3 始まる、不気味な不調①
息子が乳飲み子からある程度意思の疎通が可能な幼児になった頃。
じわりじわりと、原因不明の体調不良がやってきました。
最初の違和感は、眩暈とふらつき。
IgA腎症と直接関係があったのかどうかは不明ですが、この頃、よくふらついていて、寝込むまではいきませんが横になって休んでいることが増えました。
高齢出産後の怒涛の育児(ほぼワンオペ)が一段落し、疲れが出たのかな~? 程度に思っていました。
しかし、それにしては不調がしつこい。
悪化はしないが、良くはならない。
仕方なく近くの病院へ行き、簡単な検査をしてもらうことにしました。
検査や問診の前に血圧を測るように言われ、私は何も考えずに血圧計の前へ。
なんだか、腕に巻き付くカフがやけにぎゅうぎゅうきつく締め付けてくるなあ、痛いじゃねえかと思って顔をしかめながらも大人しく測定されました、が。
測定が終わって表示された数値を、思わず二度見してしまいました。
最高血圧 185
最低血圧 120 (←うろ覚えですがこんな感じ)
……は?
ナニコレ?
この最低血圧、最高血圧の間違いでは?
妊娠後期の『妊娠高血圧症候群』と呼ばれていた頃でも、上が180超えなんてことはなかったぞ~。
下の血圧もせいぜい100前後だったぞ~。
我が生涯・最高血圧(現在のところ)を叩き出してしまいました!
蛇足ですが、血圧の標準値、書いておきますね。
正常血圧と呼ばれるのは、家庭で測った場合(家庭血圧)115/75であり、病院で測った場合(診察室血圧)120/80、とされています。
高血圧とされる基準は、家庭血圧が135/85、診察室血圧が140/90。
確かに(色々と健康上の問題が起き始める)アラフォーとはいえ、この時の私の血圧がいかに異常だったか、おわかりいただけると思います。
「この血圧だと、ふらついてもおかしくありません」
血液検査は検査機関に出す、規模の小さい地元の総合病院の内科の先生は、クールにそうおっしゃいました。
「降圧剤を出すので様子を見て下さい。それから、これから毎日起床後と就寝前に血圧を測って下さい」
製薬会社がオマケ?で病院に提供しているらしい、毎日の血圧を記録する為の『血圧手帳』なるものをもらい、処方された降圧剤(アムロジピン。最も一般的に処方されているであろう、ポピュラーな降圧剤)を手に、帰宅。
幸か不幸か妊娠中、『血圧管理せよ』と命じられ、上腕にカフを巻き付けるタイプの血圧計は購入しています。
しまい込んでいたそれを押し入れから引っ張り出し、新しい電池を入れます。
見慣れぬ機械の登場にワクワクしている息子(この子は生まれつき、電化製品の類いが大好き)を尻目に、再度計測。
上腕をぎゅうぎゅう締め付けながら測定された数値は、病院で測ったものとさほど変わりませんでした。
これは私だけの特性なのかもしれませんが、血圧が高い時、血圧計のカフはやたらとぎゅうぎゅう腕を締め付けてきます。
鬱血しそうなくらいきついです。
実際、カフをまいた方の手の指先は紫色に変色しますから。
数値を見る前に、あまりにもカフがきつい時は血圧が高いんだな~と予測がつきます……けど。
何の役にも立たないですよね~。
単に痛いだけ。嫌になります。← ただのボヤキ
(……私、高血圧なのか~。ヤだな~)
ため息をつきつつそう思いました。
しかし……『高血圧』など、すべての始まりに過ぎなかったのです。