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ワルキューレプレイヤーズ  作者: 魔人戦艦
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第5話


第5話 




~1年C組~



正式加入より1週間、鈴奈が入学して半ば1か月が立とうとしていたころ。


朝のホームルームにて。




「えーっと、28人登校…小野寺さんは今日もお休みですね~。」




担任教師は出席表をつける。


クラス人数は29人。


ただこのクラスは入学式から翌日には28人しか登校していない。



丁度鈴奈の間反対の窓際の一番前の席。




「(具合悪いのかな?)」

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~地下室~



放課後、鈴奈は正式加入となった部隊に毎日足を運んでいる。


1週間前の戦闘からはこれと言ってニヒトの出現報告はない。




「ふーんふーん!あぁ~疲れた~」


「お疲れさま。」



鼻歌を歌いながらステップを踏みつつ部屋に入る。


沙弓が先に来ておりソファーで課題をこなしていた。





「おつかれさま~、え?沙弓ちゃん宿題してるの?」


「えぇ、やれるうちにやっておかないといつニヒトが来るかわからないし。」



「あなたも出されたのなら今のうちにやっておいた方がいいわよ?」




そう言う鈴奈も宿題を出された実ではあった。


ただソファーに寝転びけだるそうにしている。




「さっきまで机に向かっててまたすぐにやるの疲れるし眠くなっちゃうよ~」




沙弓はペンを走らせる手を止め鈴奈の顔を見る。




「いいけれど、戦いを理由に留年なんてここ許されないわよ…指揮官も先生だし成績面はそこそこうるさいわ。」



だらけていたからだが不思議と起き上がり気が付いた時には課題のプリントをテーブルに出していた。




「…せんせーこわい?」


「怖いわよ、怒鳴るとかそう言うのじゃないけれど…成績下がれば下がる分だけ課題を増やすシステムね。」



教科書も合わせて開き鈴奈は授業中よりも真剣に課題を始めた。


それを見てか、沙弓は鈴奈に単純で素直だなという印象を改めて感じ取った。




そしてしばらくして…




「おわったぁぁぁ~」


「お疲れさま。」




2人は課題を終わらせた。


鈴奈はまた再びソファーに体を倒す。



ようやくゆっくりできると思った時、部屋に陽華が入ってきてモニターを操作する。






「くつろいでいるところ申し訳ないけど、今から少し話しておきたいことがある。」




せっかくくつろげると思ったのもつかの間、重い体を起こ鈴奈。




「ニヒトですか?」


「いえ、ニヒトかどうかはわからないけれど…少し厄介なことになって…。」




モニターにあるアイテムが映し出される。


腕につける変身アイテムだろうか、ガチャガチャの機械のレバーと効果の投入口のある独特なフォルムをしている。




「鈴奈には話してなかったけれど、あなたたちが使っている変身装備は国が指定してるプレイヤーの能力研究センターってところが作っているのだけれど。」




「その1つがこれなんだけれど、盗まれたって通報が入った。」




プレイヤーの能力研究センター。


能力に対しての研究や指定された部隊の装備を制作、修理など行う公的施設があると報せられる。



そこで制作された装備が盗まれたというのである。





「ドロボウ!?」


「今現在警察が立ち入って捜査しているんだけれど、何分盗まれた物が洒落にならない…悪いけどいつでも出られるように備えておいて。」




すぐに沙弓は各装備のチェックを行い準備態勢を整える。


鈴奈も指さし確認を行いながら丁寧に装備を制服内部にしまう。





「で、これだけならいいんだけれど…この装備何だけれど。」




そう言いながら鈴奈の方を向く。



「あなたのクラスにこれを使える可能性のある子がいる。」


「えっ!?だれだれ!?」




盗まれた装備の適性者が鈴奈のクラスにいることが分かり誰なのかを問いかける鈴奈だったが。


直後モニターに通信が入り、陽華が応答する。




「加々美です。」


「ど~も、秋ですけれどね?」




園子からだった。


園子は校舎3階から外のある一定個所を指で画角を作りながら見ていた。





「先生が送ってくれたやつ、持ってるやつが今こっちに歩いてきてるんですよ…でそれをもう腕につけてるんですね~」


「2人とも!」




園子のその知らせですぐに2人は地下室を飛び出す。

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   ・

~校舎前~



2人は報告のあった場所に到着。


ジャージ姿でけだるげに立つ男性、2人が来なければ校舎に侵入するつもりだったのだろう。



目が虚ろで焦点があっていない。


そして、強奪した装備を左腕に装着している。




「こちら幸洋学園の校舎になりますので、お引き取りください。」


「…仕事が終わったら、かえる。」





仕事とそう言った。


強奪された装備をもってこの学校に向かってきているあたりただで済むとは毛頭思っていない2人。




「それ!大事なものだから早く返した方がいいよっ!つかまっちゃうよ!」



男は懐から100円玉を取り出し、その機械に装填。


レバーを回すと、すぐに来色のラインの入るサイバースーツを身に着ける。




「やっぱりこうなるか…行くわよ。」


「うんっ。」




2人はそれぞれ装備を操作し変身する。


鈴奈は想像しエネルギーが刺股を形成、大きなけがをさせず拘束できるものとして呼び出した。



沙弓は銃を構えながら鈴奈に耳打ちする。



「今回は出来るだけ確保に回るから、それが無理なら装備の破壊…それでもむりなら…わかるわね?」


「大丈夫…わかってるよ…っ!」




