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元騎士団のおっさん伝説のピンクビキニアーマーになる ~魅力を添えて~  作者: トリミング中の噛み犬


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第35話 ロンフォード盗賊掃討戦2

・コスモ(女)=モウガス(男)


元騎士団の39歳のおっさん冒険者

職業は【ソードアーマー】


 領主騎士団時代に負傷した右膝を治す為に飲んだ森の魔女の秘薬、万能薬の効果により39歳のおっさんモウガス(男)から見た目が20歳前後のコスモ(女)となる

 上皇アインザーによって<インペリアルオブハート>の称号を得るが、それを象徴するハート型の盾と共にビキニアーマーがますます外せなくなる、ある意味呪われた装備と化していた


諸事情によりモウガスの姪という事になる




「ああたまんねえな!ちょっとした固い筋肉の上に柔らかいもち肌……」


 盗賊の男の一人がコスモに覆い被さると、いやらしい顔付きで太腿を撫でまわし触り心地を確認する。それを口にすると、他の盗賊達も興奮気味に話を聞き入っていた。


「は、早く胸も触れって!」


「へへ焦るんじゃねえよ……今確認してやるよ」


 そう言って盗賊の男の左手がコスモの大きい胸に手を伸ばした瞬間、意識の無いコスモの右手が盗賊の左手首を掴む。


「おっと俺の胸はそんな安くねえぞ……」


「お、お前意識があったのか!」


 盗賊の男がコスモに意識があった事に驚くと、いやらしく緩んだ顔から焦った顔になる。その間に覆い被さっていた男の体にコスモが左腕を回して抱き込む。


 コスモが顔を近付けて盗賊の男に、普段女にやっている事をやる様に促す。


「ほら遠慮するなよ、いつもの様に女の体を堪能してみろって」


「は、離せ!……な、何だこの力は……びくともしねえ!」


 盗賊の男がコスモから離れようとするが鉄の拘束具で縛られているかの様に錯覚する。その内に抱きしめる力が万力の様になると、より強く締め上げて行く。それと共にコスモの体から青い炎の陽炎、技能【羅刹】が出現し始める。


 締め付けられている盗賊の男の顔が苦悶に歪む。


「ぐぎぎぎ……」


「お前らの考える事なんざあ、お見通しなんだよ!」


ギュウウウウ!ボキボキ!ズゴゴゴゴゴ!!


「ぎゃあああああああああ!!」


 魔法学院で男子生徒を抱きしめた時よりも容赦ない力で締め上げると、骨の折れる音と必殺の一撃音が辺りにこだまする。


 壊れた人形の様に成り果てた盗賊の男を、枝切れの様に横へ投げ捨てるとコスモがゆっくりと立ち上がる。


「バ、バラーナの紫毒が効いているはず、なぜ動ける!」


「ああばっちり効いてるよ、だが俺は技能【自己修復】持ちでな、受るダメージより回復量の方が勝るって訳よ」


「そ、そんなの無敵じゃねえか!」


 技能【自己修復】は以前に技能と適性を調査した時に発覚した技能で、毎時、自身の半分の体力を回復していくという超人的な効果がある。


 ちなみにコスモが倒れた時に技能【魅力】も発動していた。ちょっとした下心を持つ者だけに効く様に控えめに調整してだ。


「馬鹿野郎!落ち着け!相手は武器も盾もねえんだ!囲ってやっちまうぞ!」


「ふむ、たった3人か、差し詰め監視役も兼ねてるんだろ?」


「うるせえ!やっちまえ!」


 残りの3人の盗賊達が鉄の斧を構え、コスモを囲い同時に飛び掛かる。


 振り下ろされる斧に合わせて、1人目に向かって小さい動きで下から顎に目掛け拳を突き上げると、すかさず2人目の背後へ回り込むと太腿に向かって鞭がしなる様な蹴りを喰らわす。


ゴスッ!ズゴゴゴゴゴゴ!……スパアアン!ズゴゴゴゴゴゴ!


