第3話
第3話
「沙弓!」
沙弓が鈴奈めがけ引き金を引こうとしたとき。
物陰からシャッター音とフラッシュが発生。
「っ…あ、え?」
「…園子、任務の邪魔はしないでって言ってるわよね?」
沙弓の言葉に、今の時代となっては珍しいカメラを首からかける同じ制服の女子生徒が現れる。
沙弓は彼女を園子と呼ぶ。
「いやぁ~ね?新人いじめをする会社は基本的に悪といいますか~、まぁ暴力はよくないので~…スクープとして残しておこうかと。」
彼女はカメラのモニター外面を見せる。
沙弓が鈴奈に銃を向けている様子がしっかりと映し出されている。
「あー、ごめんなさいねうちのところの沙弓さんが~」
「えっいや大丈夫だようん。」
ぬるっと鈴奈の背後に回り肩をもみながら語り掛ける。
立て続けに起こる状況にそろそろ頭が追いつかなくなっていく鈴奈。
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~地下基地~
先ほど公園にいた3人が基地に戻る。
ソファーに沙弓と園子 向かい側に鈴奈が座る。
「今警察もろもろが現場に到着して、あとは片付けてくれるから安心して…さてと…。」
「鈴奈、まず彼女が皐月沙弓 2年生 前に少しだけ話したもう1人のメンバー…そしてごめんなさい。」
皐月沙弓
基地に正式に所属している1人で2年生で鈴奈の先輩に当たる。
彼女の哨戒と同時に、陽華が彼女の行いを謝罪する。
「大丈夫大丈夫、さっきのニヒトも何とかなったみたいだから。」
その言葉を聞き、ただでさえ良くない沙弓の期限がさらに悪化する。
「あっ、えっと…」
「大丈夫大丈夫~、彼女少しカルシウムとビフィズス菌足りてないだけだから~。」
そしてその隣、いたって平然な顔のまま冗談を交え和ませようとする。
「びふ…え?」
「まぁまぁ、私 秋 園子と申しまして隣の沙弓と同級生同じクラス ひいてはそちらにいらっしゃる加々美先生が副担任を務めるクラス所属でございますぅ~。」
秋 園子
深々と礼をしながら自身含めたまわりの詳細を鈴奈に話す。
沙弓とは同じクラスメイト。
「彼女はメンバーではないのだけれど、あくまでも外部協力として基地に来てもらってるわ…沙弓がメンバーで入学のころから親しかったし隠し通せるわけもないと思って。」
「彼女の能力のおかげで助けられることが多いの。」
沙弓をはじめ鎮圧行動を補助する役割を外部関係者という立場から担っている。
高校入学前から沙弓との交友関係があったとのことだ。
園子が鈴奈に向けて指で画角を作り、そうしたのちに鈴奈の手を握り先ほどとは違うポーズをさせ 今度はカメラで撮る。
「私の能力はこうやって被写体を見て、カメラを構えて取る~…時間がたっても情景さえ覚えていればカメラにしっかり残るのでジャーナリズム力強めなんですよねぇ~。」
カメラに映し出されるのはポーズを取る前の鈴奈。
「へぇ~、すごぉ~い!」
能力をいかんなく発揮し少々鼻が高いようである園子。
しびれを切らした沙弓が口を開く。
「そんなことを話にここに来たわけでもないでしょう、改めて言いますが指揮官の判断に納得できません…彼女をチームに入れるべきではありません」
「えっ…」
彼女は一貫して鈴奈のチーム入りを否定していたようである。
「でも沙弓、あなた一人で管轄範囲の戦闘を行うのは現実的ではないわ…戦い続ければそれだけ疲労がたたるしそれで命を落とす可能性だってある。」
「彼女の甘えた考えのもとで戦闘を続ければそれこそ被害を広げかねません、敵であろうと助けるなど…」
鈴奈がすかさず口を割る。
「あの人たちだって怒りたくなんてないはずだよ、だって…元々能力があるか無いかだけでいいか悪いかを決めて…」
「この国の法律に疑問があるならよっぽどね、向いていない。」
沙弓が立ち上がり身支度を済ませる。
「沙弓っ、話は終わってない。」
「これ以上の議論は無駄です、変わらず私は単独で任務を行います。」
「お疲れさまでした。」
足早に基地を後にする。
「…ダメなのかな、鈴奈の考えって…」
ぽつりとこぼす。
「わかりあえないのかなって…傷つけたりしないで、言葉で伝えれば…」
うつむき声のトーンも下がっていく。
向かいに座っていた園子が鈴奈の隣に座り方をさすり始める。
「あの子は入った時から殲滅することでしか解決してないから、鈴奈さんみたいなタイプははじめてで少し考えが追いついていないのかもしれませんね~」
「確かに、珍しい考え方だな~と私も思いますけども 根本はきっと間違いないと思いますけどね?」
鈴奈の考えを否定することなく、ただ今までにいない珍しい考え方としつつも…
その考えに共感をする園子。
「私も、考えそのものは否定しない…さっきの捕獲も初めてであっても成功した。」
「けれど、あとあとになって被害が生まれないという確証はない…初めての事案だったから…まだ正しいと確証はつけられはしないけど考えには私も賛同する。」
陽華も鈴奈の考えには賛同する。
それでもチームの指揮官としてまだ今回の判断がいいものなのかの結論はつけられないものとした。
そう話しながら、陽華は鈴奈に1冊の本を差し出す。
「あとはお互いの意見をお互いが満足できるまですり合わせるってところかしら…これ参考にしてみなさい、保護という観点で役立つ物もあるかもしれないわ。」
鈴奈はその本を受け取る。
その本は鈴奈の想像 知識をより広げられる期待値がある。
様々な武器の図巻であった。




