7 扁桃腺摘出①
さあ、治療はいよいよ佳境を迎えております。
『扁桃腺摘出手術』の時間がやって参りました。← ?
という訳で?、IgA腎症治療の最後の砦的位置づけ『扁桃腺摘出』――つまり、扁桃腺をぶった切ることになりました。
今回はこれまでのように、3~4日程度の入院では済みません。
最低10日は入院することになるだろうと聞かされ、ビビる私(と夫)。
ええええ~?
喉の奥のちっさい器官を、ちょちょっとちょん切るだけなのに(という認識でした)、10日も入院するの~?
やめてよ~、ウチには手のかかる小さい子供が……(以下略)。
不満が顔に出ているであろう私(と夫)へ、腎臓内科の医師は諄々と諭します。
曰く
① 扁桃腺は頸部の大きい動脈の近くにあるので、手術は全身麻酔をして行う。
② 同じ理由で、摘出後に縫うことは出来ない。(動脈に傷を付ける可能性があるから)
③ 同じ理由で、摘出後のかさぶたが大きくはがれると(可能性は低いものの)最悪の場合大量出血する。入院していれば早急に対応ができるが、自宅でそういう事態に陥ると命に関わることになる。
つまり、扁桃腺をちょん切ると頸動脈さま?を傷付ける可能性が低いとはいえある為、ある程度以上は摘出後の傷が癒え、医師が『大丈夫』と確認できるまで入院する必要がある、のだそう。
ヒーン!(泣)
まったくもう、検査にせよ治療にせよ、大量出血の可能性ばかり指摘される病だな、おい!
しかし否やはありません。
放っておいたら腎不全まっしぐら。
ここは腹をくくり、満を持して?扁桃腺をちょん切らなくてはなりますまい。
覚えてろよ扁桃腺! 完膚なきまでに殲滅してやる! ← いつの間にか仮想敵
扁桃腺殲滅作戦?を遂行するため、患者サイドと医療者サイドが計画を詰めてゆきます。
まずは手術の時期。
子供の世話があるので、夫(お父さん)が後顧の憂いなく仕事を休める、お盆の期間を中心に設定します。
手術の後の近い時期、より効果を上げる為に再びステロイドパルスを行うそうですが、それは九月以降の平日で。
(鬼スケジュール再び…)
また、『扁桃腺摘出手術』は耳鼻咽喉科の先生が行います。
腎臓内科だけではなく耳鼻咽喉科での診察も、少ない回数ですが手術までに行われることになりました。
腎臓内科からカルテが回り、耳鼻咽喉科の診察室へ。
「高い熱が出た時、扁桃腺が腫れましたか?」
耳鼻咽喉科の先生に何度か聞かれました。
私の答えは『否』。
いやあ、そもそも『ヘントーセンが腫れてます』って、今までの人生で医師に指摘されたこと、ないんですよねえ、私。
昔から私は、あまり熱が出ないタイプといいますか、くしゃみや鼻水はよく出ましたが(花粉やハウスダストのアレルギーを持っていますし)、風邪やらなんやらで高熱が出ることは少なかったのです。
むしろ、扁桃腺が腫れるとか、そんなデリケート?な人間じゃないよね~私って、が、自覚としてありましたし。
耳鼻咽喉科の先生は首を傾げるような感じで
『なら、どーして扁桃腺からIgAが出るんだ? まあ、腎臓内科の先生が切れって言ってんだから切るけどさあ』
という雰囲気で、診察を終えました。
なんか……耳鼻咽喉科の先生は納得していなさそうなきらいはありますが、扁桃腺の摘出手術そのものは、滞りなく実行されることになりました。
病院側に入院・手術の予約を入れ、その時を迎えるまで待機することになりました。