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その名はA02

 オリエンテーションは1時間もせずに終わった。


 元々、一般人を乗艦させる予定のない戦艦だ。公開可能な情報の方が少ない。


 紹介されたのは「絶対に入ってはいけませんゾーンだよっ」とレイシアが身振り手振りで精一杯の可愛いアピールをした区域ばかりで、8割がそれを占めており、では残り2割はなにかといえばソータたちを収容している区域だったり食堂だったりで、しかも制限があったりと肩身が狭い思いをすることが前提とされていた。


 が、それもクランドの策である。


 先日の任務はソータが物資運搬、シドウは別行動を取った。


 今回は俺が前日に先走ったことで、生徒たちに自覚を促した。クランドもシドウへの別の任務の通達に踏み入らせた。


 クランドはシドウをサフラビオロスの内部へと潜らせた。


 行き先は俺とは反対側でこそあるが、案外近い。


 学園のサーバーを設置したポイントである。


 非常時でなければ誰も立ち入ることのない場所には厳重なロックを仕掛けている。人間がおらずともシステムや電源だけは生きているなら、連合軍の権限でロックを解除し、情報開示請求を出すことができる。


 必要な情報は、グラディオスに収容した学生のプロフィールと、ケイスマンの研究データのすべて。


 あとで個人的な面接もあるだろうが、成績や経歴を加味した上で雇用の優先度を決めるのだ。


 つまり、すでに突入したであろう第4話「その名は」本編でもあった、徴兵を行うのである。


 本編では全員が志願した。ただ、同時ではない。それぞれのタイミングがあった。大まかに分類して、即決した上級生と、翌日に志願したソータたち1年生。


 このAパートでは生徒全員が連合軍に志願するシーンまでが描かれている。


 オリエンテーションが終了し、ミーティングルームに再び集まると、やはりそこにはクランドが待っていた。


「まず、諸君らには足労をかけたことについて、労っておこう」


 ま、艦長だもんな。


 民間人への抑圧的な上から目線発言で「自分はお前たちより上の立場なんだぞ」とアピールする。


「本来なら私が出向く予定はなかった。しかし………状況が一変したのも事実。すでに諸君らもあらかた予想できているだろう。幸か不幸か、ここにはアスクノーツ学園のパイロット科と整備科の生徒が揃っている。先日の任務で、勝手ながらアスクノーツ学園のサーバーから、ここにいる全員のプロフィールや経歴、成績を発見し回収させてもらった。成績はバラつきこそあるが、みな向上心があり勤勉であることはわかった。………学生は、学園のなかで生活していればいいものを」


 最後の余計な一言で、全員がムッとする。


 ああ、またやらかしたよクランドめ。これじゃ敵を増やすだけなのに。


 そろそろ学習してほしいもんだね。………必要ないか。娘のレイシアがクランドを睨んでいる。


 実はクランドはレイシアに甘い………というわけではないが、どうしても勝てないところがある。恐ろしいのはお仕置きだな。これは第2クールで判明することだが。


 あとできついお仕置きが待っていると察知したクランドは、内心で冷や汗をかいているだろう。


「コホン。失礼。そこで、諸君らを極めて遺憾ながら徴兵することにした。そうすれば本日のオリエンテーションで確認してもらった、侵入禁止区域がある程度は解除されるだろう。少なくとも窮屈な思いをせずには済む。ただし」


 咳払いしたクランドは、真面目な面持ちで俺たちを睨む。


「軍属になったからには、退役は簡単にはできないことを承知してほしい。そして艦長である私の命令には従う義務も生じる。あの学園の学生は卒業後、軍人となることを選ぶ者もいるらしいな。ならばその規則は諸君らのなかでも承知している者もいるだろう。………わかるかね? 軍属になれば、諸君らはお客様から、私の兵となるのだ」


 上官が死ねと命じれば、喜んで命を賭さなければならない。


 もちろんクランドにそんな趣味はない。


 だが一般人がいきなり軍人になる超常的措置だ。覚悟の必要もかねて、念押ししているんだな。


 生半可な覚悟では兵士になれないと。


「徴兵はパイロットと整備士のみを限定とする。各々、所属する科に振り分けよう。ただし、適応力があるかはこちらが判断する。仮にパイロット科に属する者がパイロットに志願したとしても、適応しなければ整備士となってもらう。逆も然り。それも承知してもらいたい」


 そう。だからあの子はパイロットを降ろされた。


 贔屓ではない。クランドがそう判断したのだ。理由はあとで………第8話を過ぎた辺りで判明する。


「紹介しよう。カイドウ・ミチザネとシドウ・ミチザネだ。カイドウはメカニックリーダー。シドウはパイロットリーダーとなり、諸君らを指導、教練することとなる。わからないことがあればなんでも聞くがいい。先に言っておくが、ここは学園ではないため授業は行わない。なんでも聞けば答えてもらえると思うな。自ら感じ、学ぶことが肝要とされる。が、初めての現場に立つのなら不慣れかつ未知数だろう。両名リーダーには配慮するよう言ってある。説明不足なまま、現場に立たせることはありえない。そこは安心するといい」


 まぁ、なかにはパイロットでも整備士でもないところに配属される奴も出るのだけど。それはあとで確認すればいいだろう。


 そうなると最初に手を挙げるのは───


たくさんのリアクションありがとうございます!

なんと10件も集まりました。とても嬉しくてベッドの上で跳ね回っております。

これでアイリ様のイラストがうまくいけばなぁ。と悶々としながら対策を練っております。マジでヒナが強すぎて色違いヒナになってしまいます。


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなど思いつく限りの応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

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