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元騎士団のおっさん伝説のピンクビキニアーマーになる ~魅力を添えて~  作者: トリミング中の噛み犬


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第32話 田舎の暗黒の騎士

・コスモ(女)=モウガス(男)


元騎士団の39歳のおっさん冒険者

職業は【ソードアーマー】


 領主騎士団時代に負傷した右膝を治す為に飲んだ森の魔女の秘薬、万能薬の効果により39歳のおっさんモウガス(男)から見た目が20歳前後のコスモ(女)となる

 上皇アインザーによって<インペリアルオブハート>の称号を得るが、それを象徴するハート型の盾と共にビキニアーマーがますます外せなくなる、ある意味呪われた装備と化していた


上皇アインザーのお仕置きを終えてカルラナの町へ戻る途中。




 上皇アインザーのお仕置きが終わり、それに満足したコスモがカルラナへと帰路に着いていた。


 アインザーの隠れ家から街道へ出ると城塞都市アウロポリスから、ロンフォード領の中央都市アプリニアに続く街道に、多くの人々が行き交っていた。


 この人の多さもバンディカ帝国のお膝元でもあり治安が良いのが要因となっていた。旅姿の人から商人の馬車、その護衛をしている冒険者達、巡回をしている帝国兵などが通り過ぎて行く。


 それを横目にコスモが街道をひたすらに走り続ける。


 カルラナまではコスモの足で約一週間程掛かる距離だ。アインザーの隠れ家で旅支度をしていた際に、シャイラから旅に必要な金子と食料の差し入れを貰い、快適な旅を満喫していた。


 長い街道を走り続けていると、あっと言う間に日が落ちる。


 街道の脇には森を切り開いて造られた野営用の広場があり、近くには川が流れている。そこに旅する人が集まり天幕などを設営している。


 季節も春から夏に変わり始め、辺りには温かい風が心地よく吹いていた。


 この様な広場には運が良ければ、商人などが露天を開いてる場合があり、ちょっとした食べ物やお酒が買える事もあった。


 コスモも自分の背負い袋から寝袋を取り出し野営の準備を終えると、運よく営業していた露天から焼きたての木串に刺した鶏肉と、ラガーを購入して焚き火の前で食事を取る。


 食後には日課の素振りの鍛錬で過ごすと、川で汗を流してから寝袋に入り込む。綺麗な星が輝く夜空を眺めなら、ゆっくりと眠りに付いて行く。


 翌日、太陽の光で目を覚ますと、川で顔を洗い、焚き火の片付けをしてから出発する。


 しばらく走り続けると草原に囲まれた大きな街道に十字の分かれ道が見えて来る。道の側には行き先を示す立派な標識が立っている。


 コスモから見て直進が中央都市アプリニア、左側が海上都市ハヌイアム、右側が山岳都市スタンブルト、と標識に文字が彫られていた。


 その近くに馬に乗った騎士が街道を行き交う人々に声を掛けているのだが、皆無視をして通り過ぎて行く。コスモも遠くから走って近付くと、黒い鎧に黒い馬に乗る騎士の姿がはっきりと見えてくる。


 最初は帝国の兵士だと思っていたが、何やら様子がおかしい事に気付く。


「あ、あんのすんましぇーん、カルラナへはどっちに行ったらいいっぺか?」


「……」


 黒い騎士の申し訳なさそうな声を無視して通り過ぎて行く人々。コスモも走りながらその黒い騎士に近寄って行くと、その騎士の姿を見て無視されていた理由が理解できた。


 人の頭蓋骨を模した頭を覆う兜から、覗く様な薄暗い目元は鋭い赤い眼光が輝き、体躯も大きく、重装感溢れる黒い鎧と具足に赤い外套、腰には禍々しい剣を腰に掛け、馬の毛も馬具も黒で統一されていた。


 一言で言うと絶対に関わってはいけない人だ。


 コスモもその黒い騎士を無視して走り抜けて行く。


 すると黒い騎士がコスモの派手な桃色のビキニアーマー姿に気付き、馬を走らせ追いかけてくる。しかもコスモに追い付くと並走して声を掛けてくる。


「あ、あんのーもしかして<インペリアルオブハート>のコスモさんでねえっぺか?」


「いえ……ただのピンクのビキニアーマーです……」


 目を下に伏せ否定しながら走り続けるコスモを、並走しながらしっかりと観察する黒い騎士。曲がってはいるがハート型の盾に気付くとコスモ本人だと確信する。


「そのハート型の盾!やっぱそんだあコスモさんにここで出会えるなんて、いんやー俺も運がいいっぺ!」


「違います!ハート型が好きなただのビキニアーマーですう!」


 必死に苦しい言い訳をして速度を上げるコスモだが、それに平然と黒い騎士が付いて来る。こんな問答をしばらく続けていると、根負けしたコスモが足を止め街道の脇に寄って、大きい石の上に座り込み休憩する。


「はあはあ……くっそ……すっげえ早いなその馬……」


「俺の愛馬"宝船"は大陸一だっぺよ!はははは!」


「ヒヒーン!」


 人間の言葉が解るのか、宝船と呼ばれる馬が人間の様に笑っている。その馬を撫でながら黒い騎士が自己紹介を始める。


「遅れたっけど、山岳都市スタンブルトで冒険者やらして貰ってます黒騎士のセルシルっちゅーもんです」


「山岳都市って言うとスーテイン領か……わざわざそんな遠くから来たのか」


「ええ、今地元でもコスモさんの話題で持ち切りで、是非一目見ようとカルラナを目指してたんだげども……道さ迷っちまって、はははは!」


「あの標識にはっきり書いてあるのにか……」


 セルシルという黒い騎士はコスモに会いにカルラナを目指していた様子だった。その容姿が容姿なだけに、称号目当ての決闘を挑む冒険者かと思いコスモが強く警戒をする。


 コスモを油断させる為とは言え、さすがにあの行き先標識を読めないのは、言い訳としてもかなり苦しい。そんな思いのコスモとは対照的に明るい口調で話をセルシルが続ける。


「いんや実はこの鎧、呪いが掛かってまして、方向音痴になる呪いと、友達が出来ない呪いの2つが掛かってるっぺよ、いんやーそのお陰で俺も馬も強くはなってるんだげども」


「方向音痴はいいとして、友達が出来ないのはどう考えてもその格好が原因だろ……」


 基本的に呪いの武具には1つしか呪いが無いのが原則だ。恐らくセルシルには方向音痴の呪いが掛かっていて、その反動で強力な力を得ていた様だ。黒い馬がコスモの足に付いて来るのにも納得できる。


「そんで同じ呪いの鎧を装備してる、コスモさんに相談しようっと思ったっぺよ」


「……い、いや俺のは呪いと言うか、強いられてるというか」


「まっさか!呪いじゃなきゃ、そんな格好、好き好んで着る女子はいねっぺよ!」


「ああそうだよな!好き好んで着ないよなあ!」


 コスモが顔を赤くして涙目になりながら答える。非常識な格好をしてる者程、常識を持ち合わせているのは一体何故なのだろうか。


 これも<インペリアルオブハート>の称号を持つ者の宿命であろう。ともかくセルシルは称号狙いの冒険者じゃない事が解ると、一先ずコスモが安心する。


 続けてセルシルが自身の呪いについて語り始める。


「呪いを解く方法があるんですけども……それが難儀してるっぺよ」


「へえ、呪いが解ける方法があるんだ」


 基本的に呪いは教会関係者が使用する【デイスペルの杖】でしか解けず、他に方法がある場合は厳しい制約が定められている事が多い。


「そ、その呪いを解く方法が……乙女のキッスだっぺよ……」


「……おい、照れ臭そうにこっちを見るな」


 頭蓋骨を模した兜の頬を赤く染め、何かを期待しながらセルシルがコスモを見つめて解決方法を述べるが、それをコスモが断固拒否をする。本当にふざけた呪いである。


 粗方、話を終えると出発しようとするが、このまま街道にこの怪しい方向音痴の黒い騎士セルシルを放置する訳には行かず、仕方なく同じ目的地であるカルラナへ一緒に向かう事になった。


 セルシルの騎乗する馬はコスモ並に強靭で、朝から日が落ちるまで平然と付いて来る。これにはさすがにコスモも驚いていた。技能【妖馬の脚】と同等の能力であったからだ。


 そうして走り続けると、日が暮れ始めたので街道脇の広場で野営の準備に入る。


 いつもの様に寝袋を用意するのだが、周りに居る旅人や商人達から奇異の目で見られているのに気付く、桃色のビキニアーマーと、不気味な黒い騎士の組み合わせが原因だ。


「今日も一日お疲れだっぺ宝船、フンフンフーン♪」


「ヒヒーン!」


 そんな視線に慣れているのか、セルシルが愛馬の宝船に鼻歌を歌いながら馬用の櫛で毛を梳いている。見掛けによらず呑気な男である。


 野営の準備を終えて夕食と日課の鍛錬、川での水浴びを終えると、夜も深まり辺りが静寂に包まれる。寝るにはまだ早い時間でコスモとセルシルが、焚き火の前でスーテイン領の近況やコスモの武勇伝などの話をしていた。


 その話の中でセルシルが冒険者になった経緯を語り始める。


「俺なあ、元は農家の一人息子で、許嫁も居たんだけども……その許嫁がな冒険者じゃないと嫌だって言うもんだから、一念発起して冒険者になったんだっぺ」


「なんだよ、許嫁が居るのか」


「んだ!別嬪なんだけど気が強くてなあ、仲間さ集めてお宝が眠る山岳都市スタンブルトの近くのムリギュの洞窟さ行って、お宝を見つけ出して認めて貰おうって思ったんだっぺ」


「ムリギュの洞窟か……」


「そんしたらこの鎧を見つけちまってな、ふざけて装備したら外れんくなってその内、仲間も怖がって俺を置いて逃げていったんだっぺよ……結局、許嫁にも気味悪いって言われて婚約破棄されちまったっぺ……」


(その格好で惚れ直す女が居たら凄いよな……)


 セルシルから黒い呪いの鎧の経緯を聞くと、なんとも気が抜ける内容だった。許嫁の為に冒険者になった挙句呪いの黒い鎧が外せなくなり、婚約破棄されるという救いようのない話である。


 しかしコスモはムリギュの洞窟の話の方が気になっていた。呪いの防具があるのなら、呪いを抑える宝具なども有ってもおかしくはない、そう考えたからである。


 それさえあればアインザーの呪いの技能【魅了】が抑えられる筈なのだ。


「んでな!この【死神の鎧】の特性なんだけどもな!」


「うん、それは今度聞くから早く寝るぞ」


「えーこっからが面白いのになあ……」


(こいつこの格好で本当に前向きだな)


 骸骨の兜を被り赤い眼光を輝かせ、良く喋る前向なセルシルに少し呆れているとコスモが寝袋に包まり横になる。それを見たセルシルも布を敷きその上に鎧を着たまま横になると夜が過ぎて行く。


 翌朝、日が昇り始めると、セルシルの起こす声が聞こえて来る。コスモが目を覚まし、目を開けると目の前に赤い眼光の骸骨が居る。


「うっわあああああああああ!」


「コスモさんおはようございます!」


「はあはあ……頼むから起こす時は顔が見えない様にしてくれ……まるで悪夢だぞ」


「ひっどいなあコスモさん、ほんら朝食も出来たっぺ」


 一人旅が長かったのか料理用の前掛けをしたセルシルが手際良く朝食の準備をしていた。だが朝起きると目の前に骸骨の兜だけは勘弁して欲しかった。その姿があまりにも衝撃的で朝から心臓に悪い。


 そんな出来事もあり、2人で朝食を取り終えると野営の広場を後にする。


 この様な感じの日々を過ごしながら、街道を駆け抜けるとロンフォード領の中央都市アプリニアを抜け、地方都市カルラナに続く街道へと入って行く。


 後もう少しでカルラナに着くと考えると足取りも軽くなる。


 中央都市アプリニアから地方都市カルラナまでの街道には開拓を終えた村が点在しており、広大な敷地を持つ麦畑や茶畑が広がっている。


 その街道を走り続けていると、側道から勢い良く馬に乗った若者が飛び出して来る。必死な顔をして馬を走らせていると、コスモ達の存在に気付き馬を停める。


「もしやその御姿、<インペリアルオブハート>のコスモ様では?」


「ああ、俺がコスモだけど、そんなに急いでどうしたんだ」


「盗賊共が村をベル村を襲っています!どうかご助力願えないでしょうか」


「まだ、残党がいやがったのか……」


「コスモさん、折角だっぺ俺も手伝うっぺよ」


「ひっ……」


 馬に乗った若者がコスモに助けを請うと、隣から出て来た黒騎士のセルシルに恐怖する。これが普通の反応だろう。


 若者から襲われているベル村の場所を聞くと、若者は中央都市アプリニアへと馬を走らせて行き、コスモ達は街道を逸れて村に続く側道へと入って行き、速度を上げていく。





 一方、ベル村では竜篭りに逃げ遅れた村人達が家に篭り、盗賊からの襲撃に耐えていた。村に居た衛兵も抵抗を試みるが10数人居る盗賊に圧倒され倒されていた。


「いいか食料と女だ!それだけ盗れれば良い!」


「へい!」


「たく、マデジの頭は捕まっちまうし、食料もねえし、踏んだり蹴ったりだぜ」


 盗賊の赤髪熊のマデジの元配下達が、飢えに耐え切れずベル村を襲っていた。


 ロンフォード領の騒乱後は大多数の仲間が捕まり、集団で大掛かりな襲撃が出来ず、盗賊達にとって生活し難い環境になりつつあった。


 その代わり、少人数で短時間で襲撃をするという場当たり的な事件があらゆる所で多発していた。今回も短時間で盗れるだけ盗るという方針で動いていた。


「お父さん怖いよ……」


「だ、大丈夫だ、今助けに呼びに行ってるからジルト様達がきっと助けて下さる!」


 ある農家の家では父親が必死に扉を抑え心配する娘を元気付けるが、その外からは2人の盗賊が斧を扉に叩き付けていた。


「へへ!久しぶりの若い女だ!楽しんでやるぜ!」


「おらおら!出てこいやー!!」


 竜篭りの扉と違い、簡素な造りの木製の扉が限界を迎え、破壊されようとしていた。盗賊達が本能のままに斧を振り上げ、扉に振り下ろすと突如扉が開く。


「はいーどんもー身の程をわきまえない盗賊さん達」


 骸骨を模した黒い兜に、重装感のある黒い防具に赤い外套、右手には黒い剣が握られた状態で、なぜか農家の家の扉からセルシルが登場する。


「こ、こいつどこから出てきやがった!」


「悪い子はお仕置きだっぺな!」


 盗賊達がセルシルの登場に動揺していると、セルシルが持っていた黒い剣の刀身で、一人は頭を強く打ち付け、もう一人は首根っこに打ち付けると、盗賊がその場に白目を剥いて倒れる。


 気絶した事を確認するとセルシルの姿が突如としてその場から消え去ると、他の盗賊達が襲っている農家の家の扉から先ほどと同じ様に出て来る。


「はいーどんもー身の程をわきまえない盗賊さん達」


「ひっ!こ、こいつどこから湧いてきやがった」


 セルシルが盗賊達の襲っている民家に瞬時に移動していくと扉から現れては、次々と盗賊達を黒い剣で薙ぎ倒し、各民家を回って行く。


 もちろん民家に籠っていた農民達は、盗賊と同様に驚き身動き出来ずにいた。


 コスモが主が乗っていないセルシルの愛馬"宝船"と共にベル村へ到着すると、異様な光景を呆然とした顔で眺めていた。


「馬から消えたと思ったらセルシルの奴、なんで村の家の中から出て来るんだ?」


 コスモの言葉通りセルシルが次々と民家の扉から現れていた。どうみても【速さ】で動いている様には見えない、何かの技能が作用している事は確実だった。


「な、なんだこいつ……家から突然出て来たと思ったら……一撃で仲間を倒すだと!」


 余りにも印象の強いセルシルの登場に盗賊の親玉が、後退りをしながらコスモの隣まで寄ってくる。コスモに気付けない程に有り得ない光景に、盗賊の親玉も驚愕していた。


 その盗賊の親玉の肩をコスモが軽く叩く。


「まあ悪党の最後ってのはこんなもんよ」


「なあああああああ!ロンフォードのピンクの悪魔コスモ!!」


「だ、誰がピンクの悪魔だ!コラ!」


ゴン!ズゴゴゴゴ!!


 盗賊の親玉がコスモに気付き絶望すると、すかさず魔剣ナインロータスの刀身で頭を軽く叩くと必殺の一撃音が鳴り、盗賊の親玉がその場で気絶する。


 ロンフォード領での騒乱以降、大陸中にコスモの名が轟いていたが、称号以外にも盗賊や冒険者の間では【ロンフォードのピンクの悪魔】として呼ばれ恐れられていた。


 残りの盗賊もセルシルの扉から出て来る異様な奇襲に遭い、その場に打ち倒されて行く。


 ベル村を襲っていた10数人の盗賊を全員、ベル村の広場へと集め、手足を縄で縛ると盗賊に倒された衛兵達に応急手当を行い、アプリニアからの援軍を待つことにした。


 その間にセルシルが民家の扉から出て来る事について、コスモが無礼を覚悟で聞いてみる。


「しかし、セルシルが馬から消えたと思ったら家の扉から出て来るのは驚いたな。聞いちゃ不味いとは思うけど、あれは一体どうやったんだ?」


「ああ、あれだっぺか?この【死神の鎧】の特性だっぺ」


「確か……寝る前に言ってたあれか」


 セルシルが技能について気にする事無く答えて行く。


 呪いの装備【死神の鎧】、誰でも装備が出来るが一度装備すると乙女の接吻でしか呪いを解く事が出来ない。副作用として見た目も人間離れするので孤独になる。


 特性は技能【黒家転移(ブラックハウス)】、目に見える小さい家ならば即座に転移が可能。技能【宵闇剣】、相手の【守備】【魔防】を半減させる。能力値は幸運を除いた能力値を馬を含めて全て30引き上げる効果がある。


 ここまで聞くと、魔剣ナインロータスと万能薬よりは効果は下がるが、下位互換と言った驚くべき英雄級の能力を誇る性能だ。


「この鎧のお陰で地元じゃあ山賊絶対ワンパンマンなんて呼ばれちまって恥ずかしかったっぺ」


「何言ってんだ、セルシルのお陰で助かった人が沢山居るんだ、胸を張れって!」


「いんやーそう言ってくれるコスモさんは胸もだけど器もデカい!さすが俺の尊敬する人だっぺ!」


「これって褒められてるんだよな……」


 セルシルと他愛の無い話しをしながら時間を潰していると、遠くから馬を駆ける蹄の音が聞こえ始める。


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