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撃てよクソ野郎B04

 ソータの事情聴取が終わり、次はハーモンを呼び出す。


 ソータがマッサージしてくれたお陰で足は最悪なことにならずに済んだが、当分は立ち上がることができないだろう。


「失礼します………え、大丈夫っすか? エー先輩」


「クランド艦長の説教会の影響でなぁ………病み上がりにはキツい罰だったよ」


「も、申し訳ねぇっす。俺らのせいで」


「まぁ、責任感があるだけマシかぁ。………座りな、ハーモン」


「うす」


 忠犬ハーモンは入室し、俺が使っている椅子に腰掛けるも、数秒後には居た堪れなさそうにしながら、俺に接近した。


「あ、あの。エー先輩」


「うん?」


「そのままじゃ辛そうですし。俺に任せてほしいっす」


「そうか? んじゃあ、お願いしようかな」


「うす」


 ハーモンも思うことがあったんだろうな。


 なんたって俺は、ベッドから起き上がることができないのだから。


 足の感覚を戻したまではいいが、問題は身体中に広がっていた。


 肩や腰にまで影響が出ていたのだ。俺は無意識のうちに、肩と腰の痛覚まで消して、左右のどちらかに重心を寄せて立っていたせいで、酷い痛みが発生するくらい負担をかけていた。痛覚を消して作業に没頭するのは便利だけど、ある意味リミッターを外したようなものだ。これはこれで考えものだな。


 ベッドから起き上がれず、うつ伏せになっていた俺の近くに乗り上げたハーモンは、軽く触れて状態を確かめてから、指を押し込んだ。


「うっ」


「痛ぇっすか?」


「かなり………」


「じゃ、ここを中心に解していくんで。楽にしててくれっす」


「うん、あんがと………じゃない。危ねえ。寝ちまうとこだった」


「くそ………」


「あ? 今悪態ついたな? ハーモンテメェ」


「き、気のせいっすよ。幻聴じゃないっすかね? 疲れてんだ。そういうこともあるっすよ」


 忠犬になったと思えば、知恵をつけて多少は賢しくなりやがった。


 素直に召集に応じたかと思ったら、事情聴取が嫌で、まさか画策していやがったとは。


 マッサージを受けている途中で寝落ちすると、とても気持ちいいと聞く。ハーモンは生意気にも俺を寝かしつけるつもりだったのだ。


 そうはさせない。脳内チップで制御する。


「ったく………じゃ、聴取するぞ。なにがあった? 俺は理不尽に怒らないから。言ってみ?」


「………うす」


 ハーモンはゆっくりと語り出す。


 それにしてもマッサージうまいな、こいつ。


 ソータとはまた違う、本格的というか、凝りの原因を突き止めてダイレクトで解消していく手付き。


 聴取が終わってからそれを尋ねてみると、


「まぁ、今となっちゃ顔も見たくねぇ親父から仕込まれてたってのが大きいっすね。軍人になったら、こういう時があるかもしれないからって、ガキの頃から親父の体をマッサージさせられてたんすよ。ただやらされていたって気付いたのは最近っすけどね。でも、エー先輩の役に立ったんなら、あの苦痛でしかない日々も無駄じゃなかったって思うっすよ。親父の体に比べれば、エー先輩の筋肉ってすげぇ柔らけえし」


 遠回しで筋肉のないヒョロガリ野郎ってディスられた気分になったが、それがハーモンにとって誇りになるならなによりだ。


 ちなみにだが、ハーモンは学生の頃は喧嘩に明け暮れる不良ではあったが、成績は中の上で、クスドに教わっていたのもあったが、やはり地頭がよかった。クランドの質問にある程度は答えられていたし。


 それに、単位にはならないが、学部が違うが医学部などのマッサージに関連する講義も受けていたようだ。そっちの成績はよかったという。






「失礼しまーす」


「あいよぉ、うぉお!?」


 ハーモンの聴取が終わったので、最後にヒナを召喚する。


 入れ替わる間、脳内チップではクスドが提出するレポートに目を通した。ユリン以外が似たような理由だ。というかユリンは短時間で終わる。俺が攻撃されたからボコボコにしてやった。以上。なんて簡潔。3分もかかってない。


 で、ヒナは入室した途端に、暴走気味になりながら突撃してきやがった。


 足と腰の痛みがある程度和らいで、少しだけ体を起こせるようになったところに、まさかのダイブ!


