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コロニー崩壊A01

 すでに戦いは中盤に突入したはずだ。


 戦況は俺の知らない部分にある。新型ガリウスに搭乗したソータが、学生の身でありながら軍属のエースパイロットでも真っ青になるダメージコントロールとマニューバで、敵たるアンノウンを撃退している頃だろう。


 まさに天性の才。「考えるな感じろ」を体現したような存在に、ファンたちは夢中になったものだ。ノールックの背面撃ちなんてデフォルトだもんな。


 この宇宙コロニーサフラビオロスは、科学を発展させる目的で建造された。


 主に研究職に就いた者が就労し、その家族たちも優秀な科学者になれるようカリキュラムを組まれている。


 一方で、科学者たちの科学者たちによる科学者たちのための楽園がすべてなのかと問われれば、全員が首を横に振る。学園がそうだったように、パイロット学部と機械工学部に幾つもの学科あるとおり、学者育成機関のみで構成されてはいない。工学を発展させるなら、扱う者も必要だ。


 よって学園の外でもパイロットの職に就いたり、軍に所属したりと、他のコロニーと変わらぬ仕組みで成り立っている。ここにも軍があるのだ。


 通称───連合軍。現在、地球は半分が汚染されている。未知なる脅威によって。


 人類は破滅と絶滅の危機に立たされた。宇宙に進出して数十年後に。それがアンノウン。天破のグラディオスにおいて敵対勢力となる謎の()()()


 突如として空間が光ったら現れる。神出鬼没の厄災の種。


 ただの光かと思いきや、出現した途端に質量を得る。これが人類を殺しまくった。


 使いものにならなくなりそうだった地球を離れ、宇宙に進出した人類は、アンノウンに地球を捧げる形で逃亡を計ったのだが、アンノウンは執拗に追尾した。こうして地球から遠く離れた火星と木星の間を駐留するサフラビオロスであっても例外ではなかった。


「そろそろ第2話『コロニー崩壊』に突入した頃かぁ? ………縁起でもねぇな」


 自分で言っておいて、だが。本当に縁起でもない。


 こうして、なんの因果があったのか、超常現象に等しい「二次元の壁を突破してしまった」俺だったが、画面の向こうから第三者の視点で見るアニメと、実際に体験するのとでは、遥かに違うことを体感する。


「だぁっ………くそが! 姿勢制御のプログラムがイカれてんのかぁ!?」


 ケイスマンがそうなるように設計した、サフラビオロス脱出経路からついに宇宙空間に投げ出されると、すぐに怒鳴った。


 視聴者の知らない裏の視点。まさに俺の視界だ。救命ポッドに収容されたヒナたちがグラディオスに収容されるための過程。知りもしようとしなかった経緯を、俺は辿っているものの、それがまさに無理難題を押し付けられているようなものだ。



「ケイスマンめ! プロトタイプだからって中途半端なプログラムのまま放置しやがったな!? こちとら異世界転生したチートハーレム勇者主人公でも、ロボットアニメの天才チート人造人間パイロットでもねぇんだよ! 操縦中にOS書き換えろってかぁ!? 冗談じゃねぇぞ!」



 されども、やらなければ俺が死ぬかもしれない。


 宇宙空間に放出された俺は、新型ガリウスのプロトタイプ機を操縦しながら、救命ポッドのスラスター制御も兼任して行なっている。しかも運がないことに、俺の背後には一号機を欠いた十二の新型ガリウスを追従させている。


 これがなにを意味しているか。「()()()」ってやつだ。


 狙われれば最後。瞬時に穴だらけにされる。


「やってやらぁ! できらぁ! なんて言えるのはな、本当にそれができる奴のことで、一流でもなんでもない俺にできるはずがねぇだろうがあ!」


 叫びながらキーボードを連打する。ゲームセンターの音ゲーであれば、最難度の曲をフルコンボしているくらいのペースで。


 とはいえ、本当にOSを書き換えているわけではない。エース・ノギだってそこまではできない。


 精々、自機の細々な修正をしたり、サフラビオロスに接近しないように命令したり、救命ポッドと新型ガリウスのスラスター調整をするくらいだ。新型ガリウスはロールアウト前ゆえか、実験段階に入ったゆえメインスラスターは使えるものの、それを行えばあっという間に俺たちを追い抜いてしまう。今は四肢にあるサブスラスターだけで推進させているようなものだ。本来なら姿勢制御と制動をかける役割だが、愚鈍な救命ポッドの動きに合わせるにはそれくらいでいい。


 それに、これから重要な役割がある。一機も欠いてはならない。


「………見えた」


『ね、ねぇ。エー先輩。あれ………なに?』


 ヒナから再度通信が入る。ちなみにさっきまでの魂の咆哮は、通信を切っていたので聞かれていない。


「グラディオスだよ」


『グラディオス………?』


「ああ。宇宙戦艦ってやつだ。助けに来てくれたんだよ」


『なんでそんなこと知ってるの?』


「あ、あー………ほら。ケイスマン教授の端末にあったんだよ。駐留するはずだったグラディオスに、ガリウスを届けろってさ」


 まさか「アニメで見たからだよ」なんて言えないもんな。


 サフラビオロスにはもう戻れない。だったら、適当にそれっぽいことを言えば、誰だって納得してくれるだろう。




 さぁ。ここからだ。




 ここからの選択は、なにひとつとして間違えられねぇ。



プロトタイプ、あるいは練習機というのにロマンを感じたのは数年前のことでした。

現在、アニメの裏事情を書いております。さらに進むと本編に合流する予定です。エー先輩が色々やらかします。


作者からのお願いです。

皆様の温かい応援が頼りです。大変恐縮なのですがブクマ、評価、感想、いいねなど思いつく限りの応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

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