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グラディオスB04

 アンノウンBタイプが急接近したことで、アラートが鳴り止まない。


 ロックオンでもされているのかな。


 いや、それでも構わない。あのタイプは接近戦しかできない。中距離戦は苦手とするから、突進しかできない。


 ただ、全身から迸る熱量に囚われれば無傷では済まない。いかのガリウスだろうと熱で瞬時に故障し、装甲が溶けて、パイロットが焼き殺される。


 そう。当たれば死ぬ。なら当たらなければいい。当たらなければ、どうということはない敵だ。


「………ここだあッ!」


 我ながら上出来なタイミングだった。触れるか触れないかの距離で全スラスターの向きを統一し、一瞬の加速でアンノウンBタイプの魔の手から逃れた。


 アンノウンBタイプはそのまま搬入口に突入し、積載していたコンテナに衝突しながら、あるポイントに激突して停止する。


「食らえオラァッ!」


 最後のひと押し。クラッカーすべてを搬入口に叩き込む。


 目標にしていたとあるコンテナはひしゃげていて、クラッカーが近くで炸裂することで確実性が向上。


 あとは全速力で逃げる。吐き気がどうのとか、言っていられない。


 異変を察知したソータが腕を掴んで補助してくれたお陰で、シドウも含めて安全地帯まで避難することができた。


『グラディオス、が………』


「ごめん。ごめんな、ソータ。()()()()()()()()()()()()


 愕然とするソータに謝罪するしかできない。


 あの爆薬による爆発に巻き込まれたアンノウンは消滅したが、代償として差し出したのは、安然の地に二度と踏み入ることができなくなることだった。


 半壊しつつも、まだ形状は保っていたサフラビオロスだが、今は真っ二つとなり、もう修復不可能なほどに破壊されてしまった。


 ソータが最初に負った業が、これだ。


 グラディオスには同級生や先輩がいる。そいつらの居場所を奪った。その事実に苛まれていくことになる。


 そして、壊れていくんだ。


『………なんて声をかければいいか、わからないが………お前は、よくやったと思う』


 おおう。ここは本編どおり。相手が違うけどな。


 あの辛辣で差別的だったシドウでさえ同情的になる。ソータは最初、この慰めの言葉にも耳を傾けられないほど精神的なショックを受けてしまった。


「いえ………これは俺のミスです。俺はみんなの場所を奪った。………顔向けできねぇや」


『それは違う。俺のミスだ。民間人に戦わせてしまった。俺に力がないからだ。だから、その………くそっ。力添えはする』


「はは。じゃ、お言葉に甘えさせてもらうとしましょうかね」


『あ、ああ。甘えろ。お前は民間人で、学生で、しかもまだ子供なんだ。これは本来、俺たち軍人が負うべき責だ』


 なーんだ。


 シドウは、この時点で不器用なだけの、責任感のある大人だったってわけね。


 話してみれば、ちゃんと良い奴だったとわかる。


 それだけでも得したかな。


『戻るぞ。お前は敵を撃破したんだ。胸を張ればいい』


「戻ったら、みんなに殺されるかもしれませんね」


『言ったろ。守ってやると』


「頼もしいです」


 本当、頼もしい。


 でも………怖い。


 怖すぎる。


 ソータはこんな気持ちだったんだ。動けず、シドウに慰められても反発して、それでも強引に連れ帰らされて………どんな顔をすればいいのかも、わからなかっただろうに。


 怖いよなぁ。みんなの居場所、壊しちまったんだもんな。


 いざ責められる側になってみると、その苦渋がよくわかる。


 敵を倒すためだった。なんて言い訳でしかない。みんなから大切なものを奪った。俺もアンノウンとそう変わらないのかもしれない。


 アイリに嫌われたかな。ヒナにも口をきいてもらえなくなるかもしれない。


 これから接触しようとしていたキャラクターたちにも毛嫌いされて………ははっ。笑えてきた。


 ソータを助けた途端に、推し活が前途多難になってしまうなんて。


『先輩………』


「戻ったら………好きなだけ殴っていいよ。ソータ」


『………殴らないよ。多分、俺も………あれを倒すための最適解として、エー先輩と同じことしてたと思うから』


 そのとおり。本来なら、これがソータが数秒で考案したアンノウンの攻略法なのだから。


 でも、そっか。


 ソータは俺を軽蔑しないのか。


 それだけでも、よかったのかも………しれない。






 ソータに補助されながらもグラディオスに帰還する。


 そこに待っていたのはノーマルスーツを着た整備士たちで、全員がなんとも微妙な面持ちで俺を見ていた。


 憐憫だったり、なかには侮蔑っぽかったり。カイドウのおっさんは同情的な目をしていて「よく帰った」と言いながら俺の背をバシッと叩いた。


 俺たちは着替えずに艦長室に直行。クランドはすでに軽く報告を受けていたらしく、終始無言だった。シドウが簡潔にすべてを報告すると「ご苦労だった。下がれ」と命じる。


 ただ、本編ではなにも言わなかったのだが………


「………きみの行動は罪には問わない。確かにサフラビオロスは失われた。が、すでに廃墟と化していたのだ。ひとの住める環境ではなくなったそこを、敵が拠点とする可能性も………否めなくもないだろう。その可能性を潰したのだ。私は評価する。………ゆっくりと休みたまえ」


「………ありがとう、ございます」


 本編にはない慰めの言葉をくれた。


 ツンデレ艦長め。


 そんな言葉なんかで、元気なんて出ないんだからねっ………。


ソータは変態でドMかもしれませんが、殺意を向けられて喜ぶ変態ではないのです…。

そしてまずいことに、更新分のストックが消し飛びました。本日はここまでになります。

明日も複数回更新したいのですが、これから書くストック次第となりそうです。


作者を励ますためにも、ブクマ、評価、リアクション、感想など、様々な応援をガソリンのごとく注いでいただけると、新年会で注いだ酒の酔いを消し飛ばし、作者は筆を加速させることでしょう!

誤字脱字報告、質問なども大歓迎です。皆様の声をください!

よろしくお願いします!

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