終わりが世界で一番美しい
今日を終えると世界が終わる。
きっと、後悔を抱いている人は多数だろう。
世界が終わるとき、人間はどういう終わり方をするのか。
そればかり、考えていた。
日常のまま、特に変えることなく過ごした。
掃除をして、買い物をして、テレビを見て笑って。
日記を書いて、勉強をして、明日の準備をして。
普通に時は過ぎていった。
それで良かった。
それが良かった。
それじゃなきゃ、駄目だった。
それじゃないと、ソワソワが襲ってきそうだったから。
「今日、学校どうだった?楽しかった?」
「うん。体育の50m走で一番だったんだ」
「良かったね」
「パパは、ママのお弁当が美味しくて、笑顔になったかな」
「良かった」
いま感じている、何とも言えないやさしい気持ちが、世界で一番美しいように感じた。




