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始まりの日C02

 プロトタイプとはいえ、ガリウスの性能の高さには舌を巻く。


 天破のグラディオスのファンブックにはガリウスについても記載されていた。ソータたち主人公が乗る機体だ。アニメでも描写が多いゆえ、特にコクピットには多くのラフ画が載っていたし、CGを使ったイラストも載っている。


 そのなかのひとつ。コクピット内にあるカメラには、パイロットの視線を追う機能が備わっていた。


 都合、ガリウスを操縦するには両手が塞がっている場合も多い。ゆえにパイロットの視線を追い、特定の時間見つめたものを分析、データを表示する機能だ。


 プロトタイプにも当然ある。忙しなく視点を動かしていたら、メインモニターが大変なことになった。まさに情報の坩堝。なんて言うか、パソコンでアダルティでいかがわしい動画を複数のタブで開いた中学生が、ビュッフェ感覚でやらかしたような。………覚えはある。


 パイロット科の一年生の大半が最初にやる失敗例らしいが、小此木瑛亮にとってはこれが初体験なのだ。仕方ない。もちろん対処法はエース・ノギが知っている。シートに備え付けてあるラップトップを引っ張り出して、手動で不要な情報を削除していくのだ。


 タイピングにはエース・ノギ含め、小此木瑛亮も自信がある。なにしろ俺は、インターネットの二次小説サイトでソータとアイリの純愛ラブラブ小説を毎日投稿していたからだ。………人気はなかった。どちらかといえば女子が好きそうなソータ受けの同性愛小説の方が熱を増していた。俺の駄作は隅に追いやられた。


 とはいえ、驚くべきことに俺は英語を巧みに扱えている。驚いた。


 キーボードで指を躍らせること三秒。不要な情報を削除し、この施設のシステムと同期し、ヒナたちが乗っている救命ポッドに焦点を絞る


 俺が乗るプロトタイプは膝立ちになりながら上体を前傾させている状態で停止。あまり多用こそされていないが、急動作でなければ少数の命令をラップトップに打ち込んで動かすことができる。フレームを包む装甲が傷だらけになるが、緊急事態だ。片膝を引き摺るように移動し、救命ポッドの傍らで停止させる。


『うぅ………すごい音。ね、ねぇエー先輩。大丈夫?』


「大丈夫だ。それよりも着席して、ベルトしてな。そこにいるのは全員学生だ。コロニーの外に出た経験があるだろ。なにがあっても騒がず冷静に対処しろ。いいな?」


 返事は待たない。俺も精一杯だ。


 キーボードに新たな命令を打ち込む。救命ポッドが座するポイントがエレベーターになっている。ゆえにプロトタイプをそこまで運ぶ必要があったのだ。


 なにひとつミスできないタイピングを、極度の緊張のなかで完遂。すぐにエレベーターが作動し、救命ポッドとプロトタイプが搬出される。


「顔も知らなかったけど………あなたは最高の大人だ。生徒としても、視聴者としても、あなたを尊敬します。どうか安らかに。ケイスマン教授」


 エレベーターで下へと移動しながら、椅子に座って眠ったように動かないケイスマンを最後まで凝視し、哀悼と尊敬の意を表する。このひとがいなければ、天破のグラディオスはどうなっていたかわからない。


『うわ、すごい………』


「どうした? ヒナ」


『外見て。先輩が乗ってる灰色じゃないガリウスがいっぱいある………十二機いるね』


 ヒナのやつ。シートベルトしてろって言ったのに、まだしてなかったのか。それとも操縦席に率先して座ったか。ヒナはパイロット科で優等生だ。救命ポッドサイズの小型艇の操縦訓練も成績がよかったから任されたのかもな。だから今も俺と通信ができるのか。通信機は操縦席にしかないからな。


「なんだろうな。あのガリウス」


 俺は無知なふりをして返答した。


 もちろん、俺は知っている。


 エレベーターでコロニーの外側へと運ばれていくと、ソータが落下したと思えるハンガーに到着した。だが見えるだけでシャフトは通じていない。素通りするだけだ。プロトタイプはここから運ばれたのかもしれない。


 このハンガーでは十三期の新型ガリウスが開発され、天破のグラディオスに引き渡される予定だった。


 しかしパイロットは全員が死亡。ソータ含め、数人が臨時のパイロットになる。


 通称───新型棺桶。


 臨時とはいえ、軍属となった生徒たちは、敵によって無慈悲な死を遂げる。その壮絶な死活を総じて、こんな不名誉な称号がファンの間で出回った。やれ黄色い棺桶だの、今日は紫色の棺桶だのと。ふざけやがって。


 だが、この十三期が───結果として数機しか残存しなかったものの───存在しなければ、勝利へと導くことはできなかった。


 区画は異なるが、ハンガーのコントロールも掌握する。エレベーターを動かし、自動でサフラビオロスの外に射出されるように命じた。


「もう第1話は終わって、第2話に入る。グラディオスの場所もわかる。大丈夫。俺ならやれる。絶対に助けてみせる」


これで第1話が終わりました。こんな感じでABCのパートでやっていきます。

序盤はまだ短めなのですが、徐々に増やしていきます。


よろしければ、面白いと思っていただけましたら、大変恐縮なのですがブクマや評価や感想やリアクションを思う存分ぶち込んでいただけると、作者のモチベも爆上がりし、今日中にストックも増えて更新頻度も上がることでしょう。毎日更新にも繋がってきます。

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