黒い剣の中で
突然、新選組に謎の黒い剣を渡された二人だったがその剣の正体にはあまり剣について詳しくない凌ですら一瞬でわかった。数日前までニュースで騒がれまくっていたあれである。そう黒暗竜の剣である。
━━━━━━━━黒暗竜の剣━━━━━━━━
日本誕生の神々の時代、神の日本創造の妨害をする怪物の筆頭格「黒暗龍デスパニック」の黒い心臓を用いて作ったと言われる伝説の妖刀。以後神々に継承されてきたが、今から400年前の「戦国妖刀革命」の際に天から第六天魔王信長向かってに舞い降りてきたと言われる。本能寺の変の際、寺の住職により家康に手渡され、以後大江戸国宝管理館の閲覧不可エリアの奥深くに隠されていた。近年に入り300年に渡り公開がされていないことから実は盗まれたのでは?と噂されていたが1週間前から行われている302年ぶりの公開により実在が確認された。日本を代表する妖怪の1つで火属性と闇属性をあわせ持つ。
しかし、それがなぜここへ?その答えは凌の小さな脳をいくら捻っても出てこなかった。茜に目線を向けてみるがどうやら茜の大きな脳でも答えの「こ」の字ですら出てこなかったようだ。
「おい、星川どうすんだよこれ?」
「そんなこと私に聞かないでよ!知るわけないでしょ」
「もしかしてだけど、俺らが妖刀盗んだ犯人になるように下手あげられた罠にはまったとかじゃないよな?」
「ありえないわ!今の国宝管理館には江戸を代表する二大警察の新選組と大江戸警羅隊が連合防衛隊として配置されているのよ。盗むなんて不可能だし何よりこれを届けたのはその新選組よ」
「だからさっきの二人が裏切り者とか、そういう可能性は?」
「無いとは限らないわね…」
茜の顔から笑顔が消えた。考えてみればこんな超一流国宝が俺ら庶民のもとに託される訳ないし、凌の言った可能性が一番現実的なのだ。いや、それでも現実的とは言えないが。
「星川、一度家に帰ってニュース見てみようぜ。もしそうなら早いこと事情話して警察にこの剣渡した方がいいし」
「そうね。そこで伸びてる秀一君には悪いけど緊急事態だしね」
「ああ」
ここで茜の脳裏にあることが浮かぶ。仮に赤嶺君が言ってる事が真実なら帰り道警察に逮捕されることもありえる。そうなればどんなに事実を話しても信じてもらえないだろう。二人+死体(仮)のいる剣道場を出ようとする凌を茜が止めた。
「安全を考えて私の家に来てくれる?それならここまで迎えを呼べるし安全面は万全だわ」
付き合ってもない女子の家に上がり込むのはどうかと思ったが、今はそんな一般論をのべている場合ではないことに気付き甘えさしてもらうことにした
「ああ、ありがとう。ところでそんな安全面ばっちしの迎え呼べるなんてお前の家なにやってんの?」
「詳しくは家につけば分かると思うけど簡単にいうと実業家ね」
ただの実業家じゃないことはこの10分後に来た防弾窓の付いた黒いリムジンを見て察した。
どうも、足軽です。今回「戦国妖刀革命」というよく分からない言葉が出てきましたが、これはむこうの世界で説明する機会をつくることが出来ませんでしたm(__)m
代わりにこの場を借りて説明させて頂きます。
━━━━━━━━━戦国妖刀革命━━━━━━━
1587年第三次川中島の戦いの最中、上杉武田両陣営の元に一本ずつ剣が空から落ちてくる。この日本は謙信、信玄が用いこの戦を瞬く間に終戦させることになる。剣を振る度に水の斬撃が舞い、剣(というより扇子)を扇ぐ度に500度の熱風が戦場にふいた。ここから年に数本の剣が落ちてくる様になる。この謎の現象は1600年頃まで続いた。
と、こんなところです。いろいろ尋ねたい事はあるでしょうが、それは又の機会ということでお願いします。一話一話はとても短いですが、なんとか毎日更新続けています!感想など書いて頂ければ感謝感激でございます。まだまだ文章力等至らぬ点はあると思いますがこれからも応援よろしくお願いいたします。