騎士団の39歳のおっさん冒険者

 職業は【ソードアーマー】


 領主騎士団時代に負傷した右膝を治す為に飲んだ森の魔女の秘薬、万能薬の効果により39歳のおっさんモウガス(男)から見た目が20歳前後のコスモ(女)となる

 上皇アインザーによって<インペリアルオブハート>の称号を得るが、それを象徴するハート型の盾と共にビキニアーマーがますます外せなくなる、ある意味呪われた装備と化していた




 火竜の棲む洞穴からドルガン族の村へと戻ると、族長ラルガーが他の山岳部族の族長を呼び出す、緊急の使者を送る。


 コスモとの約束を果たそうと、他の山岳部族にも帝国に協力させるが目的だ。


 ドルガン族の村に、呼び出しに応じた他の山岳部族の族長達が、数人の若衆を伴い集まってくる。集まった族長達の年齢は中年から高年で、戦士を生業しているラルガーと同様に、体には無数の傷跡が刻まれ、片目が無い者も居た。


 その屈強な体に族長としての威厳を主張するかのような、灰色熊や茶狼の毛皮に鳥の羽の装飾など、派手な衣服を身に纏っていた。


 ドルガン族の村人に集会所へ案内されると、部屋の中央に置いてある長い机を囲むように、椅子に座り込む。すでに長い机の上座には、ラルガーが座って待機していた。


「ラルガーの、今回の話は帝国に協力するって話だが、我が部族は協力せんぞ」


「そうだ、今まで帝国とは不可侵の決まりだけを守っていただけ、我らが協力をするなど天変地異が起こっても無い事、諦めるんだな」


「そもそも洞穴の火竜はどうするのだ?あの洞穴を抜けないと我らは動けないぞ」


「我が部族は、山賊共の相手で精一杯だ!それどころではない!奴ら1人居ると思ったら10人は居るんだ、まるで虫の様に湧いて来る!」


 他の族長達はラルガーと違い、思ったより協力的ではなかった。


 昔から住む自分達の土地を勝手に、帝国の領土と言われれば反発もする。少数である山岳部族が、多数の戦力を持つ帝国を相手に勝つ事は難しい。だからこそ不可侵条約を嫌々ながらも結んでいた。


 それ以外にも各部族は、山賊の対応で手一杯の様子だ。


 だが今回の発議者である、ラルガーの表情に焦りは無い、族長達が協力的ではないのは計算済みなのだ。そして一癖二癖ある族長達に対して、とっておきの対策を用意していた。


「皆の言い分はよーく分かった。ならば今回、帝国の使者として来た、山の女神コスモ様にも意見を頂こう、コスモ様こちらへ」


「山の女神だって?どういう事だラルガー?」


「どうせ、どこの馬の骨か分からぬ者が出て来るに決まっている」


「ラルガー、早く用事を済ませてくれ。これでも忙しい身なのだ」


「誰が来ようととも、結果は変わらんよ」


 ラルガーが側近の村人に合図を送ると、側近が隣の部屋の扉を開けて、コスモに部屋を出るように手で合図を送ると、族長達の前に困った顔でコスモが登場する。


 なぜコスモが困った顔でいるのかと言うと、ラルガーに集まった他の族長に顔を見せるだけで良い、と言われ隣の部屋で待機していたからだ。


「あ、あのラルガー……呼ばれたから来たけど、俺は何をすれば……」


「コスモ様は、ただ立っているだけで大丈夫です。ほら、ご覧下さい、族長達の魂の抜けた様な顔を!」


 族長達がコスモの頭の先からビキニアーマー、足元へと舐めるように見回すと、その美貌に見入って言葉が出ず、唖然としていた。そこを好機と見たラルガーが畳みかける様に言葉を続ける。


「この山の女神は、はぐれ竜を素手で投げ飛ばす武勇もある!更には火竜と言葉を交わし、抜け道を使える様に火竜と約束をした!この山の女神に逆らう愚か者は、この中にはおるまいと我は思っている!」


