魔力診断
「ここか、思っていたよりデカい建物だ」
ある程度の大きさの建物だとは思っていたがまさかここまでとは思っていなかった。一体何階まであるのか見ただけでは検討もつかないほどの巨大なビル。魔力診断以外にも何かしらで使われているに違いない。
魔力診断ルームの入口。時間通りに来たライレンだが既にかなりの列が出来ていた。
(一体何人居るんだ…)
人数の多さに驚くライレン。そしてどのような手で診断されるのかどれくらいの時間がかかるのか全く分からず考えていると気がつけば自分の番になっていた。診断結果が出るのは想像以上に早いようだ。
中へ入るが魔力を測るような機械は一切なく殺風景な部屋で全身真っ黒な服を来た老人しかいなかった。その老人は何も言葉を発することなく近づいてくると胸に手を当ててこう言った。
「今まで何人もの奴らの魔力を測ってきたが、こんなにも多い魔力なんぞ初めてじゃよ。これからのお前さんの将来が楽しみじゃな。」
老人はニコッと笑いながら話しかけてきているが何故かかなりの汗をかいていた。そしてその老人から魔力の平均値や合格数値をライレンは教えてもらった。
20歳の魔力平均は600、異能力を貰えう事ができる合格者は1700から、そしてライレンの数値は何と8000だと言う。
ライレン自身も少し驚いていた。合格する事は簡単だと思っていたがまさか自分がここまでの魔力を持っているとは思っていなかった。
「さぁ。合格者はこの奥の大広間じゃ。広いと言うても合格した人数などたかが知れとる、お前さんを含めたったの12名じゃ。今年もすくなかったのぉ。」
「え…そんなに合格者は少ないのですか?」
ライレンは首を傾げながら老人に尋ねた。あれだけの列がありながらたったの12名。まだ自分の凄さを理解しきれていない。
老人は無言のままうなずきライレンを大広間まで案内し去っていった。中へはいると直ぐに扉のロックがかかる。自分が最後であった事が分かった。
既に11名の合格者が席に座っている。ライレンを含め男は8人、女は4人と男女で分かれて座っていたため男の座っている方へ向い空いている席につく。
座ると同時にこちらを睨みつけてくる男。視線をかなり感じるが厄介事はごめんだとライレンはずっと目を逸らし前を見ている。
とその時、奥の扉からこの魔力診断ルームを仕切っていると思われる女性が入ってきた。
「えーっと2.4.6.8.10.12っと。これで合格者は全員揃ったわね。これじゃ去年とほとんど変わらないじゃなぁ〜い。軽く自己紹介するわ。私はこの魔力診断ルームを仕切っているアロマよ。分かっていると思うけどあなた達は魔力診断で数値が1700を軽々と超えているため合格、そして異能力を得る権利が得られたわ。単刀直入に言う。異能力を得てここ湖月の兵士となってこの星の治安を守りたいもの、守ると約束出来るものは前へ出なさい。」
そう言い放つとアロマは目の前にあるテーブルに両手を行き良いよく叩きつけ合格者全員を見渡している。異能力が手に入る時が目の前まで来ていた。