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グラディオスA03

 ところが、出発しようとした直後。アラートが鳴り響く。


『サフラビオロスに変化あり。繰り返す。サフラビオロスに変化あり。総員警戒態勢。………民間人のソータ・レビンスならびエース・ノギは艦長室に出頭してください』


 アナウンスで全員がザワつく。


 そういえばグラディオスは中破したコロニーの近くに駐留しているのだった。


 この時点で理由は明確にされていない。アイリが「サフラビオロスがまた襲われたんですか?」とか「なんでソータが?」とか詰問しているが、レイシアは困惑した様子で「わからない」と首を横に振るばかりだ。


 確かにレイシアに理由は知らされていない。現段階でサフラビオロスの変化や、これから始まる作戦を知っているのは考案者である整備長のカイドウと、艦長のクランドと、副艦長だけだ。あとは視聴者だった俺もだ。


 けど、腑に落ちないことがある。


 今のアナウンス、なんて言った?


 ソータと………俺?


 ソータならわかる。本編にあったとおりだ。


 そこに俺が付随されていることが、まったくの不明。俺まで呼び出される理由が読めない。


「と、とりあえずみんな、ミーティングルームに戻ってくれるかな? ソータくんとエースくんは、私が艦長室まで案内するから」


 渋々ながらも来た道を戻る一同。俺とソータだけはレイシアの先導で、艦長室に通される。


「失礼します。ソータ・レビンスくんとエース・ノギくんをお連れしました」


「入れ。レイシアは下がっていい。彼らも不安だろう。見ていてほしい」


「はい」


 レイシアはここまでだ。大きなデスクで従面していたクランドに俺たちを引き渡し、本来の引率の役割を果たすため戻っていく。ただ、こうなってしまってはグラディオスツアーどころではない。続きは本編のとおりまた明日に先送りとなる。


「さて………なぜ、きみたちが呼ばれたのか。わかるかね?」


「………わかりません」


「だろうな」


 クランドは大仰そうにしているが、姿勢だけであり、瞳の奥には葛藤が色濃くあった。


 モニター越し、作画だとうまく隠す描き方だったか、絶妙なカメラアングルだったためよく見えなかったが、こうして対面するように立つと、それがよくわかる。


「すでに予想しているだろうが、サフラビオロスは………もう人間の住める環境ではない。理由はわかるかね?」


「………俺が、破壊しました」


「結果的にはそうだ」


 嫌な言い方するなぁ。


 この会話も本編のとおり。血を吐くような苦しみに苛まれるソータを追い詰めようとするクランドの図だ。


 嫌いな艦長ランキングがあれば、上位にランクインしそうな言動だもんな。


「だが安心するといい。きみの破壊行為は正当化するものとする。大勢の敵を単身で引き受け、正規軍の到着を待たず殲滅した功績が大きい。………だが解せないな。これほどの戦果を出せる正規のパイロットはいない。いったい、それを成せるだけの操縦技術をどこで学んだ?」


「わかりません。………必死でしたから」


「ふっ。必死で、か」


 クランドという男は、はっきり言って不器用だ。しかも極度のツンデレ。おっさんに需要があるのかといえば、多分無いのだろうけど、後半になるに連れて良い味を出すんだよなぁ。


 もちろん真意は隠している。


 真意はふたつ。


 ひとつ。正規軍ではなく民間人、それも初心者同然の学生がアンノウンを大量に撃破を可能としてしかったことで、軍の存続や存在意義が問われかねないことを避けたかった。面目丸潰れだもんな。本部にも隠蔽して報告したほうがいい。


 そしてもうひとつ。どちらかといえば、これがクランドの本意であり、葛藤の正体。


 クランドは民間人を守るためなら躊躇しない、熱い男なのだ。


 それがソータが単身でアンノウンを撃破したなどと隠しもせず本部に報せでもすれば、本部はソータをモルモットにする。人権を剥奪して研究や実験を繰り返して、ソータが壊れたとしても得たデータを参考に強靭な兵隊を作り出そうとするだろう。


 クランドは子供にそんなことをさせたくなかった。


 軍人を志して入学した軍学校の卒業生ならまだしも、サフラビオロスは裏では軍に協力していたにせよ、学園はすべてを国防に注いでいるわけではない。優秀なパイロットを育成しているだけな、平和な世界だったのだ。


「きみがアンノウンを撃破するためにサフラビオロスで行った戦闘で出てしまった被害は、無罪となるだろう。しかし、それには条件がある」


「条件?」


「我々は現在、とある問題を抱えている。エース・ノギ。きみが運び出したガリウスについてだ」


「俺ですか? ………ぁ」


「どうした?」


「いえ、なんでもありません。失礼しました」


 茶を濁すような言動しかできなかった。


 俺は無意識にも第3話に続くよう、動いてたってわけだ。これは失態か、成功か、判別が付かない。いや正解だったのか? でなければ、こうして本編が始まるわけがないもんな。


 それがこれから明かされる、クランドたちが抱える問題と、それに同義の任務に直結しているのだから。


今日はここまでです。

明日、大量に放出いたします。


エースが裏ではなく本編に関わるようになったことで、これより話数が増える予定です。

チートとはありますが………もうちょっと先になるかと思います。あと、エースは変態です。


作者からのお願いです。

皆様の温かい応援が頼りです。ブクマ、評価、感想、いいねなど思いつく限りの応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

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