「……」


 集められた族長達が、無言でラルガーの演説を聞いている。族長達が認める戦士、ラルガーの言葉に嘘は無いと判断していた。その言葉通り、このピンクの女なら実行出来るであろうと、コスモの筋肉質で美しい体を一目見て理解をしていた。


 それに加え山岳部族好みの美貌である。帝国の協力よりも、自分の部族に来て欲しいという、ラルガーと同じ欲望が族長達にも芽生える。


「うむ、ラルガーの熱意は伝わった!我が部族も協力しよう!」


「あ、コラ!お前、天変地異がうんたら言ってたではないか!」


「我が部族は戦える男を全て用意しよう!その代わりその女神を、是非我が部族へ迎えたい!」


「ふざけるな!お前の小さい部族では女神は収まらんわ!我が部族こそ相応しい女神だ!」


 4人の族長達が席を立つと、コスモの処遇を巡って取っ組み合いを始める。


 帝国への協力の話が忘れられ、各族長の思惑が暴走を始めると、それを見たラルガーが少しやり過ぎたと汗をかきながら、必死に止めようとするが、族長達も屈強な戦士である。


 ラルガーだけでは抑えられず手を焼いていると、コスモが話し合いで使用していた長机を両手で強く叩く。


ダアアアアアン!!ズゴゴゴゴゴ!!バキバキッ!


 叩いた長机が必殺の一撃音と共に2つに割れて砕け散る。


「いい歳した男が騒いでんじゃねえ!俺に協力するのかしねーのか、ハッキリしやがれっ!!」


 コスモが怒りの表情で怒声を族長達に浴びせると、取っ組み合いを止めて静まる。


 争っていた族長達がラルガーに、コスモが何を言っているのか尋ねると、コスモの放った言葉の意味を知る。そして4人の族長が顔を見合わせ頷くと、コスモに対して横一列へ並び、動きと言葉を示し合わせて頭を下げる。


「「「「我々はコスモ様に忠誠を誓います!!」」」」


「……ラルガー、族長達は何て言ってんだ?」


「ふふふ……いや失礼しました、彼らはコスモ様に忠誠を誓うと言っています」


「そっか、んじゃあ一件落着ってとこだな、よろしく頼むぜ皆!」


「はい、我らが山岳部族の力、コスモ様の思う様に存分にお使い下さい」


 コスモの気迫溢れる一声で、屈強な戦士である族長達が子供の様にあっさりと、心を一つにする所を見て、ラルガーが笑いを堪えながら、言葉を通訳してコスモに伝える。


 美しさや強さだけでは無く、場を治める度量もある事に、ますますラルガーがコスモに心酔して行った。


 コスモが顔をにこりとさせラルガー達の忠誠を受け入れる。


 話しがまとまり、後は山岳都市スタンブルトへ戻るだけなのだが、元々付き添いを頼んでいたラルガー以外に、各族長の強い希望もあって、部族で一番強い若い男が1人づつ選出されると、コスモの護衛兼、婿候補として付いて来る事になった。


 領主レオネクスの依頼を終えたコスモが、ニャシムの案内でフィオーレとラルガー達と共に、再び【竜の背骨】と呼ばれる難所の尾根を通って、山岳都市スタンブルトへと戻って行く。


