プロローグ:それでも俺は
連載小説は初投稿です。
よろしくお願いします。
プロローグ:それでも俺は
魔術師、それはこの世界で厚遇される一部の特権階級。知識と判断力に富み、日夜研究と力を鍛える。その中でもさらに上澄みのみが学べる、斜に建てられた塔を比喩し”龍の爪”と呼ばれる国が唯一立ち上げた国立魔術学院がある。
その中でも特に優れた魔術師の卵たちは0組と呼ばれる組織に配属され、日夜、新技術の開発や古代文明の復元に挑んでいる。
そんな0組の最年少主席であるフェルディナント・エドワーズは古代魔法によるある実験をしていた。
彼は金髪碧眼の貴族の子として生まれるも若くして没落し、食い扶持のために奴隷商に売られていた所を学院長がその才覚を見出し買取り、幼少期から英才教育を受けさせた麒麟児である。当然やっかみや陰口も他の0組生より多く、彼は実力を認められるよう頑張りすぎて。
傍目から分からぬが相応に焦っていた。
そして彼の実験は半分成功する。そして彼は養父に見限られ、魔術学院を追われる事になった。
そして時は過ぎ―――
+++++
「おい、迷惑探偵。こっちには何もないぞ」
「おっかしいわねぇ、確かにここで見たと聞いたのだけれど」
時は移ってアモーラ市。黒髪黒目、通称無魔と呼ばれる魔力を一切持たない外見的特徴を持つクロードは、今日も同じ宿に住む探偵の手伝いをしていた。
「ここに迷い込んだって噂は聞いたのよ? 黒くて赤い眼をして耳が尖がってる猫を確かに見たって」
「……おい、確か依頼内容のペットはまだら茶色い体毛に緑色の目をした丸い耳を持つフェレットじゃないのか?」
すると探偵を名乗るポンコツはしばらく空を見上げながら思案し、合点がいったようにポンと手を叩く。
「あなた、記憶力良いわよねー」
「うがあああああ!! 何してくれてくれんだ! じゃあアレか!? ここで13件目になる捜査全部無駄足かよ!」
無駄足じゃないわよーとにこやかに無駄に美人の顔で笑っている探偵の顔を思い切りぶん殴ってやろうかと考えてると、探偵の携帯電話に通信が入る。どうやら相手は雇い主のもとで張り込んでいる銀髪赤髪の探偵助手によるもののようだ。
「フェレ君戻ってきたみたい。依頼料は前金だけ払うって」
だからあんたの給金は無しね。
それだけ言い彼女が去り行き、クロードは遣る瀬無い怒りを叫びに変え空に放つ。
「骨折り損じゃねええええええかああああああああッ!」
この話はこんな日常が繰り広げられる花と水の都アモーラから始まる。
ここは花と水の都、アモーラ。鉛と雨の魔王に見守られる地。