 余りにも素早い動きと打撃に必殺の一撃音が遅れて響く。


 3人目が鉄の斧をコスモの居ない地面に叩き付けると、1人目が顎の喰らった衝撃で宙に浮き、2人目が横に1回転しながら宙に舞う。


 宙に浮いた2人が地面に落ちると、1人は体を痙攣させ、もう1人は太腿を抑え痛みにのたうち回る。


「ひ、一息に2人も……」


「さて、お前には聞きたい事があるんだ……」


「ひっ、く、来るな!やめろおおおおお!」


 コスモが青い炎の陽炎を身に纏い、残った盗賊の男に手を伸ばし迫って行く。その姿に恐怖した盗賊の男が叫び声を上げる。


 そして門の外では冒険者達がバラーナ率いる精鋭20人に苦戦をしていた。冒険者側も負傷した者を戦線から後方に下げ、戦える人員を入れ替えで対応をしていた。


 リーダー格のバラーナにはオルーガが対峙していた。2人の実力は拮抗していたが、ややオルーガが優勢となっていた。そんな戦いの最中、砦の門から男の叫び声が聞こえてくる。


「なんかさ!男の悲鳴が聞こえた気がするんだけど!」


「ああ、私にも聞こえた!コスモ殿が何か仕掛けているのやもしれぬ」


 他の冒険者に比べ腕の立つオルーガとペイタが攻撃をいなしながら、砦の門内から聞こえた悲鳴に気付く。そしてバラーナも戦いながら気付いていた。


(門の中で一体何が起きている……)





 同時刻。


 セリオスと黒騎士セルシルが砦を避ける盗賊の隠し道を、愛馬"宝船"に乗り駆け抜けていた。隠し道は偶然、斥候部隊が見つけたもので人1人が何とか歩ける道なので今回の作戦には進軍路として入れていなかった。


 ただ皇帝ウェイリーがそこに着目し作戦を立てていた。この先にある物が、今回の戦いを完全に終結させるのにどうしても必要だった。


「さあセリオスどん!もうすぐ山を抜けるっぺよ!」


「セルシル殿の馬は凄いな!こんな悪路を平然と走り抜けるとは……」


「"宝船"は俺と山岳都市スタンブルトの険しい山道を走り回った仲だっぺ!こんなの屁の突っ張りだっぺ!」


「ヒヒヒーン!」


 褒められて嬉しいのか馬の"宝船"が喜ぶような顔で鳴く。


 平地とほぼ変わらない速度で山の悪路を駆け抜けると、斥候部隊の情報通り盗賊達の村が遠目に見えて来ると、セリオスとセルシルが村の様子を窺う。


 ちょうど山間の盆地の様になっていて、近くには小川が流れ田畑が広がっていた。何も知らなければ開拓村と言っても分からないであろう。


 村には魔獣除けの木で出来た柵に囲まれ、木造の家が数軒建っている。斧を持った4人の盗賊が家の前を陣取り見張りを行っていて、村の中央には薪を重ね焚き火の準備をしてる盗賊が1人居た。


「薪を置いて準備しているという事はやはり……」


「それを確かめて来るっぺ!セリオスどん、"宝船"任せるっぺよ」


「ああ、ってええ?セルシル殿?」


 2人乗りをしていた"宝船"から突如としてセルシルが消えると、セリオスが慌てて馬の手綱を握る。セルシルの言っていた技能【黒家転移】だと分かると、村の家に移動したと判断し、盗賊に接近がばれないように物陰に隠れながら村に近付いて行く。


