第一話 ❰エピソードプロローグ❱
__あはは...これは...不味い...です...。
例に洩れずある一人の少女は埋もれながら実力テストの結果表を見る。
国語71点、数学59点、社会60点、理科30点、英語18点。
自信過剰な面も、自意識不安定な分も理解した上でこれは酷いと言えよう点数値だ。感覚神経に軽い麻痺が起きる。
「だからと言って次も予習サボったら流石に不味い...特に趣味趣向に動いても悪い結果にしか繋がらない...よね。」
断じて自分の頭の悪さが原因ではないとそこは否定しよう。ただ予習をしていないせいでこの結果になっただけだ。そうでなければ何が悪いと言うのだ。
自身の銀髪の髪を撫で下ろしこの結果に甘んじる少女をよそ見に仲の良い少女その1とその2が割って入り込んでくる。
「よぉ?ゆうっち~、テスト結果どうだった~?」
「まぁうちらと昨日グループメールでダイジョーブ!!って言ってたんだもんねぇ~♪」
がやがやとうるさい2人が自身の机に寄りかかる。「はぁ、」と息を吐いて俯いた顔を上げる。
「瑠音、薫子...私は、そう...しっかり全教科100点だったわ。」
「嘘乙、チラ見したけどゆうっちの理科の点数30点って分かってるんよね~w」
瑠音と言う名の少女はなんとなくメスガキ感があるようなノンデリ腹黒美少女。という印象で小学生からの仲で中身の素性は丸々把握済み、その上でどうしてこんな子に育ったのかがよく分かる。
「親が子を甘やかしし過ぎて精神年齢が終わってる。なかなか人生お花畑な娘。」
「なんだよゆうっち、急に変なこと言って...。」
「...昔のウジウジしてたあの頃が懐かしく尊く感じる...。」
「あぁん?あたしの事ディスった~?」
「まぁまぁ落ち着いて瑠音ちゃん、別に瑠音ちゃんに対して言ってないから~ね?」
昔の瑠音は本当の自分をずっと隠してたせいで輪に入れず独りぼっち、そんな彼女に私が光の手を差し与えたせいでこうなった。
薫子は高校からの同期、なんか勝手に仲良くなった感が否めないがそれは彼女のムードメーカーと言う名のスキンシップが原因だろう。誰に対しても明るく接して誰に対しても明るく振る舞える。
そんな中で自身は彼女達からどんな印象を受けているかが不思議で仕方ない。
やがてチャイムが鳴る。
「あぁ~あ、せっかくのゆうっち虐め倒すチャンスなのに~」
「じゃあシズ、またグループメールで」
そう言って自分の席に着く。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
帰りの会を終えた後、部活が無い日だったため自分、優月シズは下校し、いつものようにベットに腰かけて、寝返りを打つように転がる。
ただすることも無いので単なる時間潰しである。
__時間は切ない時の流れに動かされて動いては止まることを知らない。
微かに思った。
刺激の無い行動は何かと刺激を求めて翻弄する。
翻弄した者は次に人の命を刈り取る。
「『例えそれが自身の命だったとしても』」
....言葉が詰まる。
「あ...ん?」
今自分の言葉が二重になったような、別の声が一緒に反響したかのような響きが脳に伝わる。
「.....居ない...よね?」
幽霊の仕業、妖怪の仕業、呪物の仕業なんてバカらしい。そんな不可思議なことは現実で起こるわけ無いのに...。
__あれ、でもなんで今自分はそんな風に捉えたの...?
「__。」
__捉えても仕方ない?のか。
「__もう寝よう。」
何故かやる気と創造力が削がれた。焦がれた。崩れた。
眠った。眠れない。眠れる?眠れるだろう。
そんなあやふやした感覚を落として眠りに落ちる。
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