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麗鈴女学園の女帝  作者: 緋色要
5/8

第5話 心配

今日は学校がお休み。あ、休みじゃなかったか。

俺の名前は鳳千万理(ほうせんばんり)。黎明学園高等部の二年にこの間転入した。

実は今日は隣にある麗鈴女学園と交流会らしいんだ。定期的にやっているらしく、クラブに入会していない奴らは今日、寮で待機と言いう名の休み。というわけで寮の部屋で大人しく漫画を読んでいるわけだが、同室の橘幸太(たちばなこうた)がさっきから俺の背中にもたれかかってうざいんだが。


「重いんだけど幸太」

「俺は別に重くない」

「当たり前だろうが!」


お前は俺にもたれ掛かっているんだからな!


本当は俺、交流会に参加したかった。でもどこのクラブにも所属していない俺は参加する権利がない。

妹が参加しているのだ。血は繋がっていない義理の妹。

俺は普通のサラリーマンの父さんと、まだデザイナーとして売れる前だった母さんとの三人暮らしだった。だけど父さんが海外の出張先で事故に遭い亡くなってしまった。それから母さんは女手一つで俺を育ててくれて、徐々にデザイナーとして名前が売れる様になった。

そしてある日、友人に誘われて参加したパーティーで、鳳千千明(ほうせんちあき)さんと運命的な出会いをしたらしい。そしてまわりの反対を押し切ってゴールインと言う名の再婚。そのせいで普通の高校に通っていた俺はこのお金持ちが通う名門校の黎明学園に転入しなくちゃいけなくなったけど。

だけど父親になった千明さんは優しくとても頼れる人で、母さんが惚れたのも分かったような気がする。

そして妹の名前は千尋。栗毛色のウウェーブのかかった肩まである髪に、小さな顔に大きな瞳がとても可愛い、自慢の義妹だ。目に入れても痛くない程だ!俺をお兄様と呼び、とても慕ってくれる。一人っ子だった俺は妹が出来てすっごく嬉しかった。

そんな妹がその交流会に参加しているらしい。こんな男だらけの学校に妹が・・・!と不安になったが、別に妹だけでは無いと思いだして少し安心した。でも別の意味で俺は不安になった。妹はクラブの参加者として参加するわけでは無く、実行委員の生徒会として参加しているのだ。ということはうちの生徒会と接触するわけで・・・。


「大変だ幸太!千尋が危険だ!」

「・・・ちひろ?」

「妹だ!千尋は生徒会なんだけど、きっとあいつらと顔合わせするだろ!?」

「あいつら?・・・ああ、生徒会か」

「そう!千尋大丈夫かな?」


苛められてないかな?あの俺様会長とか鬼畜副会長とかに苛められてないかな?ナンパ会計野郎に何もされてないよな!?和人は当てになんないだろうし・・・。千尋は可愛いからな・・・心配だな。

ああ~!気になる!

俺が悶々としていると幸太が俺の頭をガシッと掴んできた。

痛い痛い!力を入れるなぁあああ!

反撃しようと幸太の脇腹を蹴ろうとしたら避けられた。クソッ!


「そんなに気になるなら見に行けばいい」

「・・・でも参加しない生徒は寮にいなきゃいけないって」

「バレなきゃいい。行くぞ」


幸太はそう言うと制服に着替え出した。

というか何でお前まで?と聞くと「万理一人だと心配だから」と言われた。

俺ってそんなに頼りない?


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