 その道中は難所なのだが、コスモはそれ以外にも苦慮する事になる。


「コスモ様、若衆に荷物を持たせてやって下さい。彼らも部族の代表として、コスモ様に良い所を見せなくてはならないのです」


「い、いや大丈夫だって、それよりもラルガー、自分達の心配をしろって!難所だぞここは!」


「我々にとって、庭みたいなものです。それよりも今日の野営地に着いたら、若衆に夕食を作らせましょう、コスモ様が良ければマッサージなども、やらせますが……」


「あー、そんな事しなくて良いって!」


 コスモとラルガーのやり取りを後方から眺めていたフィオーレが、しかめっ面でニャシムに話し掛ける。


「……ねえニャシム、あれ見てどう思うよ」


「はははは、何かコスモさん山岳部族の人達に気に入られちゃったみたいですね」


「くぅー!私だってね若い男達にちやほやされたいのっ!それを目の前で見せ付けちゃってくれてさ!やってらんねーっての!」


「フィオーレさんも、コスモさんと同じ歳になればそうなりますって……多分……」


「ニャシム、こっち見て言いなさいよ!何で顔を背けるのよ!」


 もちろん道中は、コスモが部族の若い男に囲まれ逆ハーレム状態となるのだが、フィオーレが不機嫌そうな顔でその様子を見ては、ニャシムに愚痴をこぼしていた。





 3日の行程を経て山岳都市スタンブルトへと到着する。道中怪我人も無く無事に辿り着いたのだが、終始フィオーレだけが不機嫌のままであった。


 到着するとすぐに仕事斡旋所へと向かい、依頼の報告をしようとするのだが。


「あのさー聞いてよメイ、あのピンクの筋肉女ってば、はぐれ竜を素手で投げ飛ばしてさー、若い男に囲まれてちやほやされてるしさ、ほんっとふざけんなって感じでさー」


「さすがコスモ様!私の思った通り素敵な人です!」


「あ、あの……メイ?私の話、聞いてる?」


 受付嬢のメイにフィオーレが帰りの道中で起こったいた事に、愚痴をこぼしていた。だがコスモの大ファンである、メイの耳には届いていなかった。


 その興奮する様を見てフィオーレが困惑していると、コスモが割り込んで受付窓口に顔を覗かせると、メイに達成の報告をする。


「メイ、レオネクス公爵の依頼は達成したけど、他にも色々伝えたい事がある、レオネクス公爵に連絡は取れるか?」


「はい!この依頼を達成した方を公爵様の居城へ、案内する様に承っています。すぐにでも案内出来ますが……」


「まだ日も明るい、メイ、早速で悪いけど案内を頼めるか?」


「はい!お任せ下さい!」


 メイが後輩の受付嬢に話を通すと、受付窓口から外へ出てコスモ達の案内の準備をする。そこでコスモが思い出したかの様に、背負い袋の中から金貨を取り出す。


「おっと、その前に……ニャシム案内助かったぜ、これは成功報酬の金貨10枚だ」


「こ、これは依頼書に書かれた金額より多いですよ!それに前金で、すでに金貨10枚は貰ってますし……さすがに受け取れませんよ」


「じゃあ母親に何か買って孝行してやれって、金はある分、困る事はねえ筈だからな」


「……あ、ありがとうございます、コスモさん!」


 山岳部族の懐柔依頼の案内人として付いて来たニャシムに、コスモが感謝の気持ちを上乗せした報酬金を手渡す。


 あまりにも高額のためニャシムが、受け取りを拒否するが、自分の母親の病気を気遣うコスモの言葉で、受け取る事を決めると目に涙を浮かべ感謝をする。


 短い間であったが無事に帰って来れたのも、ニャシムの案内に因る所が大きい。


 続けてフィオーレも別れの言葉を伝える。


「じゃあコスモ、私もここでお別れだね。……まあさ、依頼も無事に達成出来たし、良かったんじゃない?後は勝手に頑張んなさいよ」


「道中楽しかったぜ、フィオーレもまたな」


