4 ようやく判明、私はIgA腎症だった!①
すったもんだしつつも貧血の方は、どうも(生理時の異常な多量出血が原因らしい)単純な鉄不足ということが判明し、とりあえず一件落着しました。
でも相変わらず、血圧は高止まり。
ふらつきの方は、鉄剤を飲み始めて多少は改善されてきた様子ですけど……何と言いますか。
体調はやっぱり、スカッとしないのですよ~。
実はその後、血圧が下がらないからと薬がもう一種類増やされましたが。
数値は大して変わりません。
意味あるのかこの薬。
それとも、降圧剤って効かないのがお約束なの?
(……じゃあ飲む意味は? 飲まないともっと悪化するぞ!と言われれば、こちらとすればひとこともないのですが)
……うーん。
なんかさ。
ここの病院のお医者、ちょっと病へのアプローチがいい加減じゃない?
私の中にそんな不信が芽生え始めてきました。
だって、
血圧が下がらない。 → だったら薬増やしとけ。
貧血 → ヘモグロビン(鉄)が少ないんだから鉄剤投入。
という感じの、場当たり的と言いますか対症療法的といいますか。
それに終始している印象を持ちましたので。
……まあその。
それが、慢性疾患の治療のセオリーなんでしょうけど。
根本の原因がわからないまま(何故血圧が高いか何故常にタンパク尿が出ているかの理由は、相変わらず不明のまま)、治療が対症療法オンリーといいますか。
不調のそもそもの理由がはっきりしないって患者としてはキモチワルイのに、その辺のことは知らん顔(としか感じませんでした)。
お医者さん的には『高血圧の治療 → 降圧剤の処方。あとは自分で食事療法と軽い運動』『貧血 → 鉄が足りないんだから鉄剤処方』で十分、と思っているのでしょうが。
何故タンパク尿・何故高血圧になってるのかの原因(そんなの説明するまでもなく、加齢&生活習慣のせいでしょ、という態度で、それ以外の可能性を探る気はなさそうでした。貧血に関しては紹介状を書いてくれたのですが)は探られないまま。
かかりつけ病院の内科医に対し、モヤモヤと不信感が募ってきた頃のこと。
たまたまその日、いつも診てくれている先生とは別の、アラフォーくらいの女医さんが診てくれることになりました。
そこでようやく、膠着していた私の運命(大袈裟?)が変わりました。
初めて診察するのでと、その先生はかなり丁寧に問診をしてくれました。
促されるまま今までの経緯と不調について(こちらも今までの対応に、少々腹が立っていましたので)、チロチロ不満や不安を含めつつ詳しく話しました。
一通りの聞き取りの後、彼女は
「スミマセンがもう一度、血液検査をさせてもらいます。今までの検査で調べていなかった項目の数値が気になりますので」
と言いました。
「……はあ」
正直、また血を取られるのかとうんざりしましたが、風向きが変わってきた感触に、私はかすかな希望を感じました。
検査結果の出る頃に来てくれと言われましたので3~4日後、再び病院へ。
「ほにゃららジンショーの疑いがあります」
検査結果を見ながら、アラフォー女医先生は言いました。
はいぃ? 『ほにゃららジンショー』?
……って何?
『ジンショー』ジン、ショー?……腎、症?
……え?
もしかして私ってば、腎臓に問題あり、なの?
先生の言葉をうまく脳内で変換できず、私は診察室のスツールの上で軽くパニくりました。
「もちろん、まだ確実ではありませんが。ただ今回の血液検査の結果、『クレアチニン』という項目の数値……」
言いながら先生は、『クレアチニン』の欄に手元のボールペンで印を入れました。
「0.90(㎎/dl)。ここの女性の基準値が0.47~0.79、ですから、結構高い状態ですね。ほにゃららジンショーの疑いが濃いです」
「なな、なに、ジンショー、ですって?」
軽くパニくりながら私が問い直すと、女医先生は、ああ、という感じに軽くほほ笑み、ゆっくり丁寧に、こう言いました。
「アイ・ジー・エー、腎症、の可能性が高いです」