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反撃のグラディオスB03

 陽電子砲───つまり、他のロボットアニメで見る架空の兵器。


 まさか実在するとは思わなかった。


 レイライトリアクターも他のアニメで言うところの半永久機関だったり、アーレスが旧時代的だと言っていたけど核動力に似たようなもの。


 ならば陽電子砲が存在しないと断言できないのだ。俺は自分のなかの固定概念に囚われていた。ファンブックがすべてだと勘違いしていたのだ。


 リドの興奮はカイドウにも伝わり、豪快に笑いながら突貫で整備して、第七世代ガリウスに適したジャケット化してしまった。その甲斐あって、俺は今、レイライトブラスターに劣らない戦力を得た。


 巨大な砲身から放たれる、赤と黄色の閃光。反動をサブスラスターで軽減しながら撃つ。さらにもう一発。


『敵陣左翼消滅!』


『タキオン、残存エネルギー40パーセントに低下! サブプランに移行!』


『エースくん! こっちはいつでもいけるよ!』


 オペレーターに混じって、アーレスが叫ぶ。


 次撃を放つには、やはりタキオンのレイライトリアクターでは生産できるエネルギーが賄えない。


 2発が限界だ。初撃はハンガーのなかでチャージした。次撃はタキオンの内蔵エネルギーを消費する。俺の計算よりも消費量が高く、60パーセントも持っていかれた。


 だが、グラディオス上でのタキオンの砲撃が、これで終わるはずがない。


 突貫で整備していたカイドウは、アーレスに連絡を取ってハンガーに呼び寄せた。そして俺を交えた3人で話し合った結果、アーレスの提案で悪魔的な攻撃法方を編み出した。


 それをすぐにクランドとクスドに伝えると、狂喜しながらフェイズ4に組み込んだのだ。グラディオスを囮にした際、ある程度の戦力が足りないことで、強引に反転してレイライトブラスターを使うべきか考えていたところに俺たちの報告。結果、反転などせず、グラディオスはある程度の船速を保ったまま強烈な砲撃を可能にした。


 その悪魔的な攻撃法方が、通称サブプラン。陽電子砲に接続していたケーブルがパージされると、甲板の一部が跳ね上がり、先端に接続ノズルを備えたケーブルが出現する。それを受け取ると砲身に接続。


 いったい、陽電子砲になにを接続したかって?


 決まってるだろ。ひとつしかねぇじゃねぇか。


 グラディオスの機首区画にあるレイライトリアクターだ。レイライトブラスターを撃てないゆえ、こちらにエネルギーを回してもらう。


 すると、今度は陽電子砲が大変なことになる。


「い、いやマジかよ………供給されるエネルギーが多くてオーバーロードする!?」


 やはりタキオンの何倍というサイズのレイライトリアクターは、グラディオスという300メートル級の戦艦を動かす動力源を担っているため、たった15メートルの砲身にそれを叩き込むと異常が発生してしまう。


「アーレスさん! 供給されるエネルギーの調整を! こっちはこのまま撃ちますけど、このままだとブラスタージャケットがもちません!」


『りょ、了解だよ!』


 膝立ちだったタキオンを両足で立たせて、中腰になりながら陽電子砲を撃つ。


 それは照射を可能にするほどの供給量だった。


 左から右へと薙ぎ払うように陽電子砲を放つ。


『展開していたアンノウン、60パーセントが消滅!』


 照射を移動させたことで、タキオンの関節への負荷がどうのと言っている場合でもない。


 砲身が赤く熱されるほどの照射を終え、そこで艦内の巨大なレイライトリアクターからのエネルギー供給がストップする。ブラスタージャケットに残ったエネルギーは、タキオンの手のひらから吸収し、冷却を待つ。


「クスド! こっちの仕事は終わったぞ!」


『了解! タキオンは移動を開始してください!』


「あいよぉ!」


 ブラスタージャケットを強制パージする。


 フェイズ4はグラディオスを追撃しようとするアンノウンの迎撃にある。


 これでネイキッド状態になってしまうが、実はひとつ、カイドウからの贈り物を持たせてもらっていた。


 背部のハードポイントに接続している。


 それはロングソード3つを分解し、延長し、積層させた巨大な剣。バスターソードだった。


 無重力空間ゆえに超重量を扱える。アンノウンへの対抗策として組み上げた。ただし、これを製造するためにかなりのストックを消費してしまったので、ロングソードはどこかで補充しなければ在庫は無い。一度限りの勝負なのだ。


 ブラスタージャケットが甲板に吸い付く。巻き取ったケーブルごと固定を確認し、ついに俺も宇宙空間へと躍り出る。バスターソードの影響で重量だけでなく挙動が変化する。推進剤を無駄に消費できないので、最小限の動きでアンノウンの群れに突撃した。


 戦闘が発生しているポイントは、大きくわけてふたつ。Eタイプを突いているミチザネ隊。アンノウンの群れを単独で撃破しようとしている俺のタキオン。グラディオスはさらに移動し、地球から遠ざかっているゆえに戦力としてはもう数えられない。


 原作から逸脱した流れだ。原作ではここで反転している。グラディオスはより後方に下がり、タイミングを探ることにしたのだ。


 これには大きな理由がある。


『フェイズ5発動可能!』


『了解した。フェイズ5発動! コロニー、アイリ・ナカダ! 全速力で突撃せよ!』


『こちら八号機! 了解しました!』


 ついに、来た。


 俺やソータが懸念したフェイズ5。


 原作でもこれを発動したが、廃コロニーの操縦はグラディオスが行った。


 だが今回操縦するのはグラディオスではない。


 クランドが指示したとおり、アイリなのだ。


 タキオンのメインカメラが、廃コロニーの上を捉える。


 ナンバーズは展開しているが、たった1機だけ廃コロニーの上にいる。マゼンタのパーソナルカラー。八号機。


 八号機はアイリの愛機となるのは原作どおりだ。彼女がドローンカメラの操縦を覚えたのは、タキオンの素となったプロトタイプガリウスGのコクピットブロックで、タキオンの製造が決定すると八号機を中継してドローンカメラのパイロットに正式に就任した。


 だが今回は、クスドの采配で、本格的にアイリが八号機のパイロットとして初陣を飾ることとなる。


 八号機はこれといって目立った装備はない。


 なぜなら、彼女の武器こそ足場にしている廃コロニーだからだ。


 アイリはこれより、廃コロニーを全速力で航行させ、Eタイプにぶつけるという大役を担うこととなる。


 ソータはもちろん、俺は叫びたくなる気持ちを殺し、せめてアンノウンがアイリの八号機を発見しないよう、より激しく動くしかできないのだ。


 焦燥する感情を噛み殺す。ソータに誓わせたばかりの俺が、過保護にアイリから無情に役目を奪うわけにはいかないのだ。


ブクマ、リアクションありがとうございます!

6回目!

最後は21時に更新します! ストックが切れてヤベェことになっておりますが、今日の私はテンションが高く、かなりハイペースで書き続けておりますので、多分間に合うと思います。

明日も同じペースで書き………しかし第12話が終わって、いきなり第13話を始めることはしません。この作品の世界で語られなかった物語を進めたいと思います!


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなどのありがたい応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

誤字脱字報告、ご質問も大歓迎です!

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