 一方、村の見張りをしている盗賊達は落ち着かない様子でいた。


「まだ撤退の連絡が来ねえのか?」


「今は拠点に置いた財宝を馬車に載せてる最中だとよ」


「こんな負け戦とっとと逃げりゃいいものを、何で財宝なんかに拘ってるんだ」


「【黒の戦斧】を頼りに違う場所へ逃げるんだ、それ相当の手土産が無いと受け入れてもらえねえからな、仕方ねえよ」


 すでに盗賊達の間ではジルト達の掃討戦が知れ渡っていた。


 盗賊側にもカルラナで町人に扮した密偵が居たのだ、だがジルト達がカルラナに到着してから目的を知ったので情報の伝達はかなり後手になってしまった。


 盗賊達が次の拠点で活動する為に大盗賊団【黒の戦斧】の助力を得ようと、財宝を持ち出そうとしていた。大盗賊団【黒の戦斧】の頭目ドゲイラはすでに帝国に捕まっていたが、すでに新しい頭目がその地位に就いていた。


 見張りの盗賊がそう雑談をしていると、村の木造の家の中に居たセルシルが聞き耳を立てていた。


 家の中には母親らしき女1人と子供が男女1人づつ居るが、肝が据わっているのかセルシルの姿をじっと見つめて騒ぎ立てないでいた。盗賊の話を聞き終えたセルシルが母親の女に話し掛ける。


「びっくりさせてごめんな、今のこの状況がどうなっているか、教えて貰えるっぺか?」


「……盗賊の者じゃないですよね」


「こんなカッコイイ正義の味方捕まえて酷い事言うっぺなあ」


「いや死神です、と言われても信じますけど……」


 女の冷静な突っ込みが入ると、今の状況から村の経緯までを話してくれた。


 この村は40年以上前に邪神竜との戦いから逃げてきた帝国兵の作った村だと言う。そして数年前に赤髪熊のマデジ率いる盗賊団が現れ協力を求められていた。


 逃亡兵の自分達が帝国に属するロンフォード家にも助けを呼べず、村の男達は家族を人質に取られ盗賊達に仕方なく協力をしていた。


「騎士様……私達はどうなっても構いません、夫や義父を助けてやってください!」


「もちろんだっぺ!今に馬に乗った騎士様が格好良く登場するっぺよ!」


 すると外が騒がしくなっていた。馬の"宝船"に乗ったセリオスが焚き火の準備をしていた盗賊を1人を切り捨てたからだ。


「さあ盗賊共、観念しろ!今なら生かしたままにしてやるぞ!」


「く、くそ!砦の連中は何してやがる!砦を抜かれたら狼煙を上げる事になってるだろうが!」


 盗賊達は連絡手段として狼煙を上げる手筈だった。だがそれも見破られ、連絡役だった盗賊はセリオスの技能【天光剣】による電光石火の攻撃により切り捨てられていた。


 残った盗賊4人が鉄の斧を構えてセリオスに注目していると、すでに家の中に居た黒騎士セルシルが扉を開けてこっそりと出て行き盗賊4人を背後から切り掛かって行く。


「ぐあっ!こ、こいついつの間に……」


「ふうー、セリオスどん!いい仕事だっぺ!」


「セルシル殿の助けがあったからこそです!で、やはり村人達は……」


「コスモ師匠の言ってた通りに人質にされてたっぺ」


「そうでしたか、コスモと父上にもこの事をこの狼煙で知らせましょう」


 村に居た見張りの盗賊を制圧すると、すぐにセリオスがコスモから預かった特殊な狼煙玉を懐から取り出す。薪に着火して火が起こると狼煙玉をくべる。すると最初は黒色の煙が立ち昇り、しばらくすると桃色の煙が立ち昇る。


