母の身の危険
お互いの能力は秘密にという約束をメギスとしたのちしライレンは家に戻った。
家に戻るとリビングのテーブルには豪華な食べ物がたくさん用意されていた。今日は色々ありすぎてそっちに気を取られていて自分が20歳で誕生日だと言うことはすっかり忘れてしまっていた。席につき母が来るのを待っていたが一向に来る気配がない。
(鍵もかけずにどこかへ出かけたのか…?)
ライレンは家中歩き回り探したが母の姿はない。母が居ない中1人で食べる気にもならず再びライレンは外へ出た。そのうち帰って来るだろうと思いその間軽くためせる異能力を試しておこうと初めに透明人間化する能力を使用した。地面に足をつけている感覚もなくなり宙に浮いている感覚になりとても違和感が凄い。人に話しかけても反応されず触ろうとしても触れることが出来ない。
(す…すごい。緊急時にかなり役立ちそうだ。魔力の消費も多くない。)
自分の能力に感心していた。そして透明人間化の状態のまんま他の能力が使えるか試して見た。人や物に自分は触れることができないがそれ以外なら…もしくはこの空中移動も可能なのかとライレンは透明人間化のまま空中移動の能力を使用した。
すると他人に気づかれぬまま空を飛ぶことが出来たのである。初めての空からの景色に感動し少しの間空を飛び回っていた。能力の同時発動は可能、だがその分魔力を消費してしまう。使う前からある程度は予想していた、そしてライレンは様々な能力や組み合わせを透明人間のままできる範囲で続け夜になったのでまた自宅へ戻る
「ただいま母さん。遅くなってごめん、色々道草食っちゃって…」
と言いながら家に入ったがなんと母はまだ帰ってきて居なかった。明らかにおかしい。魔力診断が終わり帰ってくる時間を想定してこのご馳走を用意していたのだとしたら待っているとしか考えられない。何かあったのかと不安になったライレンははっと思いつきDREAMBOOKを開いた。
「あった!これだ!これを使えば…」
ライレンが使おうとしていたのはマーキングや捜索に似た能力。1度でも触れたり触れられたりした事のある相手ならその相手を頭の中で想像するだけで今何処にいるのか分かるという万能な能力だった。
ただし周りに何があるのかなどは分かるが正式な場所がどこかまでは分からないため周りの景色だけでそれをヒントに探さなければならない。
ライレンは能力を発動した。
(ん…?外じゃない建物の中…いやこれは牢屋だ!一体何故!?どこだここは…)
ライレンはとても焦りながら頭を抱えている。どうして母が牢屋に入れられている。何が原因だ、自分が魔力診断している間に何があった。また自分が原因なのかととても腹が立ってきた。この能力の弱点、場所の名前や方向、行き方などが一切分からないこれが今どれだけ致命的か、今すぐにでも母親を助けたい。もう家族を失うのは嫌だとライレンは1つ手段を考えた。
(そうだ。まだ早いがフェルマン城へ行けば何か手がかりが掴めるかもしれない。)
ライレンは先程の2つの能力を同時発動し全速力でフェルマン城へ向かった。
場所は変わりフェルマン城前の門。
「おいてめぇー。いい加減ここを通せ。俺はここの王に用があんだよ。お前らの相手してる暇は1秒もねぇ。」
フェルマン城の門番と激しく言い争い揉めていたのはゼブライン。ライレンと同じく何か緊急事態でもあったのか城の中に入りたがっている。入場が許可されているのは3日後、それまで入る事はいけないと門番も必死に抵抗している。
ここで門番を力ずくでねじ伏せ無理やり侵入という形で入ることもゼブラインにとっては簡単な事であったがそれでフェルマン城の全てを敵に回すのは厄介だとゼブラインもライレンと同じく頭を抱えていた。
ライレンがそこへ到着するのは約30分後。