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34/82

その名はA04

先日の情報ですが、またもや日間ランキングにインしていました!

ありがとうございます!

「嫌だ! 俺はやりたくねぇ!」


「私だって嫌よ! 軍属になるためにアスクノーツで学んだわけじゃない!」


「うぇええええん。お母さぁああん」


「助けてパパァ」


「うぇ、おぇええっ」


 まぁ、反応は様々だよな。


 悲嘆に明け暮れるのはこのなかの半分だ。NPCがそれにあたるかな。


 誰もが軍人になどなりたくなくて、泣き、離れ離れになってしまった家族を憂い、あるいは無重力空間に慣れておらず酔った末に部屋の端っこで袋を抱えて嘔吐していたり。まぁ最後のはプレッシャーが胃に来たんだろうけど。


「………でさ、軍人に………なるの?」


「なんで私に聞くのよ」


 本編どおりの会話だ。


 ソータがアイリに質問するところから始まる。この時バックミュージックはなくて、少しだけNPCたちの絶望の声が聞こえ、すぐに消えた。


「ソータはどうするのよ」


「パイロットに志願する」


「え?」


 アイリは意外そうな顔をした。


 俺だってそうだ。ソータは本編で即決せず「わからないよ」と濁していたからだ。


「ソータ。強制されてるわけじゃない。まだゆっくり考えていいんだぞ?」


「ううん。決めたんだ。俺、エー先輩に助けられてばかりだ。だから今度は、俺がエー先輩を守るよ」


 ………なんて澄んだ目をして語りやがる。


 こんな顔をしたソータを、見たことがない。


 第3話でサフラビオロスを破壊したソータは対人がトラウマになり、戦闘で犠牲を出して壊れていく。立ち直ったことは多々あったが、その度に壊れていく。


 だから意外でしかなかった。ソータに起きた変化が。


「私も、なるよ。パイロットに」


「ヒナまで? ああ、もう。わかったわよ。私もパイロットに志願するわよ」


「アイリちゃん。そういう流れだから志願するのは無しだよ。仲間外れにしたいわけじゃないし。もっとゆっくり考えてもいいって、エー先輩も言ってたじゃない」


「そういうヒナは即決したじゃない」


「私は自分で決めたからだよ。ソータくんと同じ。エー先輩を守りたいの」


 こいつら………


 俺を泣かせる気だな?


 泣くぞ? ええんか? 泣き喚くぞい?


 良い後輩を持ったものだよ。


「おいおい。守られてばかりじゃ、俺の立場なくなるぞ」


「じゃ、エー先輩もパイロットに志願を?」


 微笑するアイリ。超可愛いんだけど。


「そりゃ………言われたらさ、やるしかないだろ。またプロトタイプにでも乗るさ」


 最新鋭機である第七世代ガリウスGは、ロールアウトしたばかりのものはそりゃあカラフルなものばかりだったさ。


 戦場でカラフルな機体を乗る馬鹿はいない。けど、アニメなら違う。


 天破のグラディオスのプラモデルはすでに販売している。


 ソータが駆る一号機の色違いである二、三、四号機まで。カラーバリエーションだけでなく、パイロットが得意としたり割り当てられた装備が入っていたりと、改造性に富んでいた。


 ゆえに売れた。商売なくして資金は作れないからな。


 某有名なメーカーで製造されたから、バージョイントも3mmに統一されていて、他のアニメのロボットプラモデルからパーツを流用して改造するなんてのもメジャーだ。


 俺がこの世界に来る前なんて、グラディオスまで立体化されたからな。欲しかったなぁ。


 そんな感じでファンと転売屋が競うように購入したプラモデルだが、実は俺が臨時で乗っていたプロトタイプは存在しない。全体的に灰色の試作機はインターネットのプレミアムなサイトで外伝扱いで売られるのだろう。それはそれで人気を博しそうだが。コア層には。


 つまり前例のない登場機体というわけで。本採用となったガリウスGと比較しても、やはりパッとしない外見なわけだ。


「ダメだよ。エー先輩は整備科なんだから」


「まだ乗れるだろ」


「乗れることは乗れるよ。でも、やっぱりあの戦闘を見てたらね。エー先輩はちゃんと戦えるわけじゃないよ。俺たちに任せてほしいな」


「あ、こんにゃろ。言うようになったじゃねぇか。ソータのくせに」


「いててっ。なにすんのさ、エー先輩」


 先輩後輩の仲だ。ソータを抱き寄せて首の後ろから腕を回し固定すると、頭頂部を拳でグリグリしてやった。


 痛がってはいたが、ソータは笑っていた。こんなじゃれ合いができるのは稀有なことだ。本編ではソータをこんなに構い倒す奴はいなかったからな。


 アイリとヒナも笑っていた。


 こんな平和がいつまでも続けばいいのに。と思う。ファンゆえか。


 でも俺は知っている。


 この先、地獄が待っている。


 訪れる日は、そう遠くはない。


 と、その時だ。


「随分と賑やかね」


 アイリともヒナとも違う、ゆったりとした口調の少女が声をかけてきた。


 その瞬間、俺は───ゾッとした。


 本編ではこんな会話がない。あの少女が声をかけてくることはない。


 これまで幾度となく想定外のイベントが発生したが、これがこうも早期に、しかもあちらから来るとは考えてもいなかったのだ。


「よう、ユリン。元気かい」


「ご機嫌よう、エース先輩。こんな状況下ではありますけど、健康そのものですよ」


 顔に出すな。


 絶対に顔に出すんじゃねぇぞ、俺。


 グラディオスに来て、会いたいキャラクターの8割は見た。その存在を確認した。すぐにでも声をかけたい欲望を抑えて、本編どおりに進めた。


 そうすればつつがなく時間が進み、悲劇が起きる。事あるごとに対処するつもりだった。


 俺はどんなキャラクターに会っても喜ぶ自信がある。


 けれど、この少女だけは別だ。


 興奮とは異なる緊張を覚える。だがそれを顔に出してはいけない。


 冷静を保ち、平常を徹する。


 ユリン・エフナール。


 この女は、色々ヤベェからだ。


更新が2回になってしまうと、どうしても勢いが足りなくなってしまうというのも否めませんな………

とっとと先に進みたいところなのですが、書くことが多いこと多いこと。

色々とまとめてからBパートに移りたいと思っております。


X(旧Twitter)の方でブラックヒナをアップしました。選択肢をイカれたものにしていますが、是非とも正解を選んでみてください。


作者からのお願いです。

皆様の温かい応援が頼りです。ブクマ、評価、感想、いいねなど思いつく限りの応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

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