 その煙は天高く登り山の砦に居たコスモ、拠点の前に布陣をしていたジルトにも見えていた。





 同時刻。


 ジルト達が盗賊の拠点の門の前に布陣していると、拠点後方からセリオスの上げた黒色と桃色の狼煙が見える。それに執事のガジェインが気付く。


「あ、あれを見て下さいジルト様、狼煙が上がっております」


「さすがコスモ嬢だ!無事に人質を奪還した様だな、ここからは私の仕事だ」


 ジルトが布陣した陣から1人だけ騎乗したまま拠点の門の前に出て、声を張り上げ通告する。


「元帝国兵の者に告ぐ!人質の家族は我々が奪還した!悪い様にしない安心して投降するが良い!」


 その声を拠点の門の上にある見張り台から聞いている老齢の男が居た。その周りには同じ老齢の男達が数人囲んでいた。


「ナズール様、人質が解放されたとなれば、最早1つしか道はありません」


「ああ、分かっている、お前達は一足先に村に戻っていろ、儂が話をつけてくる」


 ナズールと呼ばれた老兵は長い白髪頭に、白い口髭と長い顎鬚を蓄え、目付きは眼光が鋭く、軽装鎧に村人の一般服、腰には銀の剣が下げられていた。


 ナズールが部下である老兵達に村に戻る様に指示を出すと、老兵達が拠点内に戻って裏側に出ると、停めてあった馬に乗り村へと一斉に駆けて行く。


 そしてジルトと降伏交渉すべくナズールが拠点の中に戻り、正門へと続く階段を降りると盗賊団の腹心をしていたキンボスが、焦った表情で声を掛けて来る。


「ナズール、てめえだけ助かろうって腹か!もう俺達は一蓮托生なんだ!諦めろ!」


「キンボス、儂は間違っていた……貴様達と初めて会ったあの時、刺し違えてでも倒すべきであったとな……」


「くっ……人質解放も嘘かもしれないぞ!もし投降したら俺の部下が家族1人残らず首を切るぞ!それでもいいのか!」


「ふん、財宝を積み、逃げる算段がつけば我々は用無し、その時には首を切るつもりだったのだろう?」


「く、くそ……後少しで財宝が積み終わるんだ、それまでは……」


「年貢の納め時だ、諦めるのは貴様だキンボス」


 ナズールの覚悟は決まっていた。


 長年逃亡兵として村に隠れ住み、帝国騎士としての気概も失い、盗賊に協力するまで落ちた自分を後悔していた。この首一つで村が救えるのなら差し出すつもりであった。


 ナズールの覚悟を知ったキンボスが、拠点内で財宝を運び出している部下達を悔しそうな表情で見つめる。すると1人の盗賊が黒い石が装飾された首輪を持ちナズールに近寄って来る。


「ナズール様、これは戦いの神が宿った宝具です……是非お付け下さいませ」


「何を言っている、儂は降伏の話をつけに……」


 ナズールが断りを入れようとした時に、その盗賊が素早くナズールの背後を取り、首に黒い石の装飾が施された首輪を取り付ける。


「な、何をする!……ぐ……」


(これは……心地良い心を持っている……長年溜めていた後悔という心がな!)


 ナズールの頭の中に誰かの声が聞こえて来ると、頭を抱え膝を付くとその場で気を失う。


 ナズールに取り付けたのは宝具【ブラックオーブ】という名の首輪で、その者の抱える負の心を原動力とする邪神竜デモゴルゴの魂に、乗っ取られてしまうという呪いの宝具であった。


 ナズールの体中から黒い瘴気が溢れ身を包み始める。目を開くと眼球全てが赤く染まり人とは思えない形相になり、そして人が変わった様な話し方をする。


「ふははは!人の心の闇は尽きぬな、やはり滅ぼすべき憎き存在よ!」


「ど、どうしたんだナズール……おい!お前ら!このジジイを止めろ!」


「さあ手始めに目障りなこ奴らから血祭に上げるとしよう……」


 豹変したナズールが銀の剣を抜き、キンボスに迫ると異常を感じたキンボスが部下達を呼び寄せる。そして一斉にナズールへと切り掛かって行った。


 その頃、正門の外では降伏勧告からかなり経つが、未だに拠点からの反応が無い事にジルトが違和感を覚える。同じ心配をした執事のガジェインがジルトの側に寄ると声を掛ける。