 あっさりした感じで、フィオーレが別れの言葉を告げる。少し恥ずかしそうな仕草をしながらも、コスモの依頼達成を労うと、仕事斡旋所の外へと出て行く。


 コスモの依頼の失敗を見たいがため、フィオーレが付いて行くと言っていたが、それは本心では無く、【ソードアーマー】のコスモの身を心配していたのだ。


 コスモは今までのフィオーレの行動を見て、口はうるさいが優しい娘だと察していた。


 後ろではラルガー達が、コスモのやり取りをじっと見ていた。特にニャシムに対する慈悲深さを、目の当たりにして感動をしていた。


「コスモ様、お待たせしました!早速、レオネクス様の下へ行きましょう」


「おう、頼りにしてるぜ」


「キャー!頼りにされちゃったー!」


 仕事斡旋所の中でニャシムとフィオーレと別れると、ラルガー達と一緒にメイの案内で、レオネクス公爵の居城へと歩いて向かって行く。


 山岳部族の格好が山賊に近いのか、周りから奇異の目で見られるが、黒騎士セルシルに加え、自身もそういう目に慣れているので、気にする事無く堂々と街中を進んで行く。





 山岳都市スタンブルトの中心部に、レオネクス公爵が住む屋敷と城が見えて来る。その広い敷地は、引き込んだ川の水を利用した堀で囲まれていた。山脈の景色と相まって一見、優美な景観として目に写るが、実戦を想定した攻め難い造りとなっていてた。


 入口の城門も都市の入口と同様に、吊り上げ式の跳ね橋が架かっている。そこに斧を構えた騎士が2人立って居た。


 受付嬢のメイが門番の騎士にレオネクス公爵、直々の依頼を達成した事を告げると、それを報告しに騎士が城の中へと向かって行く。


「コスモ様、今依頼の達成を報告したので、すぐにでもレオネクス様が、お会いすると思います」


「分かった、こう対応が早いと話が早くて助かるよ」


「まだ20代で若い御方ですが、先代に遜色ない人望に行動力、決断力を持っていますからね。領民からは若君として慕われていますよ」


 レオネクス公爵はスーテイン家の3代目当主に当たる。年齢はセリオスより上で、ロンフォード家と事情が違って2代目が逝去していた。正確には山賊討伐の最中に卑劣な罠によって謀殺されたのだ。


 その際スーテイン家の家宝で槍斧の神器【ドラバルド】を山賊に奪われたままであった。


 しばらくして城内から執事の若い女性がやって来る。綺麗な黒くて長い髪をポニーテールで纏め上げ、上下は細見の体に合った黒の執事服を着ている。表情を変えず冷静な雰囲気と、黒い太めの眉が特徴的で遠くを見る様な目で、綺麗な顔立ちをしている。


 コスモの姿を一瞥すると、その後ろに居る山岳部族のラルガー達に目を向ける。どうやらメイの話が、本当かどうか確認している様だ。


「……失礼しました、私スーテイン家の執事フェニーと申します、<インペリアルオブハート>のコスモ様ですね、我が主がすぐにでも会いたいと仰せです」


「忙しい所すまないな、こっちも火急の用件でな」


「いえ、とんでもございません。ロンフォード領の救世主が、スーテイン領に来て頂けただけでも、女神に救われた気持ちです」


「……この執事の女、分かっているな」


 執事のフェニーが淡々と会話する中で、後ろに居たラルガーがコスモを女神と例えた、フェニーに対して良い印象を抱く。だがそれがただの社交辞令である事を、コスモは分かっていた。


 フェニーの目には表に出さない、静かな怒りが込められていたからだ。

 

 互いの挨拶を終えると受付嬢のメイに見送られながら、代わってフェニーがコスモ達を城内へと案内する。


 城内の床や壁も町と同じく白い石を加工して造られていた。さらに断面を磨き上げた石は、清潔感のある白色が強く輝き、城内を明るくしている。そして所々に炎の紋章の帝国旗が掲げられ、帝国への忠誠も忘れずに示していた。


 領主の間の木製の大扉の前に到着すると執事のフェニーが扉を叩く、そして領主のレオネクスの名を呼びコスモ達を連れて来た事を伝える。


「レオネクス様、コスモ様をお連れしました」


「やっと来たか!早速入って貰え!」


「主の許可が出ましたのでコスモ様と山岳部族の皆様、中へお入りください」


 フェニーが大扉を押し開けると、脇に寄ってコスモ達を中へ入る様に、手を領主の間の奥へと向ける。それに従ってコスモ達が領主の間に入って行く。


 中央の玉座まで続く通路には黄色の絨毯が敷かれ、正面の奥には小さい段差の上に大きい玉座が置かれている。


 玉座の後ろには鉄製の槍斧が交差する様に置かれていた。そして領主のレオネクス公爵が、玉座に座って待ち構えていた。


 レオネクス公爵の座る玉座の手前まで進むと、コスモがその場で跪き頭を下げる。ラルガー達はコスモの跪く姿を見て、不満そうな顔で跪く事無く立っていた。


「レオネクス様、お初にお目に掛かります。私は冒険者のコスモと申します、急な面会の申し入れを受けて頂きありがとうございます」


「<インペリアルオブハート>のコスモ殿!貴女の名は大陸中に響いているぞ!さあ堅っ苦しいのは無しだ、顔を上げてくれ!」


 レオネクスが玉座から立ち上がるとコスモに寄って、コスモにも立ち上がる様に促す。コスモが立ち上がると、頭一つ上にある笑顔のレオネクスの顔を見上げる。


 領主にしては規格外の体の大きさだ、ドルガン族のラルガーと同じ位の背丈で逆三角形の体躯に太い丸太の様な手足に、長い金髪を荒々しくなびかせ、もみあげも同じ様に長い。まるで獅子の様な年季の入った、勇ましい顔付きで20代とは思えない顔だ。


 着ている白ブラウスのボタンが、はちきれんばかりに筋肉が盛り上がっている。性格も見た目通り豪快なのか声が大きく良く通る。


 山に住む男は皆、コスモより大きいのが当たり前なのだろうか。そんな事を考えていると、レオネクスがコスモの後ろに居るラルガー達に目をやる。


「其方達が山岳部族の者か!我が帝国に、力を貸してくれるとはありがたい!はははははは!」


「……勘違いをするな若造、我らの忠誠はコスモ様にあるのだ!帝国ではない!」


「お、おいラルガー……」


「ラルガー殿と申すのか、俺は若造では無く領主のレオネクスだ!……実はな我ら帝国としても其方ら山岳部族の力量をはかりかねている。弱いのでは山賊討伐など夢のまた夢だからな!その勇ましい発言は口だけなのか、是非知りたいものだな!はははは!」


「わ、我らが弱いだと……許さん!」


 売り言葉に買い言葉、ラルガー達がレオネクスに対して失礼な物言いをすると、それを挑発するようにレオネクスが言葉を返す。


 するとラルガー達が腰に携えていた鉄の斧を構える。山の男達は血気盛んで、すぐに争いたがる。その様子をコスモが呆れた顔で見ると、両者の間に割って入る。


「ここでレオネクス様を斬れば、俺にも咎が及ぶんだがラルガー、お前はそれでいいのか?」


「で、ですがコスモ様、我が部族を侮辱されては、村には戻れません!」


「ったく……じゃあ武器じゃなくて、腕相撲で決めろ!それで良いですか?レオネクス様」


「ははははは!コスモ殿、それは妙案だ!誰も傷付かず力の差をはっきり見せる良い機会だ、もちろんOKだコスモ殿!」


「コスモ様、我らの山岳部族の力を、この若造に見せ付けてやりましょうぞ!」


 腕相撲で勝負する事が決まると、ラルガー達が構えていた鉄の斧を腰に戻す。ラルガーは山岳部族の誇りを軽視されて、怒りの表情を浮かべていた。それに対してレオネクスは余裕のある笑みを浮かべていた。


 レオネクス自身、自分の力に自信を持っているのを表していた。


「フェニー!確か水瓶として使っていた樽の予備が置いてあったな、それを腕相撲の台にする!ここへ持って来てくれ!」


「はは、ただいまお持ちします」


 レオネクスが扉の側に居た執事のフェニーに、樽を持ってくる様に指示を出すと、軽く体を動かし準備体操を始める。


 貴族らしからぬレオネクスの言動と行動に、コスモが溜め息を漏らすが、お互いぶつかり合えば理解出来るだろうと考え、それを見守っていた。


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