 驚かずにいられない。


 だって、動けない俺が反応した時にはもう、ヒナが俺の上にいたんだもんな。


 この体勢………なんていうんだろう。


 犬や猫の………交尾みたいな?


 でもおかしくね?


 雄と雌、普通逆じゃね? なんで俺が下?


 あれ? もしかして今日限りで、俺の尻は終了するとか?


「エー先輩………エーせんぱぁい」


「な、なんだぁ? 酔っ払ってんのかお前? え、酒飲めないよな? あるはずないよな!?」


「酔ってないよぅ………こうしたい気分なんでーす………」


「ああ、そういう………」


 ヒナは甘えたい気分だったってわけだ。


 マウンティングポジションからの、俺に覆い被さり始める。俺の背中を堪能するように色々と押し付けながら。


 やっべぇ、これヤッベェって。


 ヒナも色々抱えてるから、ストレスでこうなってしまったのなら解消に協力してやりたいけど、この体勢はアカンって。


「うわ、エー先輩のここガッチガチ」


「言い方ぁっ!」


「肩のことだよぉ」


 こいつぅうっ!


 疲れたよね。ごめんねエー先輩。ほら、揉んであげるから。あ、それともエー先輩が揉む?」


「だから言い方ぁっ!」


「肩のことだよぉ」


 ご、ごいづぅぁあっ!


「それともどこか揉みたいところあった? いいんだよぉ、別に。虫ケラさんにも宣言しちゃったし。ほら、有言実行。エー先輩もリラックスしよっ」


 肉欲ぅぅうううううう!


 切腹ぅぅうううううう!


 ヒナはどこまで試練を与えるのだろうか。


「おっぱいはまだ無理と………」


 なんか書いてるぅぅううう!


「ならEプランに移行して………ねぇ、エーせんぱぁい」


 甘ったるさ150パーセント増しの甘えた声。超レッドアラート。俺の理性に強固なフィルターをかけるべし!


「オイルエステって、知ってるぅ?」


 ヤバいヤバいヤバいヤバい!


 ヒナが一発でフィルターを突破した!


「し、知らな………い」


 嘘です。俺も健全な男の子。


「じゃ、教えてあげるねぇ」


《ハルモニ! 俺の感覚をフルでカット! イメージは全身麻酔!》


《ノー。ドクター・レイシアの権限において、パイロット・ヒナとともにいる時においてのみ、メカニック・エースの禁欲はすべて却下されます》


 ちくしょぉおおおおおおお!!


 あのイカれたカウンセラーめ! ついにやってくれやがった!


 そんなに俺とヒナをくっつけたいか! それもクッキーの材料を過剰に消費させたくないがためだけに。俺の推し活とは別の目的かよ。


 俺はシャツを脱がされ、うつ伏せのまま、迫りくる凄まじい衝撃に耐えるしかなかった。


「あ、オイルなかった。じゃあそのままでいいか。掃除が面倒だしねぇ」


 これは酷い。オイルの有無じゃなくて。ヒナが俺の理性をごっそりと持っていく。


 けど、一応聴取は成功した。ヒナはどこでそんな動きを覚え───どうせレイシアのレクチャーだろうけど、とんでもない動きをしながら愚痴をこぼす。


 大体、ソータとハーモンから聞いたとおりだ。


 エステがどうだったかって?


 ………柔らかかった、です。


6回目!

これでストックが消えました! まだ帰れないけど出先で頑張って書き続けています。

あと2回! 皆様、私に力をください! もう何回書いたのかもわかりませんが「書けや♡」とブクマ、評価、リアクション、感想などの応援をいただければ、きっとモチベーションも維持できるはず!

何卒宜しくお願いします!

次回は間に合えば19時頃に更新します!


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなどのありがたい応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

誤字脱字報告、ご質問も大歓迎です!

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