1 そもそも『IgA腎症』って何ぞや?
そもそも『IgA腎症』とは何ぞや?
私も自分がなるまで、この病気の存在を知りませんでした。
ナマイキ?にも『指定難病 333』人衆のうち、№『66』であるとか。
どこかしら『四天王最弱』臭が無きにしも非ずですが、登録ナンバーもゾロ目でナカナカ格好いい。 ← そうか?
いやいや閑話休題。
病気の解説を続けましょう。
お医者から聞いた話やグーグル先生の解説を、乱暴にバクっとまとめると
『腎臓の糸球体に、免疫グロブリンのIgAという蛋白が沈着する病気』
……なのだそうです。
やっぱりわからんゾ。
ジンゾーのシキュータイ?
めんえきぐろぶりんのあいじーえー?
……はあ? ナニソレ? 具体的に、ドコがドウ悪いの?
お医者から一番はじめに話を聞いたとき、私の頭の中はカタカナとひらがなが乱舞する、アホの子状態でありました。
……ええと。つまり。
腎臓という臓器の役割というのは、各細胞から老廃物とかを受け取った汚れた血を、濾して綺麗にする、が基本のお仕事ですよね。 ← 乱暴な定義
でもその『血を濾すフィルター』に『免疫グロブリンのIgA』とやらがくっついて、フィルターに目詰まりが起こる……という病気、らしい。
目詰まりが起これば血をうまく濾過出来ないので、身体に色々と不具合が発生する……と。
ちなみに、その目詰まりフィルターは一度詰まると詰まったままで、掃除(除去)は不可能だそう。
まあ、そりゃそうでしょうネ。
エアコンのフィルターよろしく、身体から腎臓を取り出して、流水かけながらごしごし洗うことも出来ませんし(笑)。
……という小学生並みの理解が出来るまで、実はしばらくかかりました。
「あなたの場合、すでに結構、病状が進んでいます」
『腎生検』という、腎臓の組織の一部を身体から取り出し、顕微鏡で調べる検査(生きている人間の腎臓の組織を取り出す、という、冷静に考えるとナカナカえぐい検査を受けました。後で詳しく書きたいと思います)の結果を聞きに行った日、色白細面・怜悧な眼鏡を光らせた優男風ドクターに、冷徹に告げられました。
「……はあ」
まったくピンとこないまま、曖昧に返事をする私。
確かにその1~2年前から、健康状態がすっきりしませんでした。
やたら疲れやすくなったり、朝起きようとした時に眩暈を起こして立てなかったり、血圧が異常に高くなっているのが発覚したり。
そもそもこうして大きな病院(市の総合医療センター)へ来るきっかけになったのも、複数の体調不良が同時に起こり、近くの病院で検査してもらったのが始まりでした。
様々な検査の結果、どうやら腎臓に問題ありと判断され、こうして紹介状片手に総合医療センターの腎臓内科へ流れてきて……『腎生検』。
この時点でも私は、体調不良の主な原因が腎臓にあるなんてまったく自覚出来ませんでした。
両親をはじめどちらの親戚にも、腎臓を患った人がいたという話を聞いた記憶もありません。
腎臓病って、遺伝的な要素が強いのでは?
そんな内容をもぞもぞとドクターに言ってみると
「あ、遺伝、カンケーないです」
と、切って捨てるように告げられました。
……さよか。
つまり、たまたま運悪く私は、この病に罹患したということでしょうか?
私のボヤキまじりの質問に、ドクターはただ、淡い苦笑でもって答えとしました。
どうやら、そういうことのようです。