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ワルキューレプレイヤーズ  作者: 魔人戦艦
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第10話


第10話



~地下室~



「少なくとも登録薬剤の項目にこれは入っていないわ。」



ことりの拾った錠剤を簡易キットで検査し、提供されている薬剤リストを参照しながらチェック。


しかしそのなかに拾った錠剤の成分が一致するものがない。


だからと言って麻薬に登録されている物との一致もない。



錠剤1つ1つに完全に見分けがつくわけではない。


それでも、今まで接敵してきたニヒトが飲み込んだものに似ている。 




「確証はないけど、リストに一致するものがないし視覚情報上に人たちが飲み込んだものと似ているから1つの証拠品としてあの場所付近を厳重に調査する必要が出てきたわ。」



「園子、ことり 引き続き監視カメラ改ざん 行方不明者の情報集と合わせてお願いするわ。」


「あいぃ~。」


「わかりました。」




すぐに2人は地下室を出て再び駅周辺に向かう。



「鈴奈たちは?」


「2人はまだ待機よ、あなたたちは相手が姿を現してからが仕事だから。」



「2人が頑張ってる時に、鈴奈何にもできないのかな…」




鈴奈は少し歯がゆい気持ちだった、ニヒトが現れるまでは何もできない。


2人とともに調査をした時に、遠い場所でニヒトが現れれば急行が遅れ被害を広げる可能性もある。



それゆえに今は何もできない。




「気持ちはわかるけど、適材適所…私たちは私たちにしかできないことをする、今はそれだけよ。」




沙弓も鈴奈の気持ちが分かるところがあるのだろう。


うずうずする鈴奈の気持ちに同意しつつも制止を促す。



会話の沙菜華基地内部の通信機が鳴る。




「学校外部の信号機がバグって事故が起きてる!」



「沙弓!鈴奈!すぐに救難活動支援に!」




園子からの通報ですぐに2人は地下室を出て現場に向かう。

   ・

   ・

   ・

   ・

   ・

~交差点~




「えぇ!?なにこれっ!?」



2人が現場に駆け付けると、交差点の信号が乱雑に点灯と消灯を繰り返している。


突如そんなことが起こった為か中心では車3台を含む衝突事故。



さらに渋滞も起こっている。




現場ではすでに園子とことりがけが人を解放している。



「園子っ、指揮官が救急に通報を入れてるからすぐだと思う。」


「了解了解っ、じゃあ後はこっちで交通整理っ。」




沙弓と鈴奈で後方につまる車たちの誘導を開始しようとしていた。




「っ、あのっ!」



ことりが何かを見つけ多様でその方向を指さす。


その先に、他校の制服を着た男子生徒。



爪を噛みながら4人の様子をうかがい、ことりの察知に気が付きゆっくりと4人のもとに歩み寄る。




「ここは危険です!すぐにさがっ」




沙弓が避難させようとしたとき、懐に手を入れ錠剤を取り出す。


4人にわかるように、見せびらかすようにそれを飲み込む。




「っ…桐崎さんっ。」


「うんっ。」



2人がアイテムを取り出し即座に変身。


男子生徒もその姿が変化、服を突き破る筋肉質の肉体。



頭部は鋭利な角が生え、体色が変化…


2足歩行の闘牛のような見た目に変化した。




そして、すぐに2人めがけ突進する。


鈴奈は武装を縦に変化させその動きを封じにかかる。




「待って桐崎さん!」



沙弓が制止するには遅く、鈴奈はその突進を縦では受け止めきれず吹き飛ばされ停止している車の屋根に落下し車の屋根をへこませる。




「うっぅ、いたぃ…」


「っ!」




沙弓は吹き飛ばされた鈴奈を含めそこに停滞する人たちからニヒトの注意を引く。


素早く動きニヒトの背後に回りながらレーザーで射撃を行う。




しかし、そのレーザーはニヒトの体を貫かずに位に触れただけで消滅する。




「えっ?」




普段命中さえすれば致命傷を与えられるはずのレーザーがみじんも聞かない。


沙弓もそれに動揺する。




ニヒトが振り返り沙弓めがけ走る。




何とか体をひねらせ回避するも、体勢が崩れ転倒。


すぐに立ち上がるが、ニヒトも切り返し沙弓めがけは走る。



その速度は一瞬にして60~70キロほど。


背後にはまだ非難を終えていない事故現場がある。




「(まずいっ)」



「うややぁぁぁっ!!」




そんな沙弓の背後から鈴奈が盾を構え走る。


両腕と両足に力をこめどうにかニヒトを受け止めようとする。



お互いがぶつかりニヒトはわずかにその場でよろけしりもちをつく。


ただ鈴奈は再び吹き飛ばされアスファルトに転倒する。




「桐崎さんっ!真正面からいくら力を込めてもっ!」


「でも、こうしないとケガしてる人たちと…園子ちゃんとことりちゃんが大けがしちゃうからっ!」




鈴奈はすぐに立ち上がり沙弓の隣に立つ。


その体が少しふらふらしている。




「私のレーザーが効かない、推測でしかないけど桐崎さんの拘束行為であいつを捕まえられる気がしない…」



「それ以前に、あれだけ暴れまわるあのニヒトを殲滅どころか少しでも抑えることが難しいわ…」


「っ…じゃあ…どうしよう…。」



自らの攻撃が効かず、ニヒトの攻撃をいなすことがやっとの状態。


後ろ位には守るものがある。



下手な動きができない。




「っ…あっ。」


「どうかした?」




鈴奈が何かを発見し、ニヒトの方向へと走りだす。



「桐崎さんっ!?」



鈴奈の視線の先にはニヒト。


そのニヒトの足元に、どこからともなく現れた野良猫。



野良猫がなき、ニヒトがその法に視線を向けた。





「待ってっ!!」



今にもこぶしを振ろうとするニヒト。


鈴奈は走りながら飛び込み猫を体で抱きかかえその場から回避行動をとる。



その援護として沙弓が近くから腕めがけ射撃。



腕の方向がレーザーでわずかにそれながら地面に着弾。




直撃は避けられたものの近くにいた鈴奈は発生した風圧で近くの建物に吹き飛ばされ背中から叩きつけられる。




「桐崎さんっ!!」



拳を上げるニヒト。


沙弓の方に振り返り、その沙弓も再び銃を向ける。



だが、ニヒトは沙弓から視線をはずしその場から別の方角に走りだす。




「っ!」



沙弓が追いかけようとするが、すぐに通信が入る。





「沙弓っ、追いつけないわっ…別の支部に任せて救援活動をっ。」


「っ…了解っ。」




その場で変身を解除し、鈴奈のもとに走る。




「桐崎さん!」



建物に吹き飛ばされていた鈴奈も変身を解除しており、震える子猫を抱きかかえ安心させようと優しくなでていた。



「…桐崎さんっ。」


「沙弓ちゃんっえへへ、大丈夫大丈夫…。」



そう言う彼女の額からは血が流れ負傷していた。




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