「ジルト様、拠点の様子が何かおかしいですな……あまりにも静か過ぎます」


「ああ、陛下の話が正しければこちらの話に耳を傾けてくれる筈なのだが」


 ジルトは皇帝ウェイリーから盗賊の拠点の村について、過去に逃亡した帝国騎士によって造られた話を聞いていた。人質を取られやむを得ない状況で、盗賊に加担していたのは明白でそこさえ解決出来れば、こちらの投降の呼び掛けに応じると考えていた。


 2人が盗賊の拠点の違和感について話をしていると突然、拠点の正門が開き始める。するとそこから盗賊達が20人一斉に飛び出して来る。だが盗賊達の様子がおかしかった。


「た、助けてくれー!」


「な、何だ!打って出たのか!」


「ジルト様、盗賊達は武器を持ってません!何かから逃げています!」


「全軍!逃げている盗賊を捕縛しろ!抵抗する者は切り捨てて構わん!」


 ジルトが攻勢に出たのかと勘違いするがガジェインが冷静に観察すると、攻勢に出ていないと分かり速やかに捕縛を命ずる。


 盗賊達がばらばらになって逃げているのを布陣していた【デュークナイト】が捕縛する。全員武器を持っておらず、体中に返り血を浴び必死になって何者からか逃げていた。


 すると開いた正門から遅れる様に盗賊のキンボスが銀の斧を片手に、全身を血塗れにしてフラフラとしながら出て来る。体中至る所にある傷口が紫色に変色した状態で、技能【紫毒】を受けていた。


「に、人間じゃ……ねえ……」


 キンボスが絞り出す様な声で一言言い残すと、その場に倒れ絶命する。


 その後ろから黒い瘴気に包まれたナズールが現れる。その手には血に染まった銀の剣が握られ、表情は薄ら笑いを浮かべていた。


「あ、あの者は……」


「ガジェイン知っているのか!」


「は、はい、歳を取っておりますが面影があります、40年以上前に帝国で知られた剣士、毒剣のナズール【インペリアルファイター】です、邪神竜の眷属との戦いで行方不明になっていたと聞いていましたが、まさか生きていたとは……」


「毒か……不味いな……」


 過去の邪神竜の眷属討伐に参加していた事のあるガジェインが、昔の事を思い出しジルトにナズールの特徴を伝える。毒剣のナズールと呼ばれた老兵が帝国からの逃亡兵だと知ると、毒の対策をしていないジルトが危機感を持つ。


「さあ、次は貴様か!そこの青い髪の男!」


「全軍、盗賊を捕縛したら後ろに下がれ!この者は毒を使う!」


 ナズールが声を張り上げ、ジルトに銀の剣の切先を向けると、ジルトは部下達に毒剣を受けない様に指示を出す。するとガジェインがジルトの前に出て、ナズールに相対しようとする。


「ジルト様、私が行きましょう!」


「ガジェイン、貴方は私の父である先代から仕えてくれている。その知見を我が子セリオスにも伝えて欲しい……ここは私が行こう」


「ジルト様!」


「何、この神器【アースカロン】がついている、やられはしないさ」


 ジルトが神器アースカロンを鞘から抜くと、小型の盾を構えナズールを迎え撃つ。その神器を見たナズールが不敵な笑みを浮かべる。


「貴様、その神器はアースカロン、という事はリガルドの子孫か……積年の恨みも晴らせるとは何という日だろうか!討伐された時の痛みを倍にして返してくれる!!」


 ナズールが言い終えると馬上のジルトに向かって飛び上がり勢い良く切り掛かってくる。ナズールの銀の剣は紫色に輝き、技能【紫毒】が発動していた。


ガギィィィィィィィィィン!!


 上手くジルトが初撃の剣戟を盾で受け止めるが、その力が凄まじく馬ごと後方に弾き飛ばされる。


「ぐ、ぐうっ!こ、これは何という膂力だ!……これは英雄級の力か!」


「さあ覚悟しろ……リガルドの子孫よ……」


黒い瘴気に包まれ体を乗っ取られたナズールがジルトへと迫って行く。


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