鈴奈が走り相手の体にU字の部位を引っかけ押し込み壁に貼り付ける。


両腕と足に力を籠めその部位のラインが激しく発光、そこから逃れられないように押しこむ。




「むぅうううううううううっ!」


「そのままっ!」




すぐさま沙弓が男に駆け寄り左腕を掴む。


腕からはがそうとするが装備はしっかりと装着されている。




「簡単にはがれないんだよ。」



男は右腕で拘束に来た沙弓を掴み片手だけで投げ飛ばす。




「沙弓ちゃん!」




同時に押さえつけられていた刺股も全身の力を振り絞ることで押し返される。


持っている刺股を弾かれ不意をつかれた鈴奈を蹴り飛ばす。



「うぅっ!」



スーツといえど以前までの軽減はない。


相手も同じようなスーツを着ているためか肉体にかかるダメージがかなり大きい。




「くそっ!」



吹き飛ばされた沙弓が体勢を立て直し銃を向け発砲。


男はすかさず100円玉を装填しレバーを回す。




放たれたレーザーが男の目の前で弾かれる。



「っ?」


「どうこれ?すごくない?大体なんでもできるよ、今はたまたま当たってバリアが出たんだね。」




自慢げに腕に装着する装備を指さす男。


再び銃撃をするも放たれたレーザーがすべて弾かれる。




「…指揮官っ、あれどういうことです?」


「施設から送られてきた詳細データを読み込んでみたわ…」





「あれ、100円入れれば国が把握している範囲の能力がランダムで発生するみたいね…」




いわばその場限りの能力ガチャ装置と言ったところだろうか。


その詳細を説明したのち、打開策を模索する陽華。


ただ…




「どうにか能力を使わせないようにして機械そのものを破壊するしかないですね…」



相手は自分たちと同じ装置を使っている。


身の安全を何より優先しているためスーツはかなりの被害を直撃させない限り破壊はかなわない頑丈設計。



そうともなれば本体の機械を破壊することでしか変身解除はかなわないだろう。




「桐崎さんっ!殺傷力の高い装備を出して!あいつはそう簡単には死なない、むしろそれくらいしないと抑えられない!」


「っぅぅ…わかった!!」



鈴奈は起き上がり、刺股から日本刀へと切り替える。


思い切り振りかぶる。



男はその刃を手の平で受け止め握りしめ動きを封じる。



「っ!放してよぉぉお!」



そのまま鈴奈を引き寄せ片腕を首にかけ拘束。


沙弓の目前、射線に重なるように体を向ける。





「放してぇぇええっ!!」


「その子を放しなさいっ!」




銃を向けるが、鈴奈が前にいる手前引金は引けない。


もし万が一にも彼女にレーザーが当たるようなことがあってはならない。




「まぁ、お前らは殺さないよ…お仕事って言ってもこいつに合うやつ始末しに来ただけだから…」




男はそう言い再び100円を入れレバーを回す。


そうするとその場から一瞬で姿を消す。



拘束から解かれた鈴奈は地面に膝をつく。




「はぁ…はぁ…はぁ…」


「っ、大丈夫?」




沙弓はすぐさま鈴奈に駆け寄る。



「大丈夫大丈夫っ、さっきの人どこに…」


「…っ!?桐崎さんすぐに校内に戻るわよっ!」




沙弓は鈴奈の手を引き立ち上がらせ校舎へと走る。


こいつに合うやつといい、装備を指さす…



学校にめがけてきたのならば能力を使い校舎に向かったはず…




「指揮官!やつは!?」


「校内カメラを全部あさってるけど見つからない…周辺マップにもいないっ!」



「っ、桐崎さん下からお願い!」

   ・

   ・

   ・

   ・  

   ・

~生徒指導室前~




「無理のないようにね。」




「はい、ありがとうございました…。」





そのころ2階の生徒指導室で1年C組担任教師とある女子生徒の面談が終了。


2人は部屋から出て教師は職員室へと足早に去り、残った彼女は大きくため息をつく。



そして下足箱へと足を向けた。



「はぁ~い、こんにちは~。」


「っ…え?」



その生徒の前に、スーツの男が現れる。


自身の左手につける装備を指さしながら言った。




「悪いねぇ、何にもわからないだろうけどあんたプレイヤーだしこいつに合うわけで。」


「殺すね?」



「ダメぇぇぇええええええっ!!」



全速力で向かって来た鈴奈が男の背後から体を掴み後方へと投げ飛ばす。


男はそのかいの壁際まで吹き飛ばされる。





「へっ、えあ…へっ?」



鈴奈はその生徒の前に立ち男から守る。




「えっと…小野寺、ことりちゃんだよね?同じクラスの鈴奈!」


「え?はい…あのアイドルの…」




彼女は鈴奈のクラスで、入学翌日から登校していなかった小野寺ことり。


先生が名前を呼びあげていたためその存在を常に気にかけていためすぐに彼女だとわかる。


そんな彼女も入学初日の挨拶のインパクトからか鈴奈のことは記憶していた。



「せんせーいたよ!」


「えぇ、けどこの場はまずい…どうにか彼女を逃がしたいけれど地下に連れて行くところを万が一に出も見られると…」




安全な場所として地下室が考えられるものの、その場所を突き止められてしまえばその男によって施設の壊滅も考えられる。


うかつに連れ込むわけにもいかなくなった。




「じゃあどうしよ…」


「では、私が何とかしましょ~。」




男を能力で監視していた園子がその場に現れる。


その提案に鈴奈は迷うことなく賛同する。




「ことりちゃん、今日少し疲れるけど…きっと大丈夫だから!園子ちゃんと一緒にここから離れて!」


「は、はい…わかりましぃた。」



園子はことりの手を引きこの場から足早に立ち去る。



「おいおい余計なこと…」




壁際まで吹き飛ばされていた男が鈴奈のもとへと歩み寄る。


直後、3階から駆け下りてきた沙弓も合流し2人で男を包囲する。





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