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夢から貰った異能力で世界最強  作者: めいめい
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トニタ村へ

  「寄りにもよってこいつが助っ人だと?冗談じゃねぇ。それぐらいなら俺一人でやってやる。」


  まったく納得がいっていないゼブライン。先程の戦い以前にライレンの事を毛嫌いしていたほどだから当然の反応。


  「さっきも言っただろう。今はこっちの戦力を送ることはできない。そしてライレンはかなりの実力者だ。お前も相当やるが1人じゃ村が滅ぶのは確定だぞ?それでも強がりを続ける気か?少し頭を冷やせ馬鹿者」


  「……くそが!!!てめぇ足引っ張ったら承知しねぇぞ。覚えとけ!」


  あっさり折れてしまった。予想外の展開だがそれ程村のことを大切にしているのだろう。ライレン自身も納得はしていなかったがこの事件を解決しない限り母親救出はまた先延ばしになってしまうためライレンはこの話を承諾した。


  トニタ村は湖月北区のはずれの方にあり人口は200人程度のかなり小さな村だという。そこまで空中移動で移動する魔力が持つのかどうか。


  「よし。決まったな。交渉成立って奴か!んじゃ2人ともそちらの任務任せたぞ。無事終わり次第また戻ってくるがいい。次はすぐ入れるよう私が仕向けておく。」

 そう言ったアバロンはさっき使っていた剣を出し2人の方へ向ける。そうすると嘘のように魔力が戻ってきた。そして軽く笑みを浮かべこの場を去っていった。


  (あ、結局魔力が無くなった理由を聞き損ねた…)


  ライレンがずっと気になっていた魔力を吸われた真相は結局分からずじまい。次にここへ来た時に彼女がいるか分からない。何だかんだいい人だったしもし会うことがあったらちゃんと挨拶しなおそう。

 ライレンはそう決めた。


  「トニタ村は北地区のさらに奥だ。説明はこれだけでいいな。俺は先に行くぞ。」


  ゼブラインはそう言うと足に炎を集中させかなりの勢いで建物の上まで飛びさらに次の建物へと連続して飛んでいった。あんな使い方もあるのかと思いながらライレンも空中移動を発動させ今度は初めから姿を見せた状態で向かっていった。


  2人が向かっていくのをフェルマン城の中からアイティスは見ていた。何故彼女が既に城の中にいてすんなり入ることが出来ているのかは後々判明する。



  全速力で向かっているライレンであったが魔力がほぼそこを尽きてきた。

  (これは1度どこかで休憩するかトニタ村で睡眠をとるしかないか…)

 と考えていたライレンは1つ閃いた。それは空中移動を辞め最後の残った魔力でドラゴンを呼びドラゴンの上で体を休めつつ先へ向かうという考え。今の残り少ない魔力でもドラゴンは呼べるとライレンは何故か分かってしまう。そして地上へ降り誰もいないことを確認するとDREAMBOOKをだしそして口笛を吹いた。



  するとこの能力で丁度魔力が全て無くなってしまう。口笛を吹き待っていると上空から緑色のドラゴンが降りてきた。メギスが扱っていたシルバーバレスと同じくらいのサイズ。きっとドラゴンの子供と言ったところか。


  ライレンはドラゴンにトニタ村の近くまで連れていくよう指示した。さすがにドラゴンに乗ったまんま村へ入る事はできない。きっと大騒ぎになる。そしてライレンはドラゴンの背中の上で休息をとった。寝るつもりは無かったが疲れが溜まっていたのか気がつくとライレンは眠っていた。


  「また後悔?また自分を攻めているの?でも大丈夫。その心が貴方をまた強くする。」



  ライレンはまた夢を見ていた。周りは何も無く誰もいない広い荒野の中自分だけが立っている。そしてどこからとも無く聞こえるその声はとても綺麗だった。その声に夢中でその時DREAMBOOKが光っていることにまったく気が付かなかった。


  どれくらい寝ただろう。ドラゴンの鳴き声で目が覚めたライレン。既に外は真っ暗で夜になっていた。そしてゆっくり地上へ着くとドラゴンは再びでかい声で鳴き飛び立って言った。指示通りに動いたのならこの近くにトニタ村があるはずと手がかりを探した。


  するとボロボロで文字が消えかかっている看板を見つけた。そこにはこの先トニタ村。魔物に注意と書かれていた。今回の騒動とは関係なくとも魔物達から被害にあっているみたいだ。そしてこれから自分のやるべきことを再確認したライレンはトニタ村へ向かう。


  そしてトニタ村の入口らしき門が見えてきた。そこにはすでにゼブラインの姿があり腕を組みながらこちらを睨みつけて来ていた。


  「おい。いつまで待たせんだ。この間に魔物が襲ってきてたらただの約立たずだったな。ホントに大丈夫なのかよ。」



  未だにゼブラインはライレンのことを信用しているようには見えない。休息を取ったとはいえその間もドラゴンで向かっている。彼はいつ到着したのだろう。


  「すまない。初めての地だったから少々時間がかかってしまった。」


  「ちっ。言い訳はいい。とにかく入れ。」


 そう言うとゼブラインは門を開けた。

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