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グラディオスA07

 小僧。テメェが乱暴にぶん回してくれやがったプロトタイプの応急処置は済んでるがな、二度と同じことができるたぁ、思わねえこった。


 物資を運び込む程度のこたぁ、やれるだろうよ。間接は死んじゃいねぇ。


 だがな、テメェも整備科にいるってなら………わかるな?




 と、ギロッとカイドウのおっさんに睨まれて出撃。


 さてさて、いったいなにを俺が理解しているって言うんですかね。


 文系ではあったけど、文脈から作者の意図を読み取れとかいう現代国語の授業の成績なんて、壊滅的だったんだぞ?


 グラディオスからの発艦は、地味なものだった。専用の射出口から押し出される───と思いきや、スクランブル以外では使わないというか、それをやると俺とソータが失神するからだそうで。


 殺人的なGで推力を得て加速するシステムは理解できるが、軍人でもない俺たちが発艦訓練など受けているはずもない。意識を失って操縦不能になるくらいなら、歩行して発艦した方が得策だったってことね。


 無重力空間でジャンプ。背部のスラスターをメインの推力として、四肢のサブスラスターなどで姿勢制御。フルスロットルなどにはせず、無茶のない航行で、サフラビオロスへと三機で隊列を組んで移動した。


 で、今さらなんだけど………


「俺………本当にロボットを操縦してるんだな」


『エー先輩。なにか言った?』


「あ、いや。ごめん。なんでもないよ」


 感慨深いを通り越して、昇天しそう。


 そりゃ、ソータみたく操縦桿をガチャガチャやったり、スロットルを自在に操れるわけじゃないよ?


 プロトタイプとはいえ最新の第七世代機。俺が全力で遊びまくったら、崩壊するかもしれないサフラビオロスに突撃して自爆するかもしれない。


 だから今はソータが駆る一号機の牽引で推進している。姿勢制御はラップトップで命令を打ち込んで瞬時に修正している。とてもではないけどアニメみたくなにもかもが自在にコントロールはできないんだな。


『私語は慎め。戦闘ではないが、これは任務だ。各々が自覚しなければ失敗する可能性もある』


 へいへい。相変わらずシドウ少尉は堅物なことで。


 でも安心しな。その凝り固まった感情を、いつか必ずとろけさせてやる。


 待ち受けるだろう幸せな未来を見た時、俺はきっと………ぬっふぇっふぇ。


『そろそろポイントに到着する。その前に今回の作戦の概要を説明する』


「あ、はい」


『両名はガリウスGの予備パーツと武装を運搬し、グラディオスへ向けて運搬しろ。俺は別行動を取る』


『待ってください。別行動って?』


『艦長より直々に与えられた任務がある。それを優先し、実行してから合流する。学生なら物資運搬の演習も受けているだろう。工夫するんだな』


 一方的に任務を押し付ける辺り、ソータが苦手な人物に認定されてしまうんだよな。


 けど、シドウの任務無くして、本編が始まらないことも確かだ。今は別の任務を優先させることにしよう。


「承知しました。少尉もお気を付けて」


『心配されるまでもない』


 サフラビオロスに接近し、あるポイントに到着すると、シドウのガリウスGが加速し侵入する。


 なかなかのマニューバだ。加速と減速を自在に操っている。俺にはまだできない。


『運べったって、どうしよう………』


 物資運搬を押し付けられたソータは、シドウが侵入した搬入口を見て呆然と呟いた。サブモニターでは困惑する表情がヘルメットのバイザー越しに見えた。


「落ち着けって。工夫しろって言われただろ?」


 もちろんソータは工夫する。で、物資を運ぶ。かかった時間は数分だが、俺がヒントを出すことで数秒にまで短縮した。


「ここ、覚えてるか?」


『あ、確か………俺が外に出たところだ』


「俺もだ。ケイスマン教授のドッグ直通のエレベーターになってたんだな。教授のゼミでもやったろ。エレベーターの仕組みを利用すればいい」


『………そっか。カタパルト!』


「正解。その改造も簡単だ。しかもこのエレベーター、ケイスマン教授が作ったんだろ。手順だって覚えてるな?」


『え、なんでここもケイスマン教授が作ったってわかるの?』


 やべっ。ヒントを出しすぎて墓穴掘るところだった。


 甘やかしたかったわけではないが、過剰な演出は辻褄合わせに苦労しそうだ。考えてやらないとな。


「去年、そんなこと言ってたんだよ」


『あ、そっか。エー先輩は去年から教授にお世話になってたんだね』


「よくサボって叱られたけどな。あー、それからな。多分だけど、言われてないけど、ガリウスに関連しないものも運ばないといけない。探さないといけないし、エレベーターの改造と物資運搬を任せることになる。いいか?」


 死人に口なし。うまく誤魔化すことができた。


 で、艦長に進言した手前、仕事も増えた。カイドウのおっさんも反対しなかったし、媚を売るためにも達成しなければならない裏にして追加のシークレットミッションってやつだ。失敗すれば怒られはしないが、失望されかねない。


『食糧とかだっけ? いいよ。改造はひとりでやれるから』


 ソータも今日の食事に思うことがあったらしい。快諾してくれた。


 それから俺たちは搬入口から内部に入り、それぞれの仕事にかかった。


前章に比べてかなり長くなっております。裏側ではなく本編に合流したため、だいぶ丁寧に書いているからでしょう。

本日はまだまだ更新する予定です!


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、いいねなど思いつく